特集 2013年5月26日

これこそカレーライスパンだ!

これが真のカレーライスパンです。
これが真のカレーライスパンです。
パンの中にカレーペーストの入ったカレーパン。おいしいですね。

しかし、カレーとライスが1つのパンに入ったカレーライスパンというのは見かけることはありません。カレーライスは美味しいので、パンにそのまま入れてもおいしいのではないでしょうか?

どうやら、同じような事を考える人は沢山いて「カレーライスパン」で検索すると沢山のレシピが出てきます。しかし、どれもイマイチ納得がいかないレシピばかりなのです。
1972年生まれ。元機械設計屋の工業製造業系ライター。普段は工業、製造業関係、テクノロジー全般の記事を多く書いています。元プロボクサーでウルトラマラソンを走ります。日本酒利き酒師の資格があり、ライター以外に日本酒と発酵食品をメインにした飲み屋も経営しているので、体力実践系、各種料理、日本酒関係の記事も多く書いています。(動画インタビュー

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それはドライカレーパンやカレーライスミックスパンだ

検索して出てくるカレーライスパンの典型的な物は、硬めに作ったカレールーの中にライスを混ぜてパン生地に入れて揚げる、または焼いたものです。
こちらはその時同時に作ったチキンライスパン。鮭チャーハンパンも作る。非常に美味いので是非作って頂きたい。
こちらはその時同時に作ったチキンライスパン。鮭チャーハンパンも作る。非常に美味いので是非作って頂きたい。
しかし、それではカレーライスというよりもドライカレー。またはライス入りカレーでしょうか。何かが違います。
特開平11-243848、発明名称「カレーライスパン」。そういうタイプの特許出願もあります。しかし、これは私の中のカレーライスのイメージと違う。
特開平11-243848、発明名称「カレーライスパン」。そういうタイプの特許出願もあります。しかし、これは私の中のカレーライスのイメージと違う。
他にも出ているカレーライスパンのレシピは、生地にカレーやライスを練り込む物。または生地に米粉を使った物などがあります。これではカレーライスミックスパンです。または米粉カレーパン。

違います。そうじゃないのです。カレーライスといえばこうではないでしょうか。
カレーとライスのセパレート。こちらの記事より。
カレーとライスのセパレート。こちらの記事より。
カレーとライスが分かれた状態。この状態こそがカレーライスではないでしょうか。

もちろん、食べる時に全体を混ぜてしまう人もいますし、最初からライス全体にカレーをかけてしまう店もあります。それは十分承知の上。

しかし、私の中ではカレーと言えばこのように分かれていて、カレーをライスと少しずつ合わせながら食べる物なのです。混ざっていては何かが違う。

ということで作ります

このモヤモヤとした気持ちを解消すべく、自分の中でイメージする真のカレーライスパンを作ってみたいと思います。
普通にビーフカレーです。
普通にビーフカレーです。
まずはカレーの部分を作ります。材料は牛肉、ニンジン、ジャガイモ、タマネギとカレールー。普通にカレーです。
炒めて、水入れて煮て、アクをとったらルーを入れる。水は少な目。
炒めて、水入れて煮て、アクをとったらルーを入れる。水は少な目。
作り方は水を少な目にして固めに作る以外、通常のカレーの作り方で大丈夫です。
このままライスと一緒に盛って出せば普通にカレーライス。しかし、カレーライスパンだからこれで終らない。
このままライスと一緒に盛って出せば普通にカレーライス。しかし、カレーライスパンだからこれで終らない。
続いて出来たカレーと炊いたご飯をパン生地の中に入れていきます。
冷凍パン生地は便利。
冷凍パン生地は便利。
今回はパン生地を作るのが面倒なので、冷凍パン生地を使用しました。
常温で解凍。形を作って二次発酵させて焼くだけ。簡単。
常温で解凍。形を作って二次発酵させて焼くだけ。簡単。
冷凍パン生地は常温で40から50分ほど解凍した後、中身を入れて形成したら二次発酵させて焼くだけ。簡単にパンが焼けます。

