特集 2019年2月7日

2週間 自分の手料理だけで生活したら料理はうまくなるのか?→なった

「料理がうまくなりたい」

一人暮らしを始めるとほとんどの人が一度はそう思い努力するのだが、ほぼ挫折する。なぜなら料理をする必要がないことに気づくからだ。

コンビニの冷凍食品は最高に美味いし、ファミレスも安い、吉野家に行けば牛丼がすぐにでてくる。家で作る必要がないのである。

じゃあ逆に考えてみよう。「料理を作る必要がないから上手くなれない」のであれば、「料理を作らなければならない状態」に自分を追い込めば料理が上手くなるずだ。

「外食禁止」や「惣菜の購入禁止」などのルールを決めて「手料理だけで生活」をしてみれば嫌でも上手くなるんじゃないだろうか。

ということで「2週間 手料理だけ生活」をやってみよう!!
 

大学中退→ニート→ママチャリ日本一周→webプログラマという経歴で、趣味でブログをやっていたら「おもしろ記事大賞」で賞をいただき、デイリーポータルZで記事を書かせてもらえるようになりました。嫌いな食べ物はプラスチック。(動画インタビュー

前の記事:昔のヤンキーみたいにカバンを薄くしてみたい

> 個人サイト ジャーニーとモアイとめがね

【2週間 自分の手料理しか食べられない生活 ルール】

・外食禁止
・お惣菜買うの禁止
・お菓子、ジュース禁止(お茶類とブラックコーヒーのみあり)
・生野菜以外はしっかりと調理する
・ラーメンを茹でるだけ、肉を焼くだけなどは禁止

「手料理だけで2週間生活する」というだけでは自分に甘えがでると思ったので、ルールはちゃんと決めることにした。

お菓子禁止やジュース禁止にしたのは、間食でお腹いっぱいにすることを避けるためだ。

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先に結論から言えば、2週間あればレパートリーは確実に増える。ご飯を食べる時間が遅くなるなど大変な部分もあったけど、やってみると全体的には楽しかった。

あと今回ルールをきちっと作ったのは、ゲーム実況などでよくある「縛りプレイ」というジャンルが僕は好きだからだ。

縛りプレイというのは「回復禁止」や「魔法禁止」「仲間作るの禁止」など、ゲームに勝手にルールを追加してキツイ環境でプレイする方法だ。

「外食禁止」「惣菜の購入禁止」などのルールを課して、人生を縛りプレイにすれば楽しくできると思ったからだ。(このルールに後々苦しめられる)

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最終的には出汁をとるくらいにはなった。
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1日目 - いきなり挫折しそうになる

※ 写真の下に書いてある料理名は作ったものを記載していきます。作り置きしたものを食べているときもあるので「なし」のときもあります。

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朝:味噌汁、ハムエッグ
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昼:チャーハン、ポテトサラダ
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夜:親子丼風(ハムとかの残りものを卵でとじている)

初日にして「三食作るのは予想以上に大変」という壁にぶつかった。料理に慣れてないのもあって、スマホでレシピを何回も見ながら作るので1時間以上かかってしまう。

あと料理を作る度に思うんだけれど、母の料理がいかに美味しかったのかがよくわかる。自分の料理は美味くもないしまずくもない。無の料理。

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チャーハンもダマになってしまっていた。

味の問題にプラスして、この企画をやるとご飯を食べる時間が遅くなるという難点もある。

この日は20時に家に帰ってきたのだけれど、夜ご飯を食べ始めたのは21時30分くらいだった。コンビニの冷凍食品や100円で買えるパックのお惣菜シリーズって本当に有能なんだなと改めて気づいた。

毎日、料理を作るのは予想以上に大変だ…!!

