クレーンからして巨大
ジャンボこいのぼりの会場は利根川の河川敷。 お祭りのときだけ運行される無料シャトルバスが加須市駅から出ているので、 それに乗って約20分程で着いた。
すぐ目につくのは、鯉を吊すための巨大すぎるクレーン。
ジャンボクレーン祭りでも全然いい。
後から知ったところによると、このクレーンは高さ120mで、重さ550トンまで耐えられるらしい。もう数字がウルトラ怪獣レベルだ。
クレーンの反対側には屋台やステージ。
こいのぼりを見るための場所取りも始まった。
まだ朝早く、ジャンボこいのぼりの遊泳まで時間もあるため、 会場はそこそこ空いてる。それでもベストポジションを取るためにテントを広げてる人もちらほら。
おそらくこいのぼりの口に付ける輪っか。クリスマスツリーかと思うぐらいでかい。
サブの出し物も楽しい
ジャンボこいのぼりの遊泳までまだかなり時間があるので、 それまで会場を見て回ろう。
ジャンボこいのぼりのようなメインの出し物があると、 そっちばかりに目が行ってしまうけど、 でもそういうお祭りこそ細々としたところが楽しいもの。
あえて顔を出すという斬新なキャラクター。
そしてちょっと目を離した隙に脱ぎ捨てられていた。
なぜかクラシックカーの展示も。
「まあ…こいのぼりだし…」という気遣いが感じられてホッコリする。
なぜかクラシックカーの展示も。
指からキノコ生えてるけど大丈夫?食べ過ぎじゃない?
狙ってないのにコレジャナイ感がすごい。
ステージでは地元のお母さんがハッスル中。
ジャンボこいのぼりというメイン出し物があるおかげで、 サブの出し物はのびのびと好きにやっている雰囲気がいいー。
人もかなり集まってきた。
ジャンボ鯉が姿を現した
こいのぼりの遊泳は、11時半からの午前の部と13時半からの午後の部の2回。
午前9時に会場に着いてからまだジャンボこいのぼりの姿を見かけないなー、と思ってたら、午前11時近くになったところで、ついにその姿を現した。
ブルーシートめかして広げられていくジャンボこいのぼり。
大人数人で転がす。すごい腰に来そう。
最終的にこんなことになっていた。
※こいのぼりの上を歩いています
これはもう、デゲスト(でかいの最上級)ではないか!
いやでかいというより、広いと形容した方がいいかもしれない。 いまこの段階においては、こいのぼりというよりも地面の模様と言った方がシックリくる。
口輪が下ろされて、みんなで設置。
口輪に繋がれた縄を引っ張る部隊。
ジャンボこいのぼりはただ上げれば自然に泳ぐというものではないそうで、 風向きを読みながらクレーンを動かしたり口輪の角度を変えたりしなくてはいけない高度な技術らしい。
そのため口輪を地上から操る人たちが必要で、 体力を使うため遊泳時間も最長で30分に限定されている。
また地元のお母さんの話によると、風の条件も必要で、「とにかくタイミングなのよ、タイミング」としきりにおっしゃっておられた。
「恋も鯉も一緒ですね!」とは一切思いつかなかったです。本当です。
吊られていくこいのぼり
でかいこいのぼりが吊られていく、以外に例えようがない光景。
1回目の遊泳予定時刻になった、と同時に スーッと上がっていくジャンボこいのぼり。 その異様な光景は、誰に促されずとも自然に目がいってしまう。
コバンザメ的に小さい鯉も付いてるけど、あれでも10mはあるらしい。
こわっ!