これを使って、カレーとライスを入れてカレーライスパンの形にしていきます。
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形つくりに手間取る

解凍されたパン生地にカレーとライスを入れていきます。
カレーのうまそうな香りが、パンに入れずにこのままご飯と一緒に食えばいいだろうと言っている。でも入れる。
カレーのうまそうな香りが、パンに入れずにこのままご飯と一緒に食えばいいだろうと言っている。でも入れる。
まずパン生地を広げます。その上に中に入れるカレーを乗せます。
1個目は乗せすぎて生地が破れそうになり大慌て。
1個目は乗せすぎて生地が破れそうになり大慌て。
中に入れる具はあまり多過ぎない方がいいです。生地が薄くなり破れそうになります。
ライスも最初に乗せすぎ。減らしながらなんとか形を作る。パンつくりなんてほとんどやったことがないので加減が分からず。
ライスも最初に乗せすぎ。減らしながらなんとか形を作る。パンつくりなんてほとんどやったことがないので加減が分からず。
同様にライス部分のパンを形つくります。ライスも入れる量は程々で。
上がカレーパン。下がライスパン。合体させればカレーライスパン。
上がカレーパン。下がライスパン。合体させればカレーライスパン。
続いて接合面に卵液を塗ってカレーの入ったパンと、ライスの入ったパンをつなぎます。
思った以上にふくらみます。
思った以上にふくらみます。
つないだパンはラップをかけて室温に置いて二次発酵させます。
ライス側は白くなるように小麦粉をまぶしておけばよかった。
ライス側は白くなるように小麦粉をまぶしておけばよかった。
二次発酵が終了したら焼きます。カレー側とライス側の色が変わるように、カレー側のパンの表面に卵液を塗ります。

こうして15分ほど焼いたら出来上がりです。
接合面で分離する心配があったので、揚げずに焼きで仕上げる。思ったよりもうまく焼きあがった。
接合面で分離する心配があったので、揚げずに焼きで仕上げる。思ったよりもうまく焼きあがった。
カレーライスパン完成です。切って断面を確認します。
これぞまさしくカレーライスパン!
これぞまさしくカレーライスパン!
断面を見ると見事にカレーとライスが分かれています。カレーとライスが混ざっていないし、生地に混ぜ込んでもいない。

カレーとライスが美しい境界線を描いています。これぞまさしくカレーライスパン!
これこそが私の思い描くカレーライスパンなのです!

カレー、ライス、合わせてカレーライス

さて、興奮冷めやらぬうちに食べてみましょう。まずはカレーパン側から。
おおっ!カレーパン。うまいね。
おおっ!カレーパン。うまいね。
続いてライス側。
ライス…パン…だね。
ライス…パン…だね。
あまりライス感はありません。一応ライスの味はするものの、とてももっちりとしたドーナツ生地のパンという感じです。おいしいことはおいしいですが、何か違和感があります。

では、中心部分を食べてライスパンとカレーパンを一緒に食べてみましょう。
カレーライスだよ!うまいね。
カレーライスだよ!うまいね。
別々に食べると、ただのカレーパンとライスパンでしたが、一緒に食べた瞬間、味がカレーライス(とパン)になりました。うまいです。普通のカレーパンとは違うおいしさがあります。

しかし、確かに思い描いたカレーライスパンになったのですが、新たなモヤモヤとした気持ちが出てきました。この構造の根本的な問題です。
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混ぜるにはこうするしかない

思い描いたようにできたカレーライスパンですが、根本的な欠点がありました。

それは、通常のカレーライスのように、ライスにカレーを少しずつ混ぜながら食べることが難しいのです。そのため、結局のところこうして食べるしかありません。
カレーパン。
カレーパン。
ライスパン。
ライスパン。
カレーライスパン!
カレーライスパン!
こりゃうまいねー。カレーライスだー。最初の形は意味無しー。でも気にしないー。
こりゃうまいねー。カレーライスだー。最初の形は意味無しー。でも気にしないー。
どこからか「最初から混ぜておけばいいだろ!」とか「わざわざあの形にしておいてそれかよ!」など聞こえてきそうですが、気にしません。あの形にしたかったのです!