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1日目にして深夜に友人に呼ばれ居酒屋に連れてかれた。地獄。麦茶を頼んで耐えた。ポテトの匂いがこんなに辛いとは。

友人に「手料理だけで生活している」ということを伝えると「ハムエッグって料理に入るの?簡単すぎるしズルくない?」と言われて「じゃあお前がこの企画やってみろよ!!!!」とポテトを見ながら叫びそうになった。

まだ1日目なのにすでに7日目みたいなテンションになっていた。出だしから不安しかない。

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 2日目 - 料理の楽しさ

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朝:フレンチトースト

1日目に買ったサニーレタスがなかなか消費できない。放牧された牛くらい草ばっか食ってる。

前日、友人から「フレンチトースは簡単に作れるよ」と教えてもらったので、実際にやってみたら本当に簡単だった。自分の中で「フレンチトーストは難しい」と勝手に思っていた。

「簡単に作れる」という情報はネットに転がっているけど、実際に作ってみて初めて「簡単に作れる」実感できることがわかった。だから料理ができる人はみんな「〇〇は簡単に作れるよ」と気軽に言うのだ。

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昼:なし

この日は昼飯がきつかった。冷えたおかずがマズイ。

会社で弁当を開けたときに排水口に詰まったゴミが入っているのかと思った。このまま毎日これを会社に持っていくと「三角コーナー」とあだ名を影でつけられる可能性すらある。

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夜:チョレギサラダ、なすの煮浸し、玉ねぎのコンソメスープ

昼ご飯はまずかったし、サニーレタスを食べるのも辛い。夜ご飯どうしよう。このまま2週間つづけるのとか絶対ムリじゃん。もぅマヂ無理。。。

……と思っていたのだけれど、夜ご飯にナスの煮浸しを作ってみたところ感動するくらい美味くできた。ご飯がいくらでもすすむ。

あとサニーレタスを消費するために、韓国のりとごま油を利用してチョレギサラダを作った。これも美味くて感動した。こんなに簡単に作れるのか…!

当たり前だけど美味いものが作れると、料理へのやる気がでる。料理めちゃくちゃ楽しい!!!

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形から入るタイプなので、まずは会社帰りにコック帽を買ってきた。肉屋の殺人鬼みたいな写真になってしまった。
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3日目 - 料理本はすばらしい

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たまごそぼろ

昨日の残りもののナスの煮浸しを食べて驚いた。冷めても美味い…むしろ冷めた方が美味い…!!

なるほど、お弁当とかのために「冷めても美味しく食べられる料理」というのを知識として頭に入れておくのは大事なのかもしれない。

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昼:ポトフ、とりのネギ塩づけ
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夜:肉じゃか

「せっかく作るのだから、もっと美味いものが作りたい」という欲求が生まれてきたので、試しに料理本を買ってみた。

前日よりもかなり美味くできた自信がある。やはり本のレシピは間違いない。何よりもネットより見やすくてわかりやすい。

ネットだと「肉じゃが」と検索したときにレシピが山ほどでてきてどれが正しいレシピなのか迷ってしまう。本ならすぐに決められるし、情報も凝縮されているので便利だ。

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この本は最後までめちゃくちゃ役に立った

【3日経過してわかったこと】

・時間がかかるので夜ご飯が遅くなる

・コンビニは便利すぎるくらい便利ということが改めてわかる。convenienceをもじって名付けた人は天才。

・実際に作ってみて初めて「簡単に作れる」とわかる

・冷えても美味いものを作るのは大事

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4日目 - 大量に作ればいいってものじゃない

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朝:なし
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昼:なし
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夜:ほうれん草のおひたし

肉じゃがの作り置きが大量にあったので、この日はほとんど料理せずにすんだ。

ただ三食とも肉じゃがとポトフだったのでさすがに飽きる。サニーレタスの次はじゃがいも地獄。作り置きするのは大事かもしれないけど量の加減が難しい…。

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ほうれん草のおひたしを作ったんだけど「あんなに大きかったほうれん草がこんなに圧縮されてしまうのか…」となんだか損した気分になった。

料理は順調に作れているけど「外食禁止縛り」がけっこう辛い。

「1時間くらいカフェ寄って少し仕事していこうかな」という気分になっても、家に帰ってご飯を作る時間を考えると寄ることができない。

この2週間は必然的に家に縛られることになり、外出がなかなかできなかった。

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5日目 - やっぱり肉は最高

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朝:なし
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昼:豚汁

お昼にようやく肉じゃがを食べきった。やっと違うものが食べられる…とりあえず汁系でなにか作るか!!!!

