特集 2017年8月7日

田舎と都会で「何人で1空港使ってるか」をくらべた

「何人で1空港使ってるか」考えてたら、算数の問題みたいな記事になった
「何人で1空港使ってるか」考えてたら、算数の問題みたいな記事になった
首都圏近郊の人は、人口がものすごく多いのにみんな羽田空港を使う。一方で人口は少ないのに県内に空港がいくつかあって、使う空港が分散されてる地域もある。

人口が少ないのに空港が多い地域とおなじ配分で東京に空港が存在したら、都内に48か所も空港が出現することになる。それってどのチェーン店と同じぐらいなんだろう。
島根県生まれ。毛糸を自在に操れる人になりたい。地元に戻ったり上京したりを繰り返してるため、一体どこにいるのか分からないと言われることが多い。プログラマーっぽい仕事が本業。(動画インタビュー

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人口のわりに空港が多い

私の出身地・島根県松江市だと、飛行機でどこか遠くに行くときに空港の選択肢が2つある。「出雲縁結び空港」と「米子鬼太郎空港(鳥取県)」、どちらも車で30分。

人口が少ないわりにこんなに空港の選択肢があるなんて、そんな場所ほかにないのでは……となんとなくは思っていた。(この2空港から1時間圏内の範囲に住んでる人口なんてまったく100万人にも届かない。全員がどっか東京の区に丸ごとすっぽり移住することになってもいけるぐらいの少なさ。)
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「1空港を何人で使ってるのか」と考えると、東京なんて千万もの人で1空港を使ってるのに、島根なんて数万人で1空港使ってることになる。なんて贅沢!

(東京の空港はターミナルもいっぱいあって大きい、島根の空港は小さい、という話はひとまず置いときます。)
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こんな「人口のわりに空港多すぎ……!?」な地域って他にもあるだろうか。
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調べてみると、秋田と山形もまあまあ豊富だ。

山形県は「おいしい山形空港」と「おいしい庄内空港」が車で1時間半程度。(どっちも「おいしい」なのか。)
秋田県は「秋田空港」と「大館能代空港」が車で1時間半程度。

ということは、この辺りにも人口のわりに「どっちの空港も1時間以内だから選べる」地域が存在するはず。
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ここからいきなり算数っぽい話に

調べるにあたって都道府県ごとの空港数を具体的に出してみた。とは言え空港には色んな種類があり、全部の空港をピックアップしてたら正しいカウントが出来ない。

たとえば「調布飛行場」は離島に行く便のみが運航されている。もし東京都にある空港を「羽田」と「調布」の2カ所とカウントしてしまうと、利用者数も半々という計算になってしまう。

そしてもう一点。離島の空港は本島の空港よりも使われる頻度は低い。

なので乗降客数が年間10万人以上、離島以外の空港……という条件で空港をピックアップした。
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つぎに「各都道府県ごとにピックアップした空港がいくつあるか」と、「その都道府県の人口」を調べる。そこから「1空港を何人で使ってるか」を出す。

少ない人数で1空港使ってる順を「贅沢順位」としよう。
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この計算だと、どうやら東京都だと1300万人以上で1空港を使ってるのに対し、鳥取県だと28万人で1空港。鳥取が一番贅沢だったか!

もし鳥取と同じ「28万人に1空港」の割合で東京に空港が存在するとしよう。その場合、東京には空港が48か所もあることになる。
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そんなにあったらチェーン店感覚

空港が都内に48か所もあったら、もうチェーン店みたいなもんじゃないか。どのチェーン店と同じぐらいだろう。

色んな種類のチェーン店の都内の店舗数を調べてみた。

(全部は載せてないが、ざざっと紹介。)
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飲食店、家電量販店、ドラッグストア……ありとあらゆるジャンルの店の都内店舗数を調べたが、な……ないぞ!? ジャスト「48店舗」のチェーン店が見当たらない。47や49はいっぱいあるのに!

となると、鳥取県民にとっての空港は都民にとっては「ほぼ上島珈琲」ってことか。
店の前を通りがかったが、この日はお茶を飲む時間がなく素通り。それでもまたいつでも行けるのが「上島珈琲」
店の前を通りがかったが、この日はお茶を飲む時間がなく素通り。それでもまたいつでも行けるのが「上島珈琲」

せっかくなら軒数ピッタリの店でなにか食べたい。

そこでさっきの贅沢順位ワーストが、東京の次点だった千葉を選んでみた。おなじ計算をすると千葉だと空港は22か所。おっ、あるじゃないか。

まずはこちら「東武ストア」だ。
店舗は埼玉に多い。都内には22店舗。
店舗は埼玉に多い。都内には22店舗。
そしてもうひとつ、美味しそうなのきた。ここでじっくり鳥取の空港の身近さを噛みしめよう。
「ビッグボーイ」も22店舗
「ビッグボーイ」も22店舗
鳥取にとっての空港はこのハンバーグのようなものなのだ
鳥取にとっての空港はこのハンバーグのようなものなのだ
お、おお……たまらん これが空港の身近さ ジュワワーー……
お、おお……たまらん これが空港の身近さ ジュワワーー……
ジュウウウウウ……
ジュウウウウウ……
だんだんジェットエンジンに見えてきた
だんだんジェットエンジンに見えてきた
ついでに人口の少ない地方では「旅行中、空港に車をずっと置きっぱなしにしてても無料」という気軽さも付け加えると、「ああ……なんて贅沢なんだ」という気分がより高まる。
あああ…うまーー なんて贅沢……(噛みしめる)
あああ…うまーー なんて贅沢……(噛みしめる)
以上がこれまでぼんやり思ってた「田舎とおなじ配分で都会にも空港が存在したら、いたるところに空港が出現するに違いない」まとめでした。

書いてるうちに思いのほか算数っぽい記事になってしまった。これをちょっと変えれば小学生か中学生用のテスト問題にできるんじゃないか。「北海道の空港数がぜんぶ鳥取に移転したら、何人で1空港を使うことになるか?」みたいな。

夏休みでひまな小中学生は答えてみればいいと思う。
ジュワワーー
ジュワワーー
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