定食屋さんにあるマンガのイメージ
定食屋さんのマンガの本棚。小さい棚が隅に置いてあって『ゴルゴ13』とか『こち亀』などが並んでいるイメージがある。
でも気をつけて見たことがないので実際のところは分からない。意外と最近の作品があるかもしれないし、知る人ぞ知るマニアックな作品が並んでいるかもしれない。
そういうお店の探し方
マンガが置いてある定食屋さんに何ヶ所か行って、ご飯を待つ間にマンガを読みたい。しかしそういうお店に心当たりがない。妻に聞いてみたが同じだった。
行ったことのあるそういう雰囲気のお店を思い返すのだが、本棚があったかどうか思い出せない。普段気をつけて見ていないからだ。
インターネットで探してみるが、これもなかなか難しかった。マンガの本棚って、お店が積極的にアピールするものじゃない。そう、アピールするほどじゃないひっそりしたやつがいいのだ。しかしお店が発信しない情報は検索で引っかからない。
結局、グルメ情報サイトで「定食 マンガ」と検索する方法で何軒か見つけることができた。口コミの「マンガを読みながら待っていると…」というフレーズが役に立った。
1軒目 おそばやさんで『ばらかもん』を読む
3軒行って知らないマンガを読んだ。まず1軒目。
マンガが置いてある定食屋なんてどの街にもいくつかあるだろう。この車窓から見える街にもあるはずなのだが、見つけ方が分からなかったためにビュンビュン通り過ぎていく。向かうのは千葉県の松戸。
入ると天井からぶら下がったテレビからお昼のニュースが流れていて、真ん中あたりの席で地元の方っぽい二人が談笑していた。
日替わり定食はイカフライ、カレー南蛮、親子丼。僕はカレー南蛮を頼んだ。
そしてある。マンガの本棚である。お店の中央と隅に一つずつ。
目立つのが『ONE PIECE』と『刃牙』シリーズ、あとは『シティーハンター』や『GTO』などがある。映っていないところだと『幽☆遊☆白書』や『僕のヒーローアカデミア』もあった。男の子がケンカするマンガが多い。
『ゴルゴ13』も『こち亀』もない。『美味しんぼ』や『クッキングパパ』もなかった。勝手に定番だと思っていたものが一つもない。代わりに、広く人気がありそうな少年漫画が目立った。
都会育ちの書道家が長崎の五島に移住する話。島ののんびりした優しい雰囲気が良いし、島の行事や食べ物、釣りについて詳しく説明してくれるシーンがたくさん出てきてとてもおもしろかった。
素敵な場所を紹介してもらっている気分になる。作者のヨシノサツキ先生の出身地らしい。よく見たら方言協力のクレジットに「母」とあって素敵だった。
パラパラ読んで「良い雰囲気だなー…」と掴みかけたところでカレー南蛮が来た。
ばらかもんを読んでほっこりした余韻で食べよう。
カレーに隠れて見えないが、麺と具が丼にぎっしり入ったカレー南蛮だった。カレーも爽やかに辛くておいしい。時間をかけて大汗をかいて食べ終わった。暑い日に敢えて汗をかきにいく徒労が最高に気持ちいい。
結局『ばらかもん』は家に帰ってから電子書籍を買って続きを読んだ。キャラクターの個性が分かってくるとなおおもしろい。今4巻を読んでいます。