そう思って何を作るか考えていたのだけれど、気づいたら豚汁を作っていた。また、じゃがいもだ……

なぜ作る前に気づかなったのだろう。中学生のときにモンスターファームというゲームで一番安い「じゃがもどき」という餌をモンスターに与えまくっていたので、そのときの呪いかもしれない。

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夜:豚バラの生姜焼き

とにかくガッツリ肉が食いたい…!!

肉の気分だったので、夜は豚バラの生姜焼きにした。「定食屋で食べる料理が家で食べられるなんて!!」という当たり前のようで当たり前じゃない感動があった。家で料理する人にしかわからない感情だ。

6日目 - 最強のアイテム

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朝:ほうれん草のオムレツ
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昼:なし
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夜:シチュー、トマトとチーズのサラダ、玉ねぎのきんぴら

料理をするうえで一つだけ面倒でやっていなかったことがある。それは「計量」だ。レシピどおりに作ってはいるが調味料の分量は適当にやっていた。

しかし、計量カップと計量スプーンを購入し、この日からきちんと分量も測って料理しようと決めた。

なぜ計量をしようと思ったのかというと、以前に料理研究家の人と話したときに「料理は科学化学に近い部分があって正確さが大事。たまにしか料理をやらない人のほうが美味しくできるのは、作り方を見ながらきっちり量を計るから」と言っていたのを思い出したからだ。

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これらを買ったことにより料理の味が劇的に変わる

大さじ小さじのスプーンを始めて使ってみると「大さじってこんなに多いのか!!」「料理酒ってこんなに量入れるの!?!?」など驚きの連続だった。小さじ一杯ってティースプーン一杯くらいの少なさだと勝手に思っていた。

そして、当然のことではあるがきちんと分量を測って作った料理は最高に美味かった。「レシピ通りに作る」ということがいかに大切かわかった。何ごとも基本が大事。

この日は友人が家に来ていたので、試しに料理を食べてもらったのだけれど「美味しい」という感想をもらった。人に美味いと言ってもらうとこんなに気持ちいいのか…!!

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ただその友人がマックを買ってきて家で食べ始めたときは熱々のシチューぶっかけてやろうかと思った。
【6日経過してわかったこと】
・作り置きするのは大事だけど、飽きるので量が難しい
・肉は美味い
・初心者が料理をやるうえで一番大事なのは計量することだと思う
・「外食禁止」のときにマックを食べられるとキレそうになる

そもそも僕が「料理が上手くなりたい!!」と思ったのには理由がある。

以前、弟に手料理を作って食べてもらったときに「美味くもまずくもない。喉を通って食べものが胃に入っていくだけ」という感想を言われたからだ。僕の料理は弟の味覚を一切刺激することなくうんこになっていったのである。

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左が僕の愛すべき弟。余裕で足をなめられるくらいかわいい。

「好きの反対は嫌いではなく無関心」というセリフをたまに聞くが、あれは本当だった。無の食事ほど悲しいものはない。

夫婦が料理についてケンカするのも今ならわかる。一生懸命作った料理にたいして「美味しい」と言ってもらえないのは悲しい。こうやって少しずつ夫婦の溝はできていくのだ。

だから僕は2週間使って料理を上手くなろうと思った。弟に美味い料理を食べてもらい、兄弟関係に溝ができないようにしなければならない。いわばこの2週間は修行期間なのである。

7日目 - ドレッシングも家で作れる

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朝:なし
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昼:トマトとチーズのスクランブルエッグ

 

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夜:ハンバーグ、イタリアンドレッシング

主食などは充実してきたけれど、サラダに変化がなくて飽きる。

そこで試しにドレッシングを作ってみることにした。調べてみると基本的にはお酢+オリーブオイル+味付けの調味料でできるらしい。めちゃくちゃ簡単じゃないか…!

作り方を知らなかった料理を実際に作ってみると、工場で完成までの工程を見ているような感じがして楽しい。

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あ、「めがうまや」というのは、僕のライター名がmegayaと言いまして、その「megaya」という名前と、「美味い」という感情、「M(メガ)」という単位をかけて作った言葉です。本当はこの記事で「めがうまや」という言葉を何回も推していこうと思ったのですが、説明を書きながら顔が真っ赤になるくらい恥ずかしくなったのでもう二度と使いません。(超早口)

8日目 - 自分で作ったルールに苦しめられる

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朝:なし
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昼:なし

ここまで順調だったのに昼飯が抜きになった…

打ち合わせの時間を勘違いしていて、急いで家をでることになり自宅でご飯を食べる時間がなくなってしまった。昼ご飯なしは辛い。ここにきてルールに初めて苦しめられることになった。

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またもマックに連れてかれる

よっっしゃ!!!!!!
夜飯が家で食えるぜ!!!!!!

