自由ポータルZ 2019年11月1日

キリル世界のゴミ・玉川上水を歩いて・厚木駅から本厚木駅~自由ポータルZ

こんにちは、編集部 石川です。

先週、週末の佐久ヘボコンと地味ハロウィンできりきり舞いです!と書きました。今週は楽になるかと思ったのですが、実は今週末もイベント出演でした。2週連続でイベントの予定を入れてはならぬと石碑を……。
イベントはこちらです。石川のほか、編集長林も登壇。→Mini MakerCon Tokyo

テーマ部門「カバー記事」ご応募ありがとうございました!編集部としても「掲載した記事がこう料理されるのか」という驚きがあり、楽しい企画でした。
締め切りは一応10月中でしたが、間に合わなかった人がいたら気にせず送ってください。

では今週の自由ポータルです。

自由ポータルZは毎週金曜日に更新の記事投稿コーナーです。読者の方が執筆した記事をご紹介しています。

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【入選】キリル世界のゴミ、ぜんぶ持ち帰る

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[投稿者]拙攻さん (つるんとしている
[コメント]全ての旅行好きの度肝を抜いたあの名作、「旅行ゴミノート」をカバー。キリル文字の世界から持ち帰ったゴミたちは大げさで、古くさくて、妖しい魅力を放ちます。

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石川大樹のコメント

「ここに貼ってあるものはぜんぶ、かつて旅先に実在していて、飛行機で一緒に帰ってきたリアルなモノだからだ。」
良さについて最初にちゃんと説明しているのがいいと思いました。「なんかいいよね」で済ませずに、こうやって良さを言葉にしていくのがとても大事なことだと思います。
そのあとも「小さな紙切れで済むところが、やたらとかっちりした書類」「やたらとでかいハンコがいたるところに押されている」など、きっちり見どころが押さえられていて、抜け目ないなという感じです。いくつか分類して紹介されていますが、ハンコが押されているというような特徴での分類から、「長距離切符」みたいな用途での分類まで、いろいろ使い分けつつしっかり見どころでまとめているのも、うまいなと思ったところです。
おまけのところは個人的に勉強になりました。ИはNじゃなくてIだったのか…!

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古賀及子のコメント

石川も言う通り、終始「なんかいいよね」が「なんかいいよね」ですまされずていねいに執着をもって言語化されていて、良さの解像度が高い記事でした。

読んでいて冷や汗が出たんですが、これ「なんかいい」ごり押しですませると下手すると「キリル文字がかっこよくて旅情あふれるものだ」ということすら言語化しそびれちゃうこともあるんじゃないかと思います。感動を言葉にすることの大事さが染み渡りました。

> だいたいみんな「ッダーーーン!」と元気いっぱいにハンコを押してくれる。かっこいいハンコがあれば、紙ゴミの魅力は3割増だ。

ここいいですよね。様子が目に浮かぶし、でかいハンコは興奮する、という体感的なことが書けてて伝わります。
いっぽう

> "ソビエトみ"の強い写真

こういう感性に頼る表現もちゃんとあって、説明しきらない良さも残してありました。

 

【もう一息】玉川上水を歩いて100メートルくだる

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[投稿者]mizioさん (逆さまにしてみよう
[コメント]テーマ部門「デイリーの過去記事カバー」で応募します。

2014年の加藤さんの記事で、玉川上水がまだこんなにたくさん残っていることを知りました。そのときからずっと歩いてみたいと思っており、歩いたあとは調べものをしたりして、個人的にたっぷり楽しみました。
公開できるものとして書く予定はなかったのですが、元記事へのリスペクトと御礼を言えるめったにない機会ですので。

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石川大樹のコメント

カバー記事、これほど大変そうな記事が選ばれるとは…!全行程歩破、頭が下がります。
「こういう旅モノは、順に起こったことを書くだけのだらだらした内容になってしまうので、どう書けばおもしろくなるのかコツがあれば知りたいです。」とコメントいただいたので、それに沿う形でコメントします。

