孤独の“グルメソッド”
「孤独のグルメの人となんとなく似てる」と言われたことがある。 それも顔が似てるのではなく、セリフとか言い回しが似てるというのだ。マンガもドラマも見てなかった私は最初「?」と思ったが、
YouTubeに上がっていた動画を見て、なるほど!と思った。これはまるで自分が食べているかのようなリアリティではないか。
「孤独のグルメ」。とても面白い。
たしかに独りで食べてる時ってそうだ。ひたすら黙って(ややもするとつまらなそうな顔をして)食べているが、心の中では「うまい!」とか「なんだこれ?!」とかいろいろ言葉を発している。初めて入ったお店なんかだと特にそうだ。
この心の声、記事にも応用できないだろうか?自分含めネットでグルメレポをしてる人は数多くいるが、この手法を取り入れることによりもしかして表現力が飛躍的にアップしちゃったりしないだろうか?
つまり、こういうことだ。
1)普通に黙って食べてるところを動画で撮影。
2)後から別録りした「心の声」をその上にかぶせる。
この手法を勝手に「孤独のグルメソッド」と呼ぶことにしよう。
というわけでやってみたのが以下の動画。
先日の「
トルコライス最新事情」という記事で食べに行ったトルコライスで実践してみた。
やってみてわかったのは、これは独りではできないということ。誰かに撮ってもらわないといけないので基本的に独りで食べに行った時にできないのだ。いや三脚を使えばできないこともないが、店内で三脚使って自分撮りしながら食べるような強靭な精神力は私にはない。
さらに、食べ物のアップの映像などをインサートしようとするとなお難しい。食べる自分とは別にカメラマンが2人いて2台体制で撮ってくれるなら話は別だが、それは非日常過ぎる。
…というわけでなかなか容易ではないことがわかった。通りで真似してる人がいないわけだ。
他人の心の声が面白い
ところで、自分以外の人がやったらどんな感じになるだろう?
と思って、当サイトのライター二人にもやってみてもらった。
小野法師丸さん(左)と平坂寛さん(右)。
先日帰省した折に、学生時代によく行った懐かしのお店に小野さん、平坂さんと私の3人で行った。
まずはハンバーグが大好き、ミスター・フォトジェニックの小野法師丸さんから。
小野さん・心の声なしバージョン。小野さんの心の声を想像しながら見るのがオススメ。
こちらは心の声がまだ入ってないバージョン。これだけだとなんてことはない動画だが、少し我慢して小野さんの心の声を想像しながら見てみてほしい。
撮影はまず、声無しバージョンを作り、それをYouTubeにアップして小野さんに見てもらい、次に声を録音した音声ファイルをメールで送ってもらった。
で、次が心の声アリのバージョン。
編集中ずっと声無しで見ていたので、届いた音声ファイルを開いて爆笑してしまった。
なんだろう、このおかしさは…。
想像した心の声と実際の心の声とのギャップから来るおかしさだろうか…?
なぜ面白いのか理由を分析したりジャンル分けするのが難しいが、見るとなぜか笑ってしまう。新しいタイプの面白さかもしれない。
続いて、
普通の人が食べない系のものをよく食べてレポートしている平坂さん。
平坂さん・心の声無しバージョン。平坂さんの心の声を想像しながらご覧下さい。
こちらもまずは心の声が入ってないバージョンから。声が無いものはやや退屈だが、その次の動画を楽しむための下準備だと思って少し我慢して見てほしい。平坂さんの心の声を想像することも忘れずに。
で、こちらもまた後日送ってもらった音声ファイルを開いて身悶えしてしまった。なんでこんなに面白いんだろう?
まとめ
“孤独のグルメソッド”は、グルメ記事のための表現手法としては手軽さに欠けあまり実用的ではないと感じたが、人の心の声を想像してギャップを楽しむ遊びとしては謎の面白さがあった。むちゃくちゃ笑ってしまったのだが、その理由がよくわからない。これについてはもう少し検証してみたいと思った。
ちなみに動画に使ってる音楽、ドラマでも使われている孤独のグルメのBGMなのだが、作者の意図で音楽著作権保護団体に入らず自由に使っていい音楽として販売されている。これは非常にありがたい。動画とかを作ってるとBGMに悩むことはけっこう多いので作者への敬意と共に即買いしました。