住正徳と行くスナック体験
今回、地方に行くたびにスナックへ向かうプロのスナック通いライターの住さんと行くことになった。
スナックマイスターーと言っても過言ではない住さん。この日、お腹を下していた。
今回、三軒茶屋のスナックへ編集部の林さん、ライター住さんと江ノ島で行くことになった。住さんが言うには路地裏にはたくさんの飲食店があり、スナックも多い町とのこと。ただ、行く前にやることにある。
行く前に果物を買いましょう。
デイリー内では「ママ、梨むいて事件」(詳細は
この記事)が有名なエピソードとしてあるが、仲良くなったら剥いてもらおう。
ただ、買ってきた(しかも三軒茶屋にあるスーパーで)とバレるのはとてもダサいので「青森の親戚から送られてきたので、よかったらどうぞ」と言って渡そう。ちなみに自分の親戚に青森の親戚は1人もいない。
お店選びを学ぶ
果物を買ったらお店を探そう。色々なお店があるが、良いお店は「ある程度年を重ねた人が切り盛りしている店」だそうだ。親しみやすい、話が面白いなどスナックの魅力を感じられる。
若い子がいるお店はぼったくられるかもしれないという怖さや、自分と離れていて話題が合わないかもしれないという怖さがあるらしい。(住さんは今年で47才になる)
懐かしい香りを漂う路地裏を歩く。
スナックやバーが立ち並ぶ路地裏を歩き、おばあちゃんがやってそうなスナックを探す。目にとまった1軒のスナックに入ってみた。
「予約でいっぱいなのよー」と断わられる。
初めてのスナック訪問、断られる。住さんが言うには「危なさそうな客や初めての客は入店を断われるお店もある」らしい。スナックの洗礼を早くも受けた。
2軒目のお店で入店できた。果たして、どんな世界なのか。
入店後、このお店の説明をしてくれた。このお店では、お酒の種類が2種類、飲み放題で時間制限は特になく、値段は3000円。どこのお店もだいたい3000円が相場らしい。
システムの説明が終わり、さぁスナックを楽しむ時間だ。住さんはどのような過ごし方をするのか。
その1 気遣い風のタッチを目指せ
お酒を注いでくれたママさん。ママが作ってくれた焼酎の炭酸割りをもらう。普通なら入れてもらうのをただ見るだけだ。しかし、住さんは違った。
注ぎ終わったコップにライムを入れてくれるのをただ見るだけの自分。
他の人にライムが飛ばないようにしている。できる大人の男の動きだ。しかし、この行為には裏がある。
ライムの汁が外に飛ばないようにしている。自分が楽しむだけではなく、他の人に気配り、全員で楽しむ姿勢がこの所作で表現されている。
ただ、この所作には裏の意味がある。もし可能なら、手を触れたい。しかし、そんな下心を気づかれるわけにはいかない。気配りをしつつ、あわよくばの期待でドキドキを味わうのもスナックの楽しみ方かもしれない。
スナックでなにかをしぼってもらうときにはこうしよう。
その2 愛されるためにリアクションを大きく
楽しいトークを相手にもしてもらいたいし、自分もテンションをあげたい。そんな気持ちがスナックでは生まれる。その気持ちが外にあふれた結果、オーバーリアクションになりがちだ。
店内にサイン入りのユニフォームが飾ってあり、ラクビーのユニフォームだという。聞いたところ様々な国でコーチをしていたエディー・ジョーンズのサインや日本代表として有名な五郎丸のサインもあるらしい。「へー」と座りながら聞いていたが、住さんは目の前で行き、興味深く見ている。
住さんの後を追って、目の前で見てみる。
住さんに言われて五郎丸をやったが忍者に近いし、見てない。
「へー」で終わらせず、興味を持っている雰囲気を出して、コミュニケーションを活性化させる。これがスナックの基本姿勢だ。(会話の基本だと書いていて気づいた。)
その3 部下にもママと仲良くさせるように話をふる
初めてのスナックで緊張していた。どんな話をすればいいのかわからない。しかし、できる男である住さんは、ことあるごとに話をこちらにふってくれる。普通の話でも、ちょっとした印象をママさんに持ってもらえる。そんな手助けをしてもらえるのだ。
ちなみに和式トイレはもう体力的に厳しいという流れから、蹲踞(そんきょ。体を丸くしてしゃがむ、または膝を折り立てて腰を落とした立膝をついた座法。相撲の立ち合い前にしゃがんでいるのがそれです。)を健康にいいからとやることになった。
「蹲踞ってこうだよ」と言われる新弟子。
新弟子、店内に響くほどの腰の骨が鳴った為、横綱の道を断念。
ちなみに誰もできなかった。
その4 ここぞの下ネタは通じないことがある
個人的にスナックでは下ネタがウケると思っていた。住さんも仕掛けたがこの日は2打数0安打だった。人によって使い分けよう。きっとウケる日が来るから。
あの日の苦笑いを僕は忘れない。
その5 スナックに行ったら歌おう!
スナックと言えばカラオケだろう。ここのスナックにもカラオケが設置してある。ただ、どんな歌を歌えばいいのか、履歴を見てみた。
1曲も知らない。
見たところで何も希望の光を見いだせなかった。住さんに歌ってもらうしかない。それでは聞いて頂きましょう、曲は「東京砂漠」です。
スナックで聞くのにちょうどいい曲に聞きほれる。
続いて私、ラブイズオーバー。
良い。お店の雰囲気と合った歌謡曲をほろ酔い気分歌うのは気持ちいい。この瞬間、また来たいという気持ちになった。
〆はデュエット。誰と誰が歌うのか。住さんが動いた。ママを誘ったのだ。初めてのお店で、ママとデュエットする住さん、さすがスナックに慣れている。
「ママ、せっかくだから歌いましょうよ。」この言葉が出るのがすごい。
自然な流れでデュエットに持ち込む。
途中、ママさんが抜けて、林さんと住さんのデュエットになったときには「豪華なデュエット!」と感動した。
のんびりとした時間を過ごしながら気づいたら3時間経っていた。ママとのおしゃべりをつまみにお酒を飲む。ベロベロに酔っている人が夜中のスナック前にいたりするが、今ならそんなになる気持ちがわかる。お酒を飲みに来ているのではない、話に来ている。庶民の社交場だ。
素敵な場所を教えてもらった。
ボトルキープしたので今度また来よう。
リンゴ、出さずじまい
ちなみに冒頭で買ったリンゴは最後の方で出す予定だったが、もっと仲良くなったときに出すべきという結論になった。
入ってすぐに「出した方がいいですか?」と聞いたら、2人から「早すぎる!」と止められたことも今ではいい思い出です。