と思ったのだが、打ち合わせの帰りに友人にたまたま会ってマックに連れてかれた。マックにいるとお腹をくすぐる匂いがそこかしこからする。空腹時にこの油っこい匂いは暴力そのもの。ドナルドが全力でハンマーを持って殴りかかってくる。

僕の友人たちの間で「magayaの前でマックを食うのが今熱い!!」というようなエクストリームディナーでも流行っているのだろうか。もしくはアイスバケツチャレンジ的なやつかもしれない。

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夜:目玉焼き

家に着いたのは23時だった。急いでご飯を作ったのだけれど、お腹が減りすぎて焦っていたのかハンバーグも目玉焼きもこげてしまった…

作った料理が美味くないし、それがすぐに食べ終わってしまうと「俺はなんのために料理しているんだろう…」と考えてしまう。一人暮らしの人が料理を辞めてしまう理由は、だいたいこんな感じの虚無感に襲われるからだと思う。

ボケでもなんでもなく小声で「なんて日だ…」というセリフが口から漏れた。小さい声で言うとこんなにも寂しいセリフなのか。

9日目 - 苦難は続く

前日に続いて再びトラブルが起きた。今日の朝は料理をしないと食べるものがないのに寝坊してしまったのだ…

家を出るまで30分しかない。30分で料理して、食べて、歯を磨いて、弁当を作って、着替えて、家をでなければいけない。

やばいやばいやばい。パソコンが危険を発するときのようなビープ音が頭に鳴り響く。

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朝:チョレギサラダ、玉ねぎのきんぴら

布団から跳ね起き急いで冷蔵庫を開く。食材を見ながらここ2〜3日で作ったもの思いだす。now loading…now loading…

そして「玉ねぎのきんぴら」と「チョレギサラダ」が作れるという結論に至った。

急いで作って、食べて、弁当につめて会社に向かった。ここ2日間は本当にキツイことの連続だ……(時間確認ミスと寝坊なのですべて自分のせい)

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昼:なし

寝坊したのは痛手であったが悪いことばかりではなかった。

「限られた時間の中で料理を作る」という緊急イベントをクリアしたことにより「ここ最近の料理の経験が役に立っている」ということがたしかに感じられた。もちろん料理の完成度はひどいものだが、自分の自信につながるできごとになった。

あと、母がなぜ料理を作るのが早くて美味いのかが理解できた。こんな困難を何年もくぐり抜けてきているのだ。歴戦の猛者だ。

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夜:レバニラ、筑前煮

ここ2日間の不満足な食事のフラストレーションをぶつけるために「時間がかかっても自分の好きなものを作ろう」と決め、レバニラを作った。

それから自分で料理をしていると不思議と「もっと健康に気を遣った方がいいんじゃないか?」という気持ちが湧き始めたので五穀米を導入した。

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初めてれんこんを買った。そもそも皮をむく必要があることも初めてしったし、このサイズで200円という値段にも驚いた。高い。世の中知らないことばっかりだ。

あと、計量した方が調理時間が短くなるということがわかった。レシピ通りに計量スプーンを使えば味付けし直すことがなくなるし、作業に迷いもなくなる。「計量するのはめんどくさい」って思っている人ほど一度はやってみた方がいい。

【9日経過してわかったこと】

・計量するのは超大事

・料理はつづければ確実にレパートリーが頭にストックされていく

・「めがうまや」はスベる

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どうしてもコックの洋服が欲しくなって買ってしまった。

 10日目 - 甘いものがとにかく食べたい

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朝:味噌汁
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昼:お酢の野菜炒め
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夜:にんじんのグラッセ

もう少し料理のレベルをあげたいと思ったので、母に料理のレシピを聞いてみることにした。よく作ってもらっていた料理の分量を聞いてみたら「勘だよ!勘!!」と言われた。「考えるな感じろ」という名言が頭をよぎった。主婦は強い。