だらっとさせないためのポイントは2つあるなと思っていて、
A.読者に「全体の中で今どこか」を開示する
B.まとまりに分けて、それぞれ主題を明らかにする
です。

Aは、「この記事いつまで続くんだろう…」を防ぐためです。最初に目次がありますよね。これはすごくいいです!あと時間が書かれているのも目安になりますね。ただ話題が地理の話なので、地図上に線を引いて、どこからどこまでが全行程で今どのあたりか、が見られると一番いいかも。
Bは、加藤さんの元記事がまさにそんな感じですね。トピックごとに小見出しがついています。見どころをはっきりさせると読者は情報を受け取るのが容易になります。逆にぼんやりしていると、ただ情報が流れてくるだけという感じで、楽しみどころがわからないんですね。「ここが面白いところです」を明示する意味でも、小見出しでしっかり見どころを書いておくといいかと思います。そうすると頭の目次が見どころ集になるので、ワクワク感がぐっと増します!

あと冒頭、「おなじみの」みたいな感じで始まるので、玉川上水の説明をちゃんとしておくといいと思いました。標高差や難工事の話も、それを知って読むとのそうでないのとでは全然印象が違うので、頭に書くといいです。

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古賀及子のコメント

なんだろう、めちゃめちゃ癒されますね。春の写真がうららかでいい雰囲気というのもあると思うんですが、歩道の状態によって違う足音の擬音がさりげなく書かれていたり、案内看板に読むものと読まないものがあったり、水路をつたって歩いて暗渠になったあと開渠になって元気が出たり、この方、水の妖精なんじゃないかと思わせるような素直な書き口も良かったのかなと思います。

気になって調べるが2段階続いて終わりそうで終わらないのも、好きなんだなー! と思わせてチャーミングでした。

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林雄司のコメント

43キロを12時間で歩くというハードな体験、おつかれさまです。
僕も地形とか歴史のおっさん趣味が好きなんですが、こういうのって知識の出し方が難しいですよね。
つい資料を集めてしまうのですが、それをそのまま書くと史跡の案内文になってしまいます。(あの案内文の面白くなさと言ったら!)

本で仕入れたことを身体で体験する、身体で体験したことを本で確認する、という頭と身体の往復がコツなのかなと思ってます。
水喰土公園や小平での水の入れ替えはまさに頭と身体ですね。iPhoneを落としたことや足音の描写も歩いているときのリアリティがあります。

最後に本や資料館を引用しているのでかなり調べてそうですが、それをぐっとこらえて足音の描写を入れてるあたりに親切さを感じます。

 

【もう一息】小田急線まちがえき―厚木駅から本厚木駅へ―

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[投稿者]宮西野あやさん ((新しい)置き場
[コメント]厚切りジェイソンの芸名は厚木から取ったそうです(と、以前帰省したときに70を超えた母から聞かされました)。地元の人は間違えない、遠くから来る人はそもそも降りないでおなじみの厚木駅から本厚木駅まで歩きました。

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石川大樹のコメント

コメントに「地理・地形の造詣が深い大山さんだからこそああなるのであって、私がするとただの思い出めぐりになってしまうのだな…」とあったのですが、まさにその思い出巡りのところにエッセイ的な良さがあったと思うんですよね。
高校時代の甘酸っぱい話に、川のいい景色が重なる…というちょっとずるいくらいの演出でした。
それだけに、「陰キャにだって思い出はある」ってずいぶん自己卑下した書き方をしてしまったのは惜しかったかなと思いました。もしかしたら当時の情報を詳しく伝えるために必要な情報だったかもしれないけど、小見出しにして大きく主張する必要はないんですよね。あんまりそこを前面に押し出してしまうと変なインパクトが出てしまうので、必要であっても軽く触れるくらいにとどめるのが良いかと思います。

 

コンビニで売ってるものを把握しておく

企画の撮影の途中で、忘れ物に気づいたり、急に特定のものが必要になったりするときがあります。そんなときは「あきらめる」「買いに行く」の2択になるわけですが、この決断をするときに生きるのが、コンビニに何が売っているかの知識です。

以下、普段買わないけど意外とあるものです。知らなかったらあきらめていたところですが、実はコンビニにあるんですよ。
・木工用接着剤
・軍手
・ドライバー
・ビニールひも
・コイン電池、ボタン電池各種(思ったより種類がある)
・ろうそく

意外というわけではないですが、SDカードやモバイルバッテリーもいざというときは頼りになりますね。あと撮影時に緊急で買うことが多いのはタオルでしょうか。急な雨や、濡れる系の企画など。

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