スカイツリーを眺めながらの釣りは、だからなんだという話でもあるのだが、ただ釣りをするだけよりも物語があっておもしろかった。ブレードランナーの新作があれば採用してほしい。
スカイツリーといえばライトアップだ。今度は夕方にやってきて、川沿いにあるコンビニで酒やつまみを買いつつ、ハゼの夜釣りでもしてみようかな。
最初の場所ではダボハゼしか釣れないかったので、川で魚を捕まえているらしき白い鳥のいる西側の端まで50メートルほど移動してみた。
こっちのほうが隅田川に近いので、きっとハゼがたくさんいるはず。
到着したころから小振りの雨が降ってきた。鳥はどこかへ飛んで行った。
もう少し強く降るようなら橋の下からやろうかなと考えていたら、さっきのダボハゼよりも明らかに強いアタリが到来。
これはもしやと竿をあげると、待望のマハゼがぶら下がっていた。サイズは9センチと小型だが、釣れたという事実に価値がある。
ちょっと場所が離れてしまったが、スカイツリーのお膝元を流れる川でハゼを釣るというミッションを7時48分に無事クリア。
目的のハゼが一匹釣れたのでだいぶホッとしたのだが、雨も上がってくれたようだし、せっかくならもっとたくさん、もっと大きなサイズをと欲が出てくる。
この場所もダボハゼばかりになってしまったので、スカイツリーを横目に東へ歩いて、ベテランっぽい釣り人がいるエリアへと移動。やっぱり信じるべきは鳥よりも釣り人だろう。
ちょっと挨拶させていただくと、今日はイマイチとのことだが、釣れないことはないようだ。
この場所移動は正解だったようで、ぽつぽつではあるものの、飽きない程度にマハゼが釣れてくれた。この近くに勤務する会社員だったら、毎朝竿を出していたかもしれない。
あの有名なスカイツリーの前でハゼが釣れるという事実は私の心をときめかせてくれるけど、よく考えれば昔からハゼが住む下町の川の横に、後からスカイツリーが立ったのだ。
ここまで乗ってきた電車だって突然東武スカイツリーラインを名乗りだしたが、私にとってはいつまでも東武伊勢崎線なのである。
10時くらいになるとアタリが遠のいたので撤収。釣れた数は15匹くらいだろうか。つまみにするには充分である。
これだけ遊んでまだ午前中なのかと驚いた。
理想を言えば、この場で捌いて、揚げて食べたいところだが、ここで揚げ物をするといろいろなところから怒られそうなので、持ち帰って帰宅後に唐揚げにした。
小さくて捌くのがちょっと大変だったけど、ハゼにしかない独特の味があってうまかった。ハゼは良い魚だ。釣り場の雰囲気もわかったので、押上駅で乗り換えの用事があるときにでもまた来ようかな。
「そんな場所で釣った魚が食べられるの?」と思うかもしれないが、それは自分で決めるといいと思う。
スカイツリーを眺めながらの釣りは、だからなんだという話でもあるのだが、ただ釣りをするだけよりも物語があっておもしろかった。ブレードランナーの新作があれば採用してほしい。
スカイツリーといえばライトアップだ。今度は夕方にやってきて、川沿いにあるコンビニで酒やつまみを買いつつ、ハゼの夜釣りでもしてみようかな。
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