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ネギを買うとめちゃくちゃ料理している感がでる

1週間くらいずっと心の中で「おい、チョコ買って食べちゃおうぜ?誰にもバレないぜ?」という妥協という名の悪魔が囁きかけてくる。甘いものが食べたい……

しかし、経験上こういう企画は1回妥協すると雪崩式にダメになっていくと知っている。ここで気持ちを折るわけにはいかない。

ただ甘いものはやっぱり食べたい……

色々と悩んだ結果、「つくってワクワク!!」というかの有名な名言を思い出し、家にある材料でプリンを作ることにした。

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デザート:プリン

うおお、久しぶりに甘いものが食べられる…!!!!

と興奮していたのだが、完成したのはプリンではなく甘い茶碗蒸しだった。なぜだ、原因はどこにあるんだ。なぜ失敗したんだ。

でも考えてはいけない。プリンだと感じながら食べることが大切なのだ。母の言葉を思い出せ。Don't Think. Feel.

11日目 - 甘いものがとにかくとにかく食べたい

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朝:なし
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昼:なし
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夜:回鍋肉、中華卵スープ

この2週間で作って一番感動した料理は、間違いなくこの日に作った回鍋肉(ホイコーロー)だ。材料も豚肉とキャベツだけで作れるし、調味料を混ぜて炒めるだけで完成する。僕と同じような料理初心者には間違いなくおすすめ。

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デザート:りんごのコンポート

甘いものが食べたいとTwitterで書いたら「りんごのコンポートが簡単で美味しいですよ」と教えてもらったのでさっそく作ってみた。

約10日ぶりにちゃんとした甘い物を食べた。自然と顔がにやけるほど至福。本当の幸せというのは少しだけ我慢をすれば手に入るのだ。「なんて日だ!!!!」と大声で叫んだ。

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作り置きを保存するためにジップロックも色んなタイプのものが増えた

12日目 - 甘いものがとにかくとにかくとにかく食べたい

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朝:なし
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昼:なし

 

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夜:うどん出汁

料理本にうどんを出汁から作る方法が載っていたのでやってみることにした。具として油揚げもちゃんと甘辛く味をつけた。

料理本を買わなかったら出汁を作る機会なんて一生なかったと思う。ネットだと「〇〇を調べよう」と思って調べるから能動的な情報しかほとんど得られないけど、料理本だと適当にパラパラと読んで受動的に情報を得られるのがいい。

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出汁は昆布と鰹節だけ簡易的なものなので誰でも作れる。ようは作り方を知っているかどうかの違いだけ

出汁を自分で作って調理の工程を見ているのもあってので、初めて心からの「出汁が効いている…!」というセリフを口にした。

僕は無知なので、そもそも出汁というものはそのまま使うものだと思っていた。出汁はあくまでベースでそこに醤油とかみりんで味をつけるということすら知らなかったのだ。

だから、もし過去の文章で「出汁が効いている」と書いていたら「こいつやってんな〜」と思ってほしい。

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デザート:アップルパイ

りんごのコンポートが大量に余っていたので、デザートにアップルパイを作った。なんかもう自分が料理の天才なんじゃないかと思い始めた。

【12日経過してわかったこと】
・プリンを作るのは難しい
・簡易的であれば出汁をとるのは簡単
・回鍋肉は一人暮らしの人におすすめ
・タッパは色んな形のものがあると便利

13日目 - エビは高い

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朝:なし
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昼:出汁を利用したトマト雑炊
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夜:エビチリ、なめこの味噌汁

夜はエビチリを作った。美味しかったんだけど、それよりもエビの値段の高さにびっくりした。家でエビ料理がでるときって肉料理よりも金がかかっているんだなと知った。

正月におばあちゃんち行くとスーファミのコントローラくらいでかい海老フライ出てくるから、来年はもっと感謝して食べよう…!

