今回集まってもらった識者
いろいろな興味がタスク化しているライター。勤務する会社の関係でよく新幹線を使うので、新幹線の未来について並々ならぬ思いを持つ。
マンガも描くライター。「こうなったらいいな」ということをよく考えているので、新幹線の未来について並々ならぬ思いを持つ。
電車が好きな当サイトの編集長。大阪から東京までの新幹線の車窓映像を撮るほどなので、新幹線の未来について並々ならぬ思いを持つ。
今回の会議の発起人。新幹線に乗るとエンジョイしすぎてついつい酒を飲みすぎてしまうくせがある。新幹線の未来について並々ならぬ思いを持つ。
20000系になれなかった19800系
伊藤: 新幹線だと、たぶん、僕らの今未来に一番近いのが銀河鉄道999?
林: 銀河鉄道、急に古くなりましたもんね。
伊藤: あれC62形とかなんですよね。間違いなく新幹線にも松本零士みたいなメーターはついてくるんじゃないかなと思うんですよね。
林: へっこんでるやつですね。
伊藤: で、何を表してるのかわからないインジケーターが。あれはついていてほしい。願望かもしれませんけどね、個人的な。
林: 新幹線19800系だよね?
伊藤: なんですかね。20000に200足んないのはなんなんでしょうね。
林: なんですかね。20000系がゴールで、アキレスと亀みたいな近づけない何かがあるんじゃないですか。
トルー: 「20000はこれ」って決めてるんだ。
林: そうそう。だから20000は銀河鉄道かもしれないですね。
伊藤: 200足りないからやっぱりまだA側が少し広がった程度みたいな。
林: 刻んでおこう。まず断片から行くとアイスが1人1個もらえるんじゃないの。
伊藤: サービスの向上ですか。
林: そういう断片を積み重ねて考えてもいいのかな。
大幅に進歩すると0に戻る
伊藤: 新幹線0から始まってるんですよね。
トルー: ふーん。
林: 0系ですよ。0系ってすごいですよね。
伊藤: 当時から0系だったのかな。わからないけど。でも当時に0ってつけるセンスってすごいなって思いますけどね。
林: 0系、100系でしたっけ。
伊藤: 100、200、あたりが順番テレコだったりするのかな?
林: 10系はないんですね。
伊藤: 10系は聞いたことないですね。100、200の世界ですね。
林: 今は700でしたっけ。でNがついたりつかなかったり。
伊藤: N700Sが最上級じゃなかったでしたっけ。
林: リニアモーターカーって何系っていうんでしょうね。あれね。
伊藤: 九州の方で800みたいのでてないかな。
藤原: ありますね。九州ですね。
林: リニア新幹線の名前L0系ですよ。また0だ。
トルー: リセットされたんだ。
伊藤: あーでも、それなんかエモいですね。
林: 0つけちゃうぞっていう。
伊藤: 新幹線から始まってねえ。
林: うん。
伊藤: それまでも新幹線的なアレの路線と決別ってことですよね。
林: ということはあれか新幹線とか電車って数字が多いとあんまり良くないのかな。またすごい画期的だと0にもどしちゃう。
トルー: そういうことですね。
林: 19800系って相当陳腐なんじゃないですか。
トルー: うん、ずっと何もなかった。
伊藤: リニアとか枝分かれして進化していった系なんですよね。リニアはゼロからはじまってるけど、必要があって旧来のシステムも残るんです。
トルー: 今の700系が独自進化していく。
伊藤: そう。19800ですよ、なんかお得感あるじゃないですか。
林: だからそうか、陸に上がって進化した動物もいるけど、おれは海に残って言った側の末裔が19800ですね。おれ海でいいよっていう。じゃあアイスじゃないですか。
伊藤: グリーン車がめっちゃ緑なんじゃないですかね。
林: だれか途中で気づくんですよ。「グリーンじゃないぞこれ」って。
伊藤: オズの魔法使いの世界みたいな。
林: これから衰退するので、日本は。グリーン車の名前をベージュ車に変えちゃう。色優先で。
伊藤: ベージュにするのは、なんか落ちますね。
林: ベージュ車。
伊藤: グリーン車ってなんか憧れあるけど、ベージュ車かあ。
林: ベージュのマーク付いてるんですよ。葉っぱもベージュで。
伊藤: いやあー。
藤原: 衰退してますね。
伊藤: オフホワイト車とか。
林: そうですね。
もう願望を語ろう
トルー: 椅子バラバラにできて自由に並び替えられたらよくないですか。
林: いいですね。
藤原: いいですね。
林: 畳?
