海水浴場徒歩3分、釣りやサーフィンの拠点にいかがでしょうか
せっかくだから、今までに住んだことのないような場所に引っ越したい。そう思って行き先に選んだのは、千葉県の御宿町。チーバくんで言えばおしりのあたり、外房の美しい海に面した町だ。
いいね。今までもこれからも、人生に1mmも交わることないフレーズだ。海水浴場徒歩3分のリゾートマンションの一室が民泊として借りられるそうで、早速引越体験をしに行ってきた。
趣味の合わない女友達の家に転がり込んだような
茨城県つくば市から車を飛ばして2時間半、海を横目に南下を続けて御宿町に到着した。
趣味、あわね~!!
思わず叫んだ室内は、カーテン、寝具カバー、置き畳にいたるまでピンク色。普段身に付けないピンクづくしの部屋をairbnbで見つけ、せっかくだからと息巻いて予約したのだが、あまりの馴染みのなさにビビる。
室内は清潔で、IKEAやニトリの家具もあり、富豪の別荘というよりは気のいい友達んちといった雰囲気だ。
「知らない土地に引っ越す」しかも「全然趣味が合わない女友達の家を留守の間貸してもらう」。コンセプトが渋滞してきたな。
旅行ではなく暮らしがしたくてあえて夕方から来たのだが
引越となれば、朝のうちに旧居から荷物を運び出し、夕方に新居に到着することになるであろう。
引越気分を存分に味わうために、今回の旅行もあえて夕方から始めることとしたのだが、これがホームシック加速に効果テキメンだった。
たいして広いわけでもないのに目当てのコーナーが見つからず、こんなささやかなことでも、知らない土地に来てしまったのだという思いが強まる。
夕飯を探す
サーファーは日が暮れたら帰ってしまうのか。どうやらこの街には商店街や、飲食店が軒を連ねるような場所はないようだ。
海近くの老舗の魚屋で売られている魚がおいしくないわけがない。今日のメニューは刺盛りで決まりだ。
御宿といえば伊勢海老だそうだ。のぼりにそう書かれているのを見たし、通りがかったマンションのエントランスにも飾ってあった。
こうなればあとは素直に楽しむだけだ。地元のスーパーの巻寿司コーナーには郷土性が現れるよな、なんて訳知り顔でにこにこする。
そして食べたもの、ぜんぶうまいんです。
おなかがおいしいものでいっぱいになれば、さっきまでのホームシックもどこへやらで、ピンクだらけの部屋だってなんとか仲良くやっていけそうな気がしてくるのだから不思議なものだ。