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包丁を研ぐシャープナーも買った。やっぱり一回研いでみると切れ味が格段に違う。特にトマトが潰れないで切れるのがうれしい。料理グッズがどんどん増えていくな。

食材の下準備も大事だということに気づいた。

なめこは一回しっかり熱湯に入れてぬめぬめをとった方が美味しく食べられるし、キャベツは炒める前に水につけておくだけでシャキシャキになる。

こういった下準備をきちんとやるかどうかで美味しさがだいぶ変わるのだ。

14日目 - リベンジ・ザ・チャーハン

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朝:なし
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昼:チャーハン
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圧倒的にパラパラに作れるようになった。この日のためにチャーハンの動画をしこたま見た成果がでた。

明らかに1日目よりチャーハンを作るのが上手くなった。米がダマにならずパラパラだし、味も濃すぎずちょうどいい。とにかくレシピどおりに作れば間違いないのだ。

「なにごとも基本に忠実」ということの大事さが身にしみてわかった。「基本を守れば料理は誰にでも作れる」ということが理解できただけでも、この2週間は意味のあるものとなったと思う。

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夜:とんかつ

「甘いもの買い食いしちゃおうぜ」という悪魔のささやきは撃退したのだが、ここ2〜3日は「脂っこいもの食いたいだろ?ファミチキ買っちまおうぜ」という新しい口説き文句が頭に響いていた。こいつ直接脳内に…!

揚げ物か…めんどくさいな……

と思っていのたのだが、「つくってワクワク!!」というかの有名な名言を思い出し、とんかつを作ってみることにした。

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もちろん美味かった。ただし、やっぱり定食屋とかのとんかつは美味さのレベルが違うということも再認識した。

実際にやってみると揚げ物も思ったよりも大変じゃなかった。

料理って「めんどくさそう」と思いがちだけど「実際にやってみると簡単だった」ってことが多い。というよりか世の中のほとんどがそういうものなのかもしれない。やるか、やらないか、それだけだ。

15日目 - 最後はすき焼き

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朝:とんかつサンド
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昼:なし
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夜:すきやき、ブリの塩焼き

最終日。最後はとにかく好きなもので腹一杯にして終わろうと思ったのですき焼きにした。あと僕の中では「お祝い=すき焼き」というイメージもある。

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デザート:りんごのホットケーキ

りんごのコンポートもホットケーキでちょうど使い切った。キリがよくて気持ちがいい。

これにて2週間終了!!!!

長いような短いような感じだ。きつい部分も要所要所であったけど、全体的には楽しかった。2週間やりきったことで料理についての自信は確実についた。

「なんとなくのものを作れる人」から「料理?ちょっとはできるよ」くらいには言えるレベルになれたと思う。

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どうしても最初に買ったコック帽よりも長いものが欲しくなったので、2週間終了記念に買ってしまった

2週間は大変だから、2〜3日手料理だけですごす期間とかをたまに作るだけでも相当上手くなると思う。

それと制限をつけて生活してみると、普段が相当自由だということに気づける。人生を縛りプレイするのは大変だ。これからはお菓子が食べれる!ジュースが飲める!!外で食事ができる!!!自由だ!!!!!

【2週間終って終わってわかったこと】

・料理は続ければ確実に上手くなる
・作り置きは2〜3食分くらいがちょうどいい。作りすぎると飽きる。
・冷めても美味いものを覚えておいた方がいい
・火を使わないで作れると料理が楽になる
・分量を計るのがとにかく大事
・やってみれば思ったよりも簡単なことが多い。めんどくさがらない方がいい。
・食材の下準備も含めてレシピ通りにやる。これが一番大事。
・コックのグッズが欲しくなる

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修行を経て弟にチャーハンをふるまったら「まあまあかな」と言われた。美味くもないまずくもない無の料理からは確実に進歩した。偉大な一歩。あとこういうツンデレなところも含めてかわいいのだ。かわいい。かわいい。かわいい。

 


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久しぶりの外食は友人に散々見せつけられていたマックにした。マックのポテトは油の味しかしなくて最高。

毎日料理をするのは本当に大変だ。この企画を通して母の苦労が身にしみてわかった。それに料理を作ってくれた人に感謝するべきだという当たり前のことにも気づけた。感謝とともに「美味しい」としっかり伝えるべきだ。

2週間を終えてから実家に帰って実家でご飯を食べる機会があった。昔から食べていた料理もあったので「やっぱりお母さんの料理は美味いな」と少し照れくささもある中で褒めたら「それは生協の冷凍食品だよ」と言われた。

僕の母の味は手料理じゃなくて生協だった。

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最後は一緒に〜!せ〜の!!!
 
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