トルー: たた…み、かな。
林: 畳じゃないのか。
トルー: 畳もいいですね。
伊藤: あ、めちゃめちゃマンガ置いてあるってのどうですか。
林: いいですねえ。
伊藤: それが19800冊。
林: 椅子持ち込みかもしれないですね。パリッコさんみたいに好きな椅子をね。
トルー: キャンプの椅子とか。
林: うん。そうそう。
トルー: 好きなとこ座るのいいですね。
林: うん。……海の家みたいなるってこと?
トルー: はっはっは。海の家か。
林: 畳で好きなとこ座っていい。
トルー: 水着で入ってきて。
林: あーそうそう。
伊藤: 音楽めっちゃ流れてるんでしょう。
林: そうですね。でもそれはアガりますね。海の家で時速300kmで移動できるのは。
トルー: いいですね。
林: それはけっこう9800系くらいまで来ちゃったんじゃないですか。
遅くするのがサービス
伊藤: どっちを追うかですよね。スピードを追うのはリニア系なんですよ。
林: そうかそうか。情緒とかいい始めますね、きっとね。
伊藤: スピードじゃない何かを追いかけて進化していくんですよ、たぶん。
林: そしたら遅くするのがサービスなんじゃないですか? スピード。
伊藤: たしかにずっと乗ってたいじゃないですか、新幹線。
トルー: 遅くなっていくんだあ。
林: もう、30km/h。
トルー: おっそ! おそいですね。原付き、原付きだ。
伊藤: 仙台出張行ったんですよ、まえ。で、1時間半なんですよね仙台って。あれがなんかつらくて。
林: つまんないですね。ずっと乗ってたいもんね、新幹線はね。
伊藤: 仙台に1時間半ってなんかやだなと思って。東北行くぞ、っていいじゃないですか。あれやっぱり3時間くらい最低でも行きたいんだよな。
林: そうですね。だって奥の細道みたいな話ですよね。
伊藤: そっか。それは進化ですね、長く乗ってられるのは。
藤原: うん。
林: 「今度の新幹線は長く乗ってられます!」
伊藤: 線路もめっちゃ迂回路足すんじゃないですか。
藤原: 線路がこう、うねうねってなるんですね。
林: 景色がみられるようにね。
トルー: なるべくトンネル入らないように。
伊藤: 山登ってくれないかね。箱根登山鉄道みたいに。つづら折りの。
トルー: スイッチバック。
伊藤: スイッチバックつけてほしいなあ、新幹線に。
林: 新幹線って、東海道新幹線でいうと、片側の人しか富士山見られないじゃないですか。こう通ればいいんじゃないですか。
林: こう通ればみんな等しく富士山が見られるから、これでもう102000系くらいまで来たんじゃないですかね。
トルー: もうちょっと。
伊藤: これでもいいですよね。
藤原: ははは。
林: なんですかそれは。
伊藤: これが富士山で、ぐわーーってここをこう回っていってこういくという。
林: 新幹線が富士山の前を。
伊藤: そうそう、そうそう。
林: いいっすねー。
トルー: そうとう遅くないとこんなグルグルできないですよね。
伊藤: かなり鋭角なとこあります。
寿司屋が未来だった
林: でもきっと中はあんまり揺れないんですよね。
トルー: 揺れないんでしょうね。
伊藤: だから、アレじゃないですかエキスパンション…なんだっけマンションの耐震の構造。エキスパンションジョイントでしたっけ。
林: なんかこう、振り子、…振り子式はすごい揺れるんだよな。
トルー: あの出前のあのあれですよね、後ろについてる。
林: あれね、出前機。
トルー: 出前機。
林: 出前機みたいな構造なんだ、新幹線の自体が。
トルー: ふふふ。見た目揺れてても中は揺れてない、みたいな。
伊藤: 遅くしはじめたら何でもありになってきましたね。
林: そうですね。
林: 出前機に新幹線が乗ってるわけですよね、こうやってね。
藤原: ははは。
伊藤: 寿司屋で見たことありますよ、こういうの。
林: いや、新幹線自体が浮いてて、こう台車に乗ってるっていう。
伊藤: それに寿司が乗って運ばれてくる寿司屋ありますよ。
林: ほんとに? えっ、え、じゃあ何寿司屋の新幹線がけっこう未来ですかね。
伊藤: なに寿司だっけな、絶対あったよそれ。
トルー: ありました、ありました。
林: 本当? ゆれないってこと?
