
カレー嫌いな人にまだ会ったことがないな









いろんな「嫌い」がある












――なるほど、福神漬けと米って合いますよね。でも、なんでそんなにカレーを避けるんでしょうか?
「幼稚園の時に好きな食べ物を聞かれて、みんなが『カレー!』って言っていて、そこから『カレー嫌い!』って言い始めたらしいんですけども……。」
――あまのじゃくってことでしょうか?
「そうかも。」
――でも、そこから今までずっと嫌いなんですよね。
「はい。嫌いです!」
ちなみに彼女、タモリ氏のことは大好きなのでつい最近思い切ってタモリレシピのカレーを食べてみたんだそうですが、やっぱりカレーは嫌いだそうです。カレー大国インドにも行ったそうなんですが、ココでもやはり、9(ナン):1(カレー)が黄金の比率。ナンは好きなんだそうです。











嫌いになったきっかけは、ものすごく明確です。



「口の中の、べろの上のほうのあたりにどうしても粉みたいな…脂みたいなものがついちゃうんですよ。それがものすっっっごくイヤでイヤで。合宿先のおばさんたちは『ほーら、カレーだよっ。』ってドヤ顔で振る舞ってくるんですけど、うわあああ!!って感じで。でも、一緒に行っていた姉は大丈夫で、ダメなのはわたしだけだったみたいですね。」



――家のごはんの選択肢に、カレーはあるんですか?
「や、作ったりもするんですけども……、ルーの箱の裏を見つつホントにこの分量でいいのかなー?っていうかんじで作ってます。自分は食べないから、美味しいかはわからない。わたしは別のおかずを食べます。」



「や、作ったりもするんですけども……、旦那さんに作ってもらうなら食べないと悪いじゃないですか。だからわたしが作ってます。自分が作ったやつなら、食べなくてもいいから。さいきんでは、旦那の家族(カレーが好き)にも、わたしのカレー嫌いはネタにされていますねー。笑」
なるほど、お互いの「好き」「きらい」が、見事に両極でありながらも、無理はせずに寄り添いあっている感じがしますね。
ちなみに、自らのことを「完全にアウェイ、どこ行ってもアウェイ」と評していた彼女ですが、大学時代の部活のメンバー12人のうち3人(4分の1!)はカレー嫌い、という非常に珍しい状況にも遭遇しているそう。
そういえばわたしも。自分を含め友人の4分の1くらいはAB型だった気がするんですが、マイノリティっていうやつはいつの間に何かの導きで招集されていたりするものなんでしょうか。















「ファミレスとかだったら行かなくはないんですが、うしろの席の人がカレーを頼んだ瞬間にぼくは……外に出ますね!」
――給食の時間とか、だいぶ辛かったんじゃ。
「給食のカレーは、ちょっと冷めているからか匂いもひかえめで。それなりに我慢ができていました。けど自分の分を食べ終ったらすっと即外に出てましたね。あと、カレー食べれない分食べ物が減るので『ぼくのカレーあげるからなにか他のをくれ。』って物物交換をしたりしていました。」
――なるほど。ちなみに、例えばキャンプとか、「ごはん=カレー1択」みたいな状況ってわりと産まれがちな気がするんですが、そういう時はどうしていたんですか?
「林間学校では自分だけカレーの材料で違うものつくったりしていました。焼いた肉とサラダ、みたいなかんじで。」
――小さい頃から、いろいろ工夫をして過ごしていたんですね。
「カレーがあまりにも市民権を得すぎているから、自分の方がそれに合わせていかないとダメなんですよ。率先して『カレーが嫌い!』って声をあげていかないと、そういう場はわりとすぐに産まれてしまうんです。」



「ありますあります!なんの予告もなしに突然カレーの味がする、というシチュエーションは非常に多いので常に警戒してます。(コロッケのようにとつぜん内蔵されてて)においだけじゃ判別できないこともあるし……。」


















先ほどの、カレーを嫌いなことでだいぶ大変な思いをしていそうな芳野さんとはうって変わり「困ってはない!」と清々しくおっしゃっていました。



「はい。嫌いな食べ物はたくさんあります!」
――それで困ったりしたこと、ないですか?
「ないです!!!(さっくり)どちらかというと、食べ物より、お酒の好き嫌いのほうが困ることあるかな。ブランデーとかウイスキーが飲めなくて。人の家に行った時に『これしかない』って出されると、困ったりはします。」
――そういう時ってどうしているんですか?
「ほかの酒を買いにいきますねー。(さっくり)」
全般的に、率先して好きなものを推していくことで、嫌いなものをさっくり回避している感じでした。そんな彼女はさいきんエスニックにはまり、グリーンカレーならばいけるかも?という見解も。でも、あくまでもグリーンカレーのみだそうです。
ちなみに。その他にも、こんな理由で「嫌い」な方々もいらっしゃいました。
(以下は遠隔でプチ・インタビューをした結果)





カレー嫌いな人から見た世の中













































……逆側から見ると、世界はこんなにも違って見えていたんですね。
皆さんの話を聞きその衝撃も覚めやらぬままボーッと街を歩いていたら、今まで目にすっと馴染んでいたカレー屋の看板に、今までには感じたことのない違和感を覚えはじめている自分に気がつきました。世界の色が違って見える瞬間が、こんなに身近に潜んでいたとは。






うすいカレーならわたしも






