歩き読書の注意点
気になったので実際にやってみることにした。しかし歩きスマホ同様、人に迷惑を及ぼす可能性が高い。そこで以下のような対策を講じた。
①早朝に行う
そもそも人出が少ない時間を選ぶ。深夜だと文字が読めない可能性もあるので、早朝を選択。
②妻に先導してもらう
読書をしながら前方確認を行うのは困難。そこで妻に先導してもらい、人にぶつからないよう細心の注意を払う。
次に読む本の選択。当たり前だが歩く距離は文字数によって変わる。長くもなく短くもない作品にしたい。あとハードカバーは疲れそうだから文庫から選びたい。色々な条件を考慮して、岩波文庫史上一番売れたという『君たちはどう生きるか』に決めた。
眠い
10月14日。良く晴れた祝日の早朝6時、私達夫婦は上野公園に到着した。朝の光を反射してキラキラ輝く噴水広場を見た瞬間、私の心に意外な感情が湧いてきた。
この日の前日は仕事が忙しく、まだ疲れが残っていたのだ。「そんなこと言われても知るかよ!」。そう思われた方もいるかもしれない。でもDPZ読者の皆様には私が感じたことを正直に書いて、心と心のやり取りをしたいのだ。
しかし言い出しっぺは私だ。まったく関係ないのに朝早く起こされた妻に、今更そんなこと言えない。ここは前に進むしかない
これは無理かも…
歩き始めてすぐ分かった。一歩進むたびに視界が揺れて文字が読み辛いので、内容が全然頭に入ってこない。金次郎、本当にこんなことやってたのだろうか?
それでもなんとか、物語の前提は把握できた。主人公である中学二年生のコペル君は、二年前に父親を亡くし母親と女中さんの四人暮らし。近所に住む叔父さんとコペル君の哲学的対話が話の中心となってくるようだ。
話の骨格を掴むのも一苦労。これは長丁場になりそうだ。
丁寧な準備、という罠
開始からまだ10分ほどしか経っていないのに、既にグッタリしてきた。前日の疲れのせいではない。
実は二宮金次郎が背負っていた薪を再現する為、リュックには2リットルの麦茶を2本入れておいたのだ。
DPZで記事を書くようになってから、丁寧に準備をしていたおかげで撮影当日助かったことが何度もあった。なので記事に書くか書かないかは別として、毎回こういうことを色々仕込んでいるのだ。
今回ばかりはそれが徒となった。ストラップが肩に食い込み、みるみる全身に疲労が蓄積される。余計なことをした自分に腹が立つ。溜まらず麦茶を飲んで少しでも軽くする。心が折れそうだ。