伊藤: ものすごく今のイラストで僕リアリティありましたもん。
林: そんな寿司屋あるんだ。
伊藤: あったあった。なんだっけなあ。
トルー: スシローかな。
伊藤: スシローかな、でもけっこうなチェーン店だった記憶がありますよ。
林: へえー。
伊藤: なんか2階建てになってるんですよ、寿司のレーンが。上が快特みたいな感じで。
林: あー。それは知ってる。でもおれのは新幹線が揺れるんですよ?
トルー: ははは。
屋形船だ!
トルー: 海の上とか走るんですかね。
林: あー。海の上を通って、遅い。
トルー: 遅い。
林: で、畳敷き。…それは屋形船では。
藤原: ははは。
トルー: 屋形船だ。
林: 屋形船かもしれないですね。
林: すみません、まだ新幹線のこと描いてるんですけど、こう急カーブで台車がギューって斜めになってても新幹線は水平を保つっていう。バカが考えた水平を取る装置ですよね。
林: あーでも屋形船は理想ですよね。あっ、プライベートジェットに最近ずっと興味があるんですけど、プライベートジェットの内装何にしようかと思ってたんですけど、新幹線の中で1両単位で借りれる、みたいな。ニューノーマルの時代に1両単位での貸し出しを。
藤原: うん。
トルー: うんうん。
林: でもそれは売り方ですね。
伊藤: 1両単位ならもう車道とか走れないですかね。
林: 車道ね。あの輸送に乗りたいですよね。
伊藤: あー
林: あの、工場から運ぶじゃないですか、車庫まで。
トルー: トラックに乗ってる。
林: そうそう、あの中。あれ。
トルー: うんうん。
ドラえもんに一つの理想形があった
林: あのみんなあれじゃないですか、ドラえもんのすごいいい話あるじゃないですか。家が寝台列車になる話あったじゃないですか。
伊藤: なんだっけな。全巻持ってるのに覚えてないな。
林: あれがもう最高すぎる。藤原なんだっけ、あれ?
藤原: なんでしたっけ。
林: 家がさ、最近ツイッターで誰かが書いてて……『ブルートレインはぼくの家』。
藤原: ははは。
林: この情緒がすごいですよね。
伊藤: いい絵ですね。
林: これだといいなあ。
トルー: これが19800。
林: ええ。
伊藤: あーでもこれは19800だなあ。
林: リニアがありますからもうこっちの軸ですもんね。
伊藤: スマートなのはいいですもんね。そっちに任せたほうが。
ルートを考える
伊藤: どこに止まるんですかね、19800だと。
トルー: 駅ですか?
伊藤: 東京はまず始発として。
林: 東海道?
トルー: うーん
林: 自分ちの前通ってほしいけどそれだとおかしいな。
伊藤: 熊谷しか止まらないで小倉くらいまで行ってまた熊谷に戻ってくるっていうのはどうですか?
林: それはいいですね。
伊藤: 熊谷しかとまらない九州新幹線みたいな。
藤原: ははは。
林: あ、あの九州はもう見るだけ。
伊藤: そうです、そうです。
林: はー、贅沢ですね。
藤原: あ、とまらないんだ。
伊藤: とまらない!
伊藤: しかも熊谷だからちょっとこっち側(北側)行っちゃってる。
林: なんで? っていうね。
伊藤: あ、それいいなあ。
林: 30km/hだったら、途中のたとえば九州で熊本とかで30km/hで並行して弁当屋があれば弁当買えますからね。
トルー: ああ、そっか。
林: 空中給油みたいに、こう。
トルー: そうですね、好きなところで弁当買いたいですね。
林: うん
伊藤: 長旅ですからね。30km/hで九州へ行って帰ってくる。
林: 1週間くらいかかりますね。
藤原: ははは。
伊藤: いいなあ。遅いのが一番だな、年取ってくると。
キオスクが1両ある
藤原: キオスクみたいな車両が1両あると便利ですね。
林: いいですね。グミいっぱいぶら下げてるんだ。
伊藤: あとワッフルとか前の方に置いてある。
林: そうだね。ジュース買おうとすると音楽流れるやつね。
林: いまキオスクってほぼまわりグミですよね。グミがなんか鎧みたいにないですか?
