仏像が祀られ、仏教の出家者が起居して修行を行う施設としての「寺院」。
観光地になっているような、観光拝観を行っている寺院が有名だが、「寺院」というと先祖代々のお墓や位牌がある、お墓参りがメインとなる菩提寺や、その宗派の人しか入れない非公開の寺院なども含まれる。私が寺院に対して「参拝するハードルが神社よりも高い」と感じているのは、そうした背景があるからだと思う。
観光地になっているような、観光拝観を行っている寺院が有名だが、「寺院」というと先祖代々のお墓や位牌がある、お墓参りがメインとなる菩提寺や、その宗派の人しか入れない非公開の寺院なども含まれる。私が寺院に対して「参拝するハードルが神社よりも高い」と感じているのは、そうした背景があるからだと思う。
小田急線柿生駅
川崎市麻生区にある小田急線柿生駅。寺院に対するイメージが変わる楽しすぎるお寺・浄慶寺はこちらから徒歩で行ける範囲にある。
浄土宗 麻生山 浄慶寺
駅から歩いて10分ほどで、浄慶寺の入り口に到着した。
境内には神社もある
さらに進むと鳥居が見える。浄慶寺の同じ境内には秋葉山神社があり、神仏習合の影響が見られる。上の写真も鳥居と塔が同時に写っているのでお得感がある。
羅漢像発見
秋葉山神社も参拝しようと思い階段を上がると、胸元を開いて仏さまを見せてくれる羅漢像(悟りを開いた昔の修行者の像。釈迦の十大弟子なども「羅漢」には含まれる)が待っていた。
こちらの秋葉山神社は江戸時代、領主三井家が火防、厄除け、五穀豊穣、諸民安穏を祈願して遠州秋葉神社の火伏の神を勧請したもの。境内の素朴な顔をした狛犬は、関係の深い東京小石川傳通寺(徳川家康の実母の菩提寺)より移されたものだという。
鈴ではなく、鐘なのがお寺的である。そして羅漢像の近くには、紫陽花が浮かぶ涼しげな手水鉢が。
ここ浄慶寺は「柿生のあじさい寺」として有名なお寺なのだ。特に有名なのは一千株を超える壮観な紫陽花だけど、それ以外にも春は桜、秋は紅葉、冬は梅、と四季折々さまざまな花を楽しむことができる。
ここ浄慶寺は「柿生のあじさい寺」として有名なお寺なのだ。特に有名なのは一千株を超える壮観な紫陽花だけど、それ以外にも春は桜、秋は紅葉、冬は梅、と四季折々さまざまな花を楽しむことができる。
一見普通の寺院です
そんな緑あふれる浄慶寺をさらに見ていく。こうして見ると、一見普通のお寺に見えるが……。
足元に蛙と一緒に呼びかけてくる羅漢像がいました。楽しそうで癒される。
その近くには優しげに亀を抱く羅漢像がいるし、
なんでそんなに楽しいのか話を聞きたくなる羅漢像もいる。この方、話しだしたら長そう。
唐突なたけのこ! とまあ、こんな感じで境内にはたくさんの羅漢像があって、歩いているだけで楽しいのである。では、どんどん見ていこう。
表情豊かな羅漢像
めっちゃ打算的な悪い顔してる。
「あーーー肩凝ったなーーー」という声が聞こえてきそう。
「おう、お前あの話知ってる?」「ん?」
巻物を持つ羅漢像。額に刻まれた皺が険しい。
腕相撲をする羅漢像と、行司をする羅漢像。
「むんっ」「ギャアアアアアア」
かと思うと、こっちでは将棋をしている。なんというか、自由だ。
食べ物を食べる羅漢様
美味しそうに食べ物を食べる羅漢像もたくさんいる。石なのにお団子の柔らかそうな感じが見事。
美味しそうにお酒を飲む羅漢像。良い表情だな~。お酒のCMに出られるんじゃないのかな。
ここでも酒宴がはじまっている。お酒の名前がさりげなく寺の名前。
お蕎麦を食べる羅漢像。お蕎麦めっちゃおいしそう!