味その物はいいです!手でつかんで食べられるカレーライスと思えば大丈夫!さあ、あなたも作ろう!カレーライスパン!

細かいことは気にしない!だってカレーライスだから!

調子にのってこんな物も作ってみた

さて、苦しい展開ではありますが、調子にのって別のパンも作ってみます。
チャーハンは手早く炒めましょう。
チャーハンは手早く炒めましょう。
まずはチャーハンを作ります。
ベーコンとネギと卵だけのシンプルな家庭チャーハン。
ベーコンとネギと卵だけのシンプルな家庭チャーハン。
これをパン生地で包みます。
このまま食べればいいのにとチャーハンが言っている。でもパンに入れる。
このまま食べればいいのにとチャーハンが言っている。でもパンに入れる。
つづいて、あんかけ用のあんを作ります。
シメジやニンジンを鶏ガラだしで煮て、醤油やコショウで味付け。最後に水溶き片栗粉でトロ味をつける。かなりトロトロにした。
シメジやニンジンを鶏ガラだしで煮て、醤油やコショウで味付け。最後に水溶き片栗粉でトロ味をつける。かなりトロトロにした。
このあんもパンで包みます
かなりトロ味をつけたが、まだ柔らかかった…ようです。最後で分かります。
かなりトロ味をつけたが、まだ柔らかかった…ようです。最後で分かります。
あんが入ったパンはかなりユルユルです。
あんが入ったパンはかなりユルユルです。
できあがったチャーハンパンと、あんかけ入りパンを上下につなげます。
あんかけパンが柔らかいのでかなり無理やり乗せています。
あんかけパンが柔らかいのでかなり無理やり乗せています。
横につなげたカレーライスパン。結局食べる際には上下に重ねる必要がありました。ならば最初から上下に乗せたタイプを作ればいいのです。

そう思った時、チャーハンにあんかけがかかった、「あんかけチャーハンパン」もその要領で作れるのではと思いました。その結果、作ったのがこのあんかけチャーハンパンの生地です。これが成功すれば手に持って食べられるあんかけチャーハンが出来ます。

ということで焼いてみましょう。
一部崩壊。
一部崩壊。
  あんかけがほぼ流失。
あんかけがほぼ流失。
あんかけ無しチャーハンパン…だな。
あんかけ無しチャーハンパン…だな。
焼く前から薄っすらと予想はしていたのですが、上に乗せたあんかけが焼いている最中に流れだし、無くなってしまいました。

やはりカレーぐらいドロドロしていないとパンに入れるのは難しいようです。あんかけチャーハンパンは失敗に終わりました。
チャーハンパンとしてはうまい。
チャーハンパンとしてはうまい。
しかし、チャーハンパンとしては美味しく食べられます。いずれにしろ、こちらのパンは中に入れるあんかけに更に工夫が必要でした。

次回への課題としよう。カレーライスパンはこの形でいけそうです。

形状に難ありだが味はいい

これこそが真のカレーライスパンというものを作ってみました。思い描いた形にはできたものの、形状として難点がありました。あんかけチャーハンパンも作ってみたものの、中身に問題がありました。工夫次第でもっと美味しく出来そうなので、次回作る時の参考にします。

カレーライスパンも、あんかけチャーハンパンもどちらも最終的な味そのものは良かったです。話のネタに一度作ってみるのは面白いので、興味のあるかたは是非やってみてください。単純にチャーハンパンはうまいので、あんかけチャーハンパンにしなくてもいいです。焼きそばパンのちょっと変わった物というイメージです。是非お試しください。

そして、もっと美味しく改良したカレーライスパンやあんかけチャーハンパンを作ったというパン屋さんがいましたらご連絡ください。買いに行きます。
カレーライスパンの出願。カレーパンはカレーパンで、カレーライスの味を味わう為に出来たものではないと思うがどうなんだ。
カレーライスパンの出願。カレーパンはカレーパンで、カレーライスの味を味わう為に出来たものではないと思うがどうなんだ。
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