トルー: うーん。
伊藤: あと村上春樹の上巻とかしか売ってなかったりしたんだよな。
トルー: へー。あれってキオスクの人が選んで置いてるんですかね、本って。
林: 聞きたいですね。どうしてるのか。
伊藤: 本とかわかんないですね。なんなんだろう、たしかに。西村京太郎とか置いてあるんですかね。縁起悪くないですか。
林: 爆発するからね。
トルー: あんまりじっくり見たことないな。
伊藤: 嫌ですよね『オリエント急行殺人事件』とか。
藤原: 『新幹線19800系殺人事件』が書かれるかもしれないですね。
伊藤: 大変です。遅いから全部めちゃめちゃできるじゃないですか。
トルー: たしかに。
藤原: 降りても怪我しなさそうですしね。
トルー: なんでもありですね。
伊藤: 降り放題ですよ。
トルー: 密室じゃないってことですよね。
伊藤: 密室になりえないし。
林: 「犯人はお前だ!」って言った瞬間にジャパネットみたいに「ジャン」って鳴るんじゃないですか。
伊藤: もう映像化してるじゃないですか。
付加価値をつけまくろう
林: ボウリング場とかあるんじゃないですか。
トルー: 広いですね。
林: ほら、レーンが丁度いいじゃないですか。
トルー: ちょっと運動もできるように。
林: 電車の中でボウリング投げると電車の外からどうやって見えるのかっていう物理の問題みたいになっていいですよね。
藤原: 時速30kmで投げると、静止して見える。
トルー: 出前機がまた釣ってるから、ちょっとややこしいんですかね。
林: あー。ややこしいですね。完全に19800系の横面をガラスにすれば…、新幹線沿いに犬を散歩させてるおじさんとかいるじゃないですか。あの人からは静止するボールが見えるんですね。
これけっこう19800系としていいですね。それは未来ですね。
トルー: その実験ができる号。
伊藤: 移動のためのインフラじゃなくなってるんですね。
林: そうですね。
伊藤: 付加価値だらけの。付加価値だけで走ってる。全身付加価値だ。
林: 電話だってビジネスとか言って会話の楽しさで普及したんですよ、きっと。「楽しさ」じゃないですか。
藤原: 新幹線が生き延びる先として、「楽しさ」が進歩の理由になってくる。
林: リニアもあるし。あといよいよリモート会議で、何十年も前から言われてる、堺屋太一のころから言われてることだけど、出張がなくなるっていう。みんなそういう未来を予想してたけど、いよいよコロナ終わってもリモートでいいんじゃないですかって言うようになっちゃった。
伊藤: 乗ることが目的になる電車。
林: そうそう、乗ることが目的って言うと、畳敷き!ですかね。
トルー: うーん、いいですね。
林: もれなくアイス。
伊藤: コンセプトかっこいいのに結果が全部そういうボウリングとか畳敷きとかマンガいっぱい置いてあるとか。
林: 全体的に発想がスーパー銭湯なんだな。
藤原: ははは。
トルー: 中で天ぷら揚げててほしいですね。
林・伊藤: ああ、いいですねえ。
林: そうなんですよ。大人になるともてなすときにごはんの量を増やすとか、ご飯食べ放題ってすぐみんなやるじゃないですか。良いラウンジとかファーストクラスとかって。でもそんな食えないじゃん。一定の上限があるから、食べる以外のもてなしがあればいいんですよね。
トルー: なんだろう。
藤原: 踊りを見せてくれる。
林: それだ。そうだね。踊りってけっこうプリミティブな歓迎だよね。
伊藤: 昔のロードサイドにあったそういう旅館の宴会場みたいな感じですよね。
トルー: 未来の話なのに全然そんな感じしない。
林: 食も上限あるし、酒は健康に悪いからやらないだろうし。
藤原: 歌と踊りで。
伊藤: ふれあい動物園じゃないですかねえ。
藤原: あー。
林: あれはいいですね。
伊藤: モルモットとかハムスターとかにエサをあげる。
林: エサをあげるっていうのは楽しいですよね。
伊藤: なにか食べたりっていうのは欲求としてあるけれど、まさか新幹線でエサをあげるっていうのはそうとう時間を置いとかないと出ないような気がするんだよな。
承認欲求にまみれよう
林: ヤギとかね。ヤギっておでこをタワシでこすると喜ぶんですよね。
藤原: へー。
林: ヤギとかタワシでこすれるといいですね。