あまりにもユニークな像ばかりなので、お抹茶を飲む羅漢像が普通に見える。
文明の機器を操る羅漢像
個人的に面白かったのがハイテク機器を使いこなす羅漢像シリーズ。「羅漢」というと昔の人のイメージなんだけど、ここにいるのは現代的で見たこともないような羅漢様たちばかり。
個人的に一番お気に入り。パソコンを使いこなす羅漢像。キーボードもしっかり造形されている。
正面に回ると、パソコンに「JOKEI」の文字が。細かい……!
携帯電話で話をしている羅漢像とスマホをいじる羅漢像。
デジカメで写真を撮る羅漢像とは一緒に写真を撮った。一人で行ったので、別の参拝客の方にお願いして撮ってもらった。楽しい。
ミュージックプレイヤーで音楽を聴く羅漢像は若干土に還りそうになっている。
何故こんなにユニークな像がたくさんあるのか?
なぜこんなにユニークな羅漢像がたくさんいるのか? 住職はご不在だったのだがお寺の方に話を伺うことができた。
――何故こんなにユニークな羅漢像がたくさんあるのでしょうか?
お寺の方「懇意にしている石屋さんの紹介で、住職の「何かこういうのいいなあ」という発言からこうした羅漢像を彫って下さるようになりました。敷地内にある羅漢像は十何年もかけてこの数になりました。」
――よく見るとかなり年季が入っていそうな像もありますもんね!
――何故こんなにユニークな羅漢像がたくさんあるのでしょうか?
お寺の方「懇意にしている石屋さんの紹介で、住職の「何かこういうのいいなあ」という発言からこうした羅漢像を彫って下さるようになりました。敷地内にある羅漢像は十何年もかけてこの数になりました。」
――よく見るとかなり年季が入っていそうな像もありますもんね!
携帯電話で通話中の羅漢像、よく見ると結構苔むしていて年季が入っている感じがある
お寺の方「だいたい毎年増えていて、でもここのところは来てなかったんですけど、つい一か月ほど前に来た新しいものもありますよ。こちらのトランプで遊ぶ羅漢像が一番新しいものです」
カードで遊ぶ羅漢像
だから、顔! 目見開きすぎ
――こちらが2017年最新モデル羅漢像なんですね。ちなみにこれもかなりユニークだと思うんですけど、デザインってどうやって決めているんですか?
お寺の方「こっちからこういうデザインでとお願いしてるわけではなく、向こうにお任せです。それで出来上がるのを楽しみにして、実際に到着して『今年はこういうのなのね』という感じですね」
ちなみに、たくさんの羅漢像の中でのお気に入りも聞いてみたのですが、「全てを等しく愛している」ということでした。なるほどー。
お寺の方「こっちからこういうデザインでとお願いしてるわけではなく、向こうにお任せです。それで出来上がるのを楽しみにして、実際に到着して『今年はこういうのなのね』という感じですね」
ちなみに、たくさんの羅漢像の中でのお気に入りも聞いてみたのですが、「全てを等しく愛している」ということでした。なるほどー。
個人的お気に入りはこのノマドワーカーの羅漢像(今勝手に名づけた)。真剣な表情だけど開いているサイトがYoutubeとかだったらさらに親しみがわいてしまうと思う。
紫陽花もきれいでした
この浄慶寺、石像がユニークなだけではなく、神奈川県の花の百選に指定されている。
私が訪問した時期は紫陽花の時期で、羅漢像のほかたくさんの紫陽花を楽しむことができた。どの季節も魅力的だが、お寺の方に特に桜をすすめられたので、花見の季節に行ってみようと思う。「花より団子より羅漢像」を楽しみたい!
■取材協力
浄土宗 麻生山 浄慶寺
■住所
神奈川県川崎市麻生区上麻生6-34-1
■交通
小田急線「柿生駅」より徒歩10分
私が訪問した時期は紫陽花の時期で、羅漢像のほかたくさんの紫陽花を楽しむことができた。どの季節も魅力的だが、お寺の方に特に桜をすすめられたので、花見の季節に行ってみようと思う。「花より団子より羅漢像」を楽しみたい!
■取材協力
浄土宗 麻生山 浄慶寺
■住所
神奈川県川崎市麻生区上麻生6-34-1
■交通
小田急線「柿生駅」より徒歩10分