特集 2020年4月24日

香川にはアジアの遺跡がある〜「レオマリゾート」探訪記

これ、香川です

うどんでおなじみの香川県で「パスポートのいらない海外旅行」ができる場所があるという。

なんでも、海外でしか見られないような建物が山奥にあるらしいのだ。

どういうことだろう、そんなものが香川にあるのだろうか。


 

1997年生まれ。大学院で教育学を勉強しつつ、チェーン店やテーマパーク、街の噂について書いてます。教育関係の記事についても書きたいと思っているが今まで書いてきた記事との接点が見つからなくて途方に暮れている。

前の記事:「Zoom透け遊び」の世界へようこそ

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 まずは見てほしい

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あった
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これは
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すごいぞ
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細かい部分も!すごい!

香川の山奥にアンコールワットのようななにかがあった。

しかし驚くのはまだ早い。実は同じ敷地に、他の遺跡もある。そう言ったって混乱するかもしれないが、とにかくそうなのだ。 

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はい
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おお
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これは
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ブータンの寺院。ここ、香川です
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入り口もすごい
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ブータン寺院からは香川の山並みとアンコール寺院が臨める

 さらにさらに敷地には、中東でしか見られないモスクもある。

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香川
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裏庭もある
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これはなんだ

これはなんなのか 

実はこれ、香川のテーマパーク「レオマリゾート」内のエリア「オリエンタルトリップ」で撮影したもの。「レオマリゾート」は1991年に誕生した四国唯一のテーマパークである。

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夢が広がるテーマパークだったのです(写真提供:レオマリゾート)
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入り口。なぜ「NEW」なのかは分からない

その中にある「オリエンタルトリップ」は、アジアの歴史的遺産を忠実に再現したエリア。アンコール王朝の寺院、ブータンの寺院、そしてモスクにはそれぞれモデルがある。 

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レプリカでした

最初に紹介したアンコールワットのような寺院だが、これはタイとカンボジアの国境付近に存在する遺跡がモチーフになっている。名前は「プラサット・ヒン・アルン」。日本語で「丘の上の暁の寺院」という意味らしい。 

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丘の上、というか、一帯は山の中(写真提供:レオマリゾート)

ブータンの寺院は、ブータンにある「タシチョ・ゾン」という施設がモデルになっている。本来は寺院と国会議事堂を兼ねた場所らしい。

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エリア内には本物の「タシチョ・ゾン」の写真もある

モスクもなにかモデルがあるのかな、と思って広報の人に聞いてみる。
すると、「一般的なモスクを参考に」とおっしゃていたので、我々が想像する「モスク」の感じをイメージしているのだろう。 

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モスクのドームを下から見ると
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荘厳な空間が広がっている。迫力がすごいです

しかしここまで聞いて、なんだレプリカか、そんなのテーマパークでは珍しくないだろう、と思った方もいるだろう。

たしかに日本には世界の名所や建築を再現したテーマパークが数多くある。しかし、この「オリエンタルトリップ」は、他のテーマパークと比べても、ちょっと違う。

再現度が半端じゃないのだ

香川で「パスポートのいらない海外旅行」を

例えばアンコール王朝の寺院。

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石細工が細部まで細かい
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表面の凹凸がすごいんですよ

本気なのである。

それもそのはず。
実はこれ、すべて現地の職人たちが手作りしているのだ
「プラサット・ヒン・アルン」は、タイの石造建築職人の手による。

それってもはや本物ではないか

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香川の本気

また、ブータン寺院である「タシチョ・ゾン」も同様。現地の技術を継承したブータン人大工たちが、香川に来て作ったのだ。いや、本物でしょう、これは。 

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このディティールは本物だと言わざるを得ない
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タシチョ・ゾン前にある看板。さらっと「ブータンの宮大工の手により心を込めて製作いたしました」と書いてある。もっと押し出していいと思う

「オリエンタルトリップ」のテーマは「パスポートのいらない海外旅行」。実際に園内では、オリエンタルトリップ専用のパスポートを配っている。 

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これがそのパスポート。厳正な顔写真などいらないのだ

確かにそのテーマ通りで、もはやこれはアジアの建築を真似たテーマパークというより、ほぼ本物のアジアが香川にあると言っていい。

驚くべきことに日本で一番小さい県香川には、小さいアジアがあるのだ

香川で「パスポートのいらない海外旅行」ができるわけである。

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ようこそ、香川へ
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遺跡化するオリエンタルトリップ

私がこの建築群を「本物」と言って止まないのには、また別の理由がある。
実はこれ、本当に「遺跡化」しつつあるのだ。

どういうことか。

この日、私はオリエンタルトリップをレオマリゾートの広報の方に案内してもらいながら回っていたのだが、その人の話が大変面白かった。それはプラサット・ヒン・アルンを見ているときのこと。

ーーこの遺跡、本当にすごいですね

レオマリゾート広報:昔は建物の中まで入れたんですよ

ーーえっ!この中に!確かに入り口みたいなのはありまけど、囲いがあって入れませんね。ってことは外観だけじゃなくて、中まで細かく再現されてるんですか?