トルー: ははは。喜ばれたいってことですね。生き物に。
林: あー「喜ばれ」。最近本で読みましたよ。人に感謝されるのって麻薬並みの常習性があるらしいですよ。同じ脳の働きらしくて。感謝されるのがこれからのドラッグじゃないですか。
伊藤: ああ。
藤原: じゃあ、新幹線の中で道に迷ってるおばあさんとかいて、案内してあげる。
林: そう。
トルー: 道に迷ってるってなんなんですか。
林: 新幹線で座ってると、きっぷのないおばあさんが横に立ってきて「どうぞ」って。
伊藤: 譲れるんだ。いいですねえ。
林: 気分いいですね。「おれボウリングしに行くからどうぞ」って。で物理の実験ができるんだ。
伊藤: 疲れたら他でちゃんと座れるし。
林: そうなんですよね。感謝されるのと動物と触れ合えるのは新しいドラッグとして。
伊藤: お金配れるのどうですか。それこそ。
林: あーいい、いい。
藤原: いい。
林: (配って)「ありがとうございます!」
伊藤: フォロワーも増えるし。
林: フォロワーが増える。ははは。
伊藤: フォロワーが増える新幹線っていいな。
林: ほんとになんか承認欲求にまみれた新幹線ですね。そうだ、感謝は報酬、麻薬くらいの報酬になるって書いてありました。
伊藤: バビロンみたいな滅び方をしそうですね。
林: 実業家が酒とか食とか女遊びに飽きたら慈善事業はじめるのはそれなんですかね。
トルー: うーん。最後は感謝されたい。
伊藤: 進化の行き止まりを迎えようとする新幹線がそっちに行くのは自然ですね。
トルー: 進化の行き止まりだ。
藤原: 行き止まってますねえ。
トルー: 感謝と新幹線くっつけたら、動力になれるんじゃないですか。なりたければ。
林: おお。
トルー: 自転車みたいなのがあって、それを漕ぐと「おかげで進んだよ! ありがとう!」って。これだ。
林: 敬礼されるってそうとう気持ちいいかもしれないですね。
トルー: 乗務員が一列に並んでて。
伊藤: 飛び出してきた動物をどかせるっていうのはどうです。
トルー: 逆に新幹線を止めるのは。
伊藤: 止めるか動物先にどかすか……。言っても30km/hだから、ちゃんと分かってればできるじゃないですか。キン肉マンでテリーマンがうさぎを助けるために新幹線を止めて失格になりました。超人オリンピックで、たしか。
林: でその新幹線が動物をどけてまた走り始めたときに、草むらの向こうで鹿がこっちを見てる。
伊藤: あー。エモいわ。それはエモい。
林: 鹿の親子がこっちを見てるんですよ。「伊藤さん、ありがとう」って。
伊藤: 子が逃げてって、親が迎えるんですよね。で二人でこっち見てる。エモいなあ。
林: エモい
伊藤: 熊谷くらいでほんとそうなったらエモいわ。
トルー: その映像編集してくれてそのあとはそれ見てればいいんですよね。中で。
伊藤: あー!
林: 「伊藤峠として名付けられました」みたいな。
トルー: あー名前がつく。
林: 名前がね。
伊藤: それはいいですねえ。いくら取られるんだろう。けっこう取られそうですよね、金。
林: そうですよね。だって全員名前つけなきゃいけないですもんね。
伊藤: 仕込みも大変だし。
トルー: 町内会のお祭りみたいですね。名前の札が。
伊藤: 提灯とかさがってて。
藤原: 新しい鳥居が一個できるのもいいですね。
伊藤: ははは、冒とくしてる。
伊藤: 人身事故とかは電車がはやいから起きるわけですもんね。
林: 30km/hな上に、先頭車両を低反発クッションとかにしておけばかなり安全になりますよね。
伊藤: 無印良品みたいなね。人を駄目にするクッション。
林: それで無印みたいなキャッチコピーが書いてあればいいですね。「柔らかな布で包みました」みたいな新幹線。
伊藤: ふと思ったんですけど、今回何も酒とか飲んでないんですね、僕ね。コロナ禍になってから一番ZOOM飲みっぽいこと話してるなって。
トルー: 今。
伊藤: これだな、ZOOM飲み会の醍醐味っていうことを。
更に増す付加価値
林: 新幹線の内装は今まで通りなんだけど、1席買うともれなく隣の席がついてくるってのはどうですか?
藤原: ははは
伊藤: 席はもともとあるんですか?
林: 席はもともとある。
伊藤: その使用権がついてくる?
