特集 2025年2月25日

ビル座同定

山好きが山でやる山座同定(さんざどうてい)は、見えている峰がどの山かを特定する技術だ。これを街でビルでやりたい。ビル座同定だ。


山で山を特定するように、街でビルを特定したい

いろいろ唐突なので、まずは山座同定(さんざどうてい)から説明したい。

たとえばこんな景色があるとする。

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遠くに山々がある。ふつうは「きれいだな」くらいの感想しかないが、山に詳しい人にはこの景色がこんなふうに見えるらしい。

見えている峰がどの山なのか、山の形や位置関係から推測したり、地図から割り出したりして特定する。山座同定というそうだ。かっこいい。

これを街で、ビルでやりたいのだ。たとえばこんな風景があるとする。

これは東京駅周辺の風景なのだけれど、どの建物がどれなのかはよく分からない。

それがこんな風に見えたらどうだろうか。

大手町山脈:数字はビルの高さ(メートル)です

この中でいうと「丸ビル」(丸の内ビルディング)は見たことあるはずなんだけど、この建物のなかでどれが丸ビルかというのは全然分からない。

真ん中のわりあい背の低いやつが丸ビルでした

こんなふうに建物が見えたら楽しいと思うのだ。

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まずは山座同定のやり方を学ぶ

そこでまずは山座同定のやり方を学んでみることにした。それによると地図と方位磁針を使うのだそうだ。

まずは現在地の地図を方位に合わせて置き、地図上の現在地に視点を置いて、探したい峰の方角を見る。自分自身の理解のために、同じことを東京スカイツリーの場合でやってみることにする。

この中央のやつがスカイツリーだということを知らないと仮定して、これを地図から同定してみる。

まずは方位を合わせた地図の上に方位磁針(コンパス) を置き、先端についている目印の建物の方に向ける。地図の北と磁石の北(磁北)はずれているので、磁北の向きをあらかじめ地図に書いておくそうだ。

そして、地図上で現在地とコンパスの目印を延長した先にある顕著な建物を探す。

すると白丸の位置に「東京スカイツリー」 と書かれているので、なるほどこれはスカイツリーだと分かる。

いまは建物でやったけど、峰の場合は、国土地理院発行の地形図を見ればだいたい書いてあるので、これで分かるらしい。

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同じようにビル座同定はできない

地図とコンパスを使うアナログな同定はかっこいい。ビルの方角にコンパスを向けながら、「これは丸の内二重橋ビルだな・・!」とか言えたら素敵だ。

しかし、建物の場合にはこのやり方は難しいようだ。まず、遠くまで分かるような大きな縮尺の地図の場合、一つ一つの建物の名前はほぼ載ってない。

建物の名前までは書いてない

小さな縮尺の都市地図であれば建物名も載っているけれど、それを見るためには目的の場所がどこなのかあらかじめ絞り込まれている必要がある。

なのでコンパスを使うのはあきらめて、都市地図を見たり、Googleマップを3D表示にして現在地からの見た目と合わせたり、みたいな方法がビル座同定には合っているのだろう。

⏩ 見つけやすい建物を手がかりにする

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