なんだか心が疲れる
「太陽がまぶしかったから」
かつて、そんな理由で最悪の結末を迎える小説があった。不条理な話に思えるが、確かに太陽の光が鬱陶しく感じるような時はある。それに加えて「なんかやる気が出ない」「何をやってもすぐ疲れる」。よくよく自分を振り返ってみると、心が若干弱っている時の危険信号だ。
そんな時、あなたならどうする?綺麗な海を見に行きますか?
ツーリングで美しい紅葉の中を走り抜けますか?
確かにそれも良いだろう。しかしもっと手軽に、今すぐにでも実践できる方法がある。私がお勧めするのは…「暗食」である。
「暗食」とは何か?
「暗食」とは読んで字の如く、電気を消して暗い中で飯を食うことである。説明がてら、ちょっと実際にやってみよう。
ずっとぬるま湯に浸かってるような暑さにうんざりしてるので、今日はひんやりサッパリ、冷やし中華を作る。具材を切って、麺を茹でて準備完了。
そしたら部屋のカーテンを閉めて…
これが暗食である。たったこれだけのことで、心がとても落ち着く。
何が良いのか?
当たり前の話ではあるが、料理にとって色彩や盛り付けはとても重要な要素である。
私自身、DPZに自分で作った料理の写真を上げる時、色彩には注意を払っている。
だが視覚のみならず、味覚、嗅覚、聴覚、触覚すべてが刺激される、「ご飯を食べる」という行為の情報量の多さ。心が弱っている時は、その情報量が仇となる。鮮やかな色彩が美味しさのスパイスではなく、心の落ち着かなさに変換されてしまう時があると思うのだ。
そこで、あえて部屋を暗くして視覚情報をカットし、情報量や刺激を減らして心の平穏を保つ。これが「暗食」である。