林: そうそう。もれなくもう1席ついてくる。3列のところは……寝れないか、横には。
伊藤: 適当に「ハッ」ってやったら、絶対どっかのコンセントに刺さるってのどうですかね。
林: すごい。
伊藤: 下の一箇所狙わなくてもいいわけですよ。
藤原: もうどこでも。
林: 上がiPhone100みたいにゲル状になってて、ぺって。
トルー: 穴とかじゃないんだ。
林: USBも適当に刺しても。
伊藤: USB適当に刺せるのめっちゃいいですね。あのストレスってほんと、あれのせいで誰か自殺してるんじゃないかっていうくらいですよ。Type-cもさほど良くなってないですよ、あれね。ちっちゃいし。
林: USBの裏表って半々だけど50%以上の確率で刺さんないじゃないですか。ということは毎回刺さってる人が世の中にはいるってことじゃないですかね。
伊藤: あー。
林: おれが70%失敗してるとしたら、確率と合わないから、毎回きれいに70%で刺さる人がどっかにいるんじゃないかな。……違うな。
伊藤: USBで黒ひげ危機一発作れないかなとはなんか思うんですよね。
林: いいですね。すごくいいですね。
トルー: 入りづらいんだ。
伊藤: 気持ちよく全部電源コード刺さるのいいな。気持ちいいな。
林: で、抜けない。
伊藤: 二刀流もいけるわけですから。
藤原: ははは。
林: 天井をフック状にちょっと曲げられて、コートを掛けられたりするんですね。
トルー: すごい。未来っぽいな。
伊藤: 細かいけどいいですね。あの新幹線のコート掛ける位置、微妙に嫌じゃないですか。
林: そうですね。
伊藤: 邪魔だし。
街のようになる新幹線
林: 新幹線に入って551のにおいがすると恥ずかしいから、最初から551の匂いが充満してる。おれが買って乗ってもわかんないっていう。
伊藤: でも大阪とまらないですからね、今の設計だと。
林: そうか。19800系は大阪とまらないんですね。熊谷でて九州へ戻るところが、けっこう山の中通っておもしろそうですね。
伊藤: そうですね。ちょっといい意味でむだなコースなので。そのへんでヤギを出しておいて……。
林: ありえないルート通るといいですね。これまで絶対鉄道が避けてきたような。南アルプスとかね。しかもトンネルじゃなく。
トルー: 登る。
林: 登る。そして降りる。
伊藤: あースイッチバックだ。
林: スイッチバックですね。
伊藤: けっこう今なんでもできますよね。今の時点で。天ぷらも食えますもんね。
林: そうですね。あとは食べすぎたときに胃薬買えるような、ココカラファインがあるといいですよね。
伊藤: 街だ。街づくりだ。
藤原: ちょっとした健康診断もできるといいですよね。
林: 長老が乗ってるのどうですか。
伊藤: え?
林: 長老。「わしはこの電車から降りたことがない」。
トルー: いるでしょうね。
林: 「この車輌のことは何でも聞いてくれ」。
伊藤: ずっと住んでるやつに限って地元のこと知らなかったりするじゃないですか。
林: ははは。
藤原: ははは。
伊藤: 意外に知識に穴があってもおもしろいですね、長老。
林: うん、長老ね。
もうサービスエリアに止まろう
トルー: 新幹線、サービスエリアとかにとまったら楽しいですかね。
林: あーいいですねえ。
トルー: アイス食べれますね。
伊藤: ソフトクリームとかね。
林: 棒に刺さったイカとかね。
伊藤: なんかペトペトした餅みたいなの売ってるじゃないですか。
林: 売ってる。全部棒に刺さってるんですよね。
トルー: 売ってるなあ。あれ畳で食べたいですよね。
林: あーいいですね。
伊藤: サービスエリアまでとまっちゃうと暮らしのあれが揃ってきちゃいますね。
林: 自分と同じ匂いのタオルケットがもうあるんじゃないですか。「なんで!?」
伊藤: 家じゃないですか。
林: 家ですね。で感謝もされて、鹿が見送ってくれるんですよね。
伊藤: すごいなあ。NEO新幹線。
藤原: うーん。
林: おもてなしだな。で、歌と踊りがあるんだ。藤原が言ってたね。
藤原: はい。
伊藤: ……ミンクのガウンを着てみたいですね。
トルー: ははは。着てみたいですって。
伊藤: 非日常がほしいなーと思って。ミンクのガウンかなあ、引きずるやつ。
藤原: 裸でですか?
伊藤: 裸で、そうですね。めっちゃふさふさしてるガウン。
伊藤: あとはあれか、めちゃくちゃでかいマグロを持ちたい。
林: はははははは。
藤原: 持ちたいですね。
林: それ伊藤さんの人生みたいですね、なんかね。
伊藤: やりたいこと羅列してる。
林: ちょっと若返ってるんじゃないですか、降りるときに。
伊藤: そうでしょうね。アンチエイジングも甚だしいですよね。そんな体験。
乗っちゃいけない電車
林: あ、あとは車窓から懐かしい景色が見えるんじゃないですか。子供のころ見た景色が。
トルー: すごい。
林: 死ぬな、この電車!