巨大な目がオバケのような印象を感じてなんだかすごい怖い。 と同時に訳の分からない大きさに笑える感じもする。なんだろうこれは。
まるで生きているかのように口輪を引っ張る糸に抵抗するこいのぼり。
どうも風向きが安定しないらしく、なかなか地面から離れない。 個人的にはこんな大きいのが吊られてるだけで十分なんだけど、 地上の人たちやクレーンが向きを変えたりしてなんとか泳がせようと必死に動いてる。
こいのぼり、破れる
しかしそんな努力もむなしくジャンボこいのぼりは泳ぎ出さない。 そして風によって思いもよらないハプニングが起こってしまった。
あぁー(会場の声)
アー!(会場の声)
「直径3mの穴が開きました」
「空いてる空いてるー」という会場のどよめきと、 穴が空きましたのアナウンス。 そのときはどこがどうやって破けたのか気づかなかったけど、 クレーンに引っかかって破ける瞬間がちょうど写っていた。
萎れていく鯉。
それでも少しの間、穴が空いたままでも泳がそうと努力していた。 が、やっぱりムリらしく、程なくして下ろされていく。
重大インシデント発生中。
その後アナウンスにより「午後の部に向けての修復作業のため、午前の部はこれで終了させて頂きます」とのこと。
午後の部まで後1時間半しかないけど直せるのだろうか。
こいのぼりが直りました
残念な結果に終わった午前の遊泳から、午後の遊泳までの時間は1時間半しかない。 午後の部に間に合わせるため、ジャンボこいのぼりの必死の修復が続いてる。
その間ステージでは様々なショーが催されてるので観客を飽きさせない。
オフィシャルキャラクターだったのか。
意図しない形でゆるいことになってる。
というのを見てるうちに、だいたい1時間ちょっとで修復は完了した様子。
もちろん鯉のキャラクターだけでステージが1時間持ったわけではなく、唄とか踊りとかありました。 それにしても短時間で直るものなんですねえ。
ジャンボじゃないのが泳ぎだす
あれ?
遊泳時間の10分前、不意にクレーンが動き出したので「すわ、もう上がるのか!」と思ったら、小さい方だけが上がりだした。え?
アナウンスによると、まず小さい方を上げて風の方向をよく読むらしい。 なるほどねー。
ってそれ午前の遊泳では一切してなかったと思うけど、たぶん気のせいだ。
絵的にはこれでも面白い。
クレーンの方向をあちこち変えて風向きを入念に見ている。 小さい鯉を上げてから20分ぐらい経っており、既に遊泳予定時刻は過ぎた。
それでもまだジャンボこいのぼりを上げる気配はない。今度は絶対に失敗できないという悲壮な決意を感じる。
失敗できない理由
実はこれには理由があって、このジャンボこいのぼりが泳ぐのは今年で最後なのだ。
ジャンボ3世であり、ラスト遊泳。
3代目となるこのジャンボこいのぼりも老朽化が進んでおり、今年が最後の遊泳になるらしい。
今年初めて見に来たのでジャンボ3世の最後と言われてもいまいちピンとこないところは正直あるけど、長年関わってきた人や地元の人にとっては思い出深いはず。 なんとしても成功してほしいと思う。
ジャンボの出番になっても慎重
その後小さい鯉が上がってから30分程過ぎたころ、 ようやく小さいこいのぼりが下ろされて、遂にクレーンがジャンボこいのぼりに接続された。
ただここからがまた長い。 地上で待機してる間にも上空の風向きが変わるため、 ジャンボこいのぼりの場所をその都度移動させていた。
あっちいったり、
こっちいったり。
やはり余程風が安定しないのか、色々場所を変えながら、2、30分経ってもなかなか上がる気配がない。
やっぱりでかいこいのぼり
「これはしばらく上がらないな」という主催者判断か、ジャンボこいのぼりのために中断されていたステージが再開されたそのとき、ジャンボこいのぼりが風を含んだ上がりだした。
もわーん。
ぐわーん。
横に流れて河川の樹木にこいのぼりの尾がぶつかっていく。 前回のこともあるから会場から「ふぁー」という不安な声が聞こえてくるも、 口から風を受けたこいのぼりは破れることなく、大空を泳ぎだした。
良かったーという安堵と、異様な光景への戸惑い。
やっぱりでかいものはそれだけで面白い。
木の向こう側を超えるぐらい長い。
たまに口輪が傾いて、鯉以外のなにかになったりする。
鯉「グオオー!」。とか勝手に感情移入しちゃう。
およそ20分程の遊泳を終えて地上に戻ってきた。下のにある方がよりその巨大さを感じられる。
下ろしてもまだ風を含むこいのぼり。打ち上げされたクジラ状態。
口輪を倒して折りたたまれていった。
鯉は破れても修復可能です
1回目で破れたときは、「続行は不可能なのでもうこのままお帰りください」なんてことになるかもしれないとゾッとしたが、 最後は関係者皆さんの努力で有終の美を飾れたジャンボ3世。 いやほんと良かった良かった。
端から見れば 「100mの巨大な魚を模した布が浮いてる」という訳の分からない状況でも、 最後はなんとなく感動的になってしまうのだから、でかい物と祭りの包容力は計り知れない。
向こうから巻き取ってきてるんだけど、全然見えません。