藤原: 子供のころの自分がいるんですよね。
林: そうそう。昔遊んでた公園の横を通るんじゃないですか。
トルー: あー、すごいなあ。
伊藤: 「抱けえ! 抱けえ!」とかってやる。
林: そう。その電車乗っちゃいけないやつですね、それ。それで中でもてなされてたら、もう絶対ダメだ。
伊藤: 人としての形をとどめなくなるな。
林: そうですね。昔の実家の前とか通るんでしょうね。すごい切ない電車になっちゃったな。
ROUND1?
伊藤: あとはなんだろう。エアホッケー?
林: ああ、エアホッケーいいですね。
トルー: 突然。
林: エアホッケーやってる間に死んでたらやだな。あ、ビリヤードやりたいな、久しぶりに。……いまの感想ですね。ビリヤードとかやりたいですねえ。
伊藤: ビリヤード場に行けばいいんですか?
林: そうですね。ビリヤードやってないな、と思って。
伊藤: めっちゃ下手なんですよ、ビリヤード。
林: おれも大学生にやった以来だからほんと何十年もやってないけど。
伊藤: あれができないんですよ、そもそも。一番最初にすごい散らすやつあるじゃないですか。
林: ああ、バーンって。最初の。
伊藤: あれが全然力の行く玉が行かなくて。なんていうですかね、コンって自分の玉が弾き飛ばされてなんか、一糸たりとも乱れないんですよ。
藤原: ははは。
林: ビリヤード場って「布を破いたら弁償してもらいます」って書いてあるじゃないですか。破いても弁償させられないんじゃないですかね、この新幹線のビリヤード場は。
伊藤: だから上げるやつがやり放題なんですよね。
トルー: ジャンプさせる。
伊藤: ジャンプショットやり放題いいなあ。
藤原: うん。
林: ダーツよりビリヤードのほうがいいですよね。ダーツだとまた物理の実験になっちゃうますもんね。
藤原: ちょっとだんだんROUND1感が出てきましたね。
林: ははは。そうかROUND1だな。
伊藤: アミューズメント施設になってきましたね。
林: ROUND1とかになっちゃうのか。
伊藤: カラオケはいままで出てきてないじゃないですか。カラオケはそうでもない感じですか。
トルー: ぼくもそんなに。
伊藤: 完全に個人の趣向なんですけど。ボウリングとビリヤードがあるとやっぱりほしいっていう感じにはなるんだろうなと思って。
林: トランポリン? やっぱROUND1ですね。
トランポリン、今の新幹線で大阪まで行く間、ずっとポヨンポヨン飛んでたらおかしいですね。
伊藤: 京都くらいだったらトランポリンやってる間についちゃうみたいな感覚でしょうね。
林: トランポリンやりながら新幹線で移動したらこういう移動なわけですよね。
林: めちゃめちゃかっこいいですね。こうやって爪痕を残したいですねえ。
……物理の実験がしたいだけですね、これね。すごくしたいんですね。平台車をこう移動させてその上でなにかやればいいんですかね。デイリーポータルZの企画だったらね。
伊藤: 19800系まで待つ必要があるかっていうのありますよね。
藤原: 個別にはできそうですよね。
林: 怪我しそうだなあ。
ほしい設備を考えよう
伊藤: めちゃめちゃ遠くまで光が届くサーチライトを装備していてほしいなって。めっちゃ光が筋になって行くような。
林: あっ、新幹線から。
伊藤: 夜そのサーチライトの先を眺めていたいという。
トルー: ああ。
林: 乗ってる者は景色が見える。
伊藤: そうですそうです。
林: ああ、いいですね。
トルー: 先頭に出れるのいいですね、電車の。
伊藤: いいですね。先頭がデッキみたいなのか、でそこからサーチライトの先を眺めていたい感じましますね。
林: 車掌車ついてるのどうですか。
トルー: 車掌車?
林: 最近車掌車の本買って読んでたんですよ。車掌車ってあの貨物列車の一番最後についてる、車掌だけが乗ってるちっちゃい家みたいな車両。
トルー: あー。
林: これ最高じゃないですか。
トルー: やっぱりだからちょっと狭いのがいいんですかね。
林: あーそうですね。
トルー: たばこ屋さんのスペースみたいな。
林: うんうん。ワンルームみたいな部屋があって、中にベッドがあって椅子があって机があって、CDラジカセとか置いてあるんですね。
伊藤: たばこ、売りたいな。
藤原: ははは。
トルー: 「タバコ売りたいな」
伊藤: いっぱいあるじゃないですか。マイルドセブンライトみたいな。ああいうの聞いてさっと取り出して売れるようになったらかっこいいかなーと思って。迷うことなく。
あの、今ってコンビニとかいっちゃうと42番とかになっちゃってる。あれじゃないですよね。「セブンスター!」とか言われて、はい、っていうのがやりたいですね。それは現代社会においては、もう新幹線の中に求めるしかないんじゃないかなっていう。
林: 車掌車の中って意外に広いんですね。
伊藤: 快適ですね。
トルー: 快適そう。
林: 十分ですね。
伊藤: あまねく電車にあるものなんですか、車掌車って?
林: いやたぶん貨物列車だけじゃないですか。
伊藤: あやっぱり客車にはないんですか。まあそうですね。いらないですもんね。だとしたら、あえて付けるのは価値ですよね。
林: そうですよね。
やりたいことを考えよう
伊藤: あとはなんだろうな。床暖房?
トルー: ははは。
林: それは大事ですね。
トルー: いいですね。
林: あの、冷たいシーツ気持ちいいじゃないですか、夏。だからすごい幅の広いベッドか、円形?
伊藤: キングサイズとかの?
林: こうか。これ、だれか言ってたな、でも。
林: こういう丸いベッドがあれば、回転すれば常に冷たいシーツで寝れるじゃないですか。
藤原: あー
林: 誰かが言ってた気がするな。
伊藤: 寝返りをうって回っていく感じですか。
林: そう。で多分一周する頃には冷えてるだろうから。
伊藤: あー永久機関だ。
林: ロール状でもいいですよね。
伊藤: それが新幹線に搭載されてる感じ。
林: 新幹線関係なくなってきたね。
伊藤: 駅弁バイキングってどうですかね。
林: あーいい。それはいいですね。
伊藤: やばいでしょ。弁当箱が空のが置いてあって、いろんなとこのおかずが並んでる。
トルー: あ、そっかそっかちょっとずつ取れるっていう。
林: タコ飯といくらと。
伊藤: 横浜のシウマイと仙台の牛タンとか。
林: チキン弁当の唐揚げだけとかね。
伊藤: あっ、自分で言っておいてこれはめっちゃいいですね。あ、これは…わざわざ乗りますよ、あったら。
林: それは乗るし、店でやったらめちゃめちゃウケそうですね。
トルー: うん。やりたいですね。
伊藤: でIllustratorのテンプレートがあるMacとかも置いてあって、自分で帯紙とかも作れたり。
林: それ出すんだ。
伊藤: めんどくさいな、そこまでやると。
林: 揺れる車内でイラレをね。
伊藤: 塗り足しとかちゃんとして断裁しないといけない。
林: 塗り足し3mmを。
伊藤: うわ、だったら早く飯食いたいな。
伊藤: あとは時期的にどんぐらいになるかですよね、諸々の開発が。19800系。
林: 熊谷から九州に行くところが一番難しそうですね。
伊藤: なんで熊谷って言っちゃったんだろうな。なんか頭に浮かんだ。
林: いま熊谷の位置を見てますけど、なるほど、こっからこうね……。
伊藤: でも位置いいんですよ、熊谷の。肩を持つわけじゃないですど。
林: 秩父とか突っ切る感じですかね。あ、佐久の方に行くのか。いいですね。
伊藤: 長瀞とかね。
遅い新幹線
藤原: 一通り出尽くしましたね。
伊藤: なんかほぼ全てを網羅してますもんね。
藤原: すべての娯楽を網羅した新幹線が出来上がりました。
伊藤: それでおそいっていうのが最高ですよね。
林: おそい。
伊藤: おそいってこれからの特急の差別化ポイントになりますよ。潜在的に誰もが望んでいたことなんじゃないかな。
藤原: 新幹線にずっと乗っていたいっていう。
林: やっぱりずっと乗ってたいのも、小田原過ぎてもうすぐ着いちゃうときに思うじゃないですか。小田原過ぎたら急に遅くなってもいいんですよね。
伊藤: 林さんじゃなかったでしたっけ、山手線みたいな環状新幹線がほしいって言ってたのは。
林: 環状新幹線があるといいなと。もうちょっとでできるんですよね。金沢くらいまで行ってるんでしたっけ。それが延伸するんですよね。敦賀ぐらいまで。
伊藤: 敦賀まで行ったら環状になるんですか?
林: いやそこから米原まではちょっと息止めて違う電車に乗って。その間寝て記憶を失えばまた米原から帰れますから。