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中まで広がる遺跡

レオマリゾート広報:はい。人目に触れない建物の中に仏像のレプリカもあるみたいです。

ーーええっ、仏像のレプリカが……。それなら中まで見れるようにすればいいのに。

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丸を付けたところにうっすらと仏像が見えるのがわかるだろうか。この奥にはもっとたくさんの仏像がある……はずだ

レオマリゾート広報:中に入れていた頃よりお客様が増えたので、建物も痛んできて……。現地の職人さんが作ったのでどうしようもできないらしいんですよ。

ーー本物にこだわりすぎた結果、そんなことが……。ということは建物の中にある仏像は人目に触れないけれど、確かにそこに存在し続けているという……ガチの遺跡みたいになってるじゃないですか!

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中にも外国が広がるのだ

実はプラサット・ヒン・アルンだけでなく、タシチョ・ゾンもまたブータンの建築基準で建てられている。かつては2階部分も入れたらしいのだが、現在では1階部分しか公開されていない。

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タシチョ・ゾンの1階にはブータンの品々が飾られている。
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この奥に階段があり、かつては2階部分が見られた。

現地の職人に作ってもらうとそうなることは分かるが、しかし日本にそんな場所があるとは……。

どうやらオリエンタルトリップには、私たちが見ることのできないアジアがまだ広がっているらしいのである。やばいです、ロマンしかありません。川口浩探検隊に行ってほしいタイプのやつ。

半分しかない!?

そんな感じでワクワクが止まらない私を、更に奮い立たせる情報が広報の人から。

「実は昔、この他にも復元遺跡があったんですよ」

なんだって。

ということは、かつては現在の「オリエンタルトリップ」よりももっと広い「オリエンタルトリップ」が広がっていたということか。
聞くところによると、現在公開されている敷地は元々の敷地の半分ぐらいらしい。

航空写真で見てみると、確かに赤く囲ったエリアが現在公開されていない

なぜ全て公開していないのか。
その遺跡は取り壊されてしまったのか。 

…と好奇心の赴くままに色々聞いたのだが、ここで更なる驚愕の事実が発覚する。

実は、現在パークで働いている人の一部しか、かつての「オリエンタルトリップ」がどのようであったのか分からないらしいのだ。

ええ。そんなことありますか。

実はこれには「レオマリゾート」をめぐる深い事情が関係している。
なんと「オリエンタルトリップ」を有する「レオマリゾート」、3回オープンしているのだ

どういうことか。

「レオマリゾート」は1991年に「レオマワールド」としてオープンしてから2000年に一度閉園、経営母体を変えた「NEW レオマワールド」として2004年に再オープンした。

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「NEW」ってそういうことだったんですね

そしてその後にまた経営再編があって2010年に大江戸温泉物語グループの一施設として再々オープン。ホテル・温泉・テーマパーク・夏季限定のレオマウォーターランド(プール)を併設したリゾート施設「レオマリゾート」になったのだ。複雑。

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アトラクションがたくさんの遊園地に、
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プールもある。行きたい!そして夜には、
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イルミネーションがきれいだぞ!!日本夜景遺産認定、全国イルミネーションアワード5年連続受賞の「レオマ光ワールド」も楽しめる。様々な変遷を経て、現在は一大リゾート地になったのです。
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モスクでは3Dプロジェクションマッピングも!
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これがオリエンタルトリップに隣接するホテル。1泊2食温泉付バイキングプラン8,990円〜(税別、平日大人3名以上1室利用の場合)。コロナ騒動が収まったらみんなで行こう(写真上記5枚提供:レオマリゾート)

いまはこんな感じで複合リゾート施設へと大変貌を遂げたわけであるが、その大きな変遷の中で「オリエンタルトリップ」に関する資料が少なくなり、現在では1991年の開業当初、瀬戸内海や香川の平野が見渡せるこの場所にアジアの遺跡をつくったという言い伝えだけが残っているらしい

言い伝え……。

詳細がわからないのに異常な再現度の遺跡がある。
それって、由来を知らないけどなぜかある歴史的遺跡と同じじゃないか。これぞまさに本当の遺跡。テーマパークの作り物が本当に遺跡化した瞬間である。興奮する。 

当時はどんな姿だったのか

では当時、オリエンタルトリップにはどのような建物があったのだろうか。残念なことに現在、この閉鎖空間に入ることはできない。当時の姿を詳しく推測するには資料や当時訪れた人の話などを当たるしかないわけだ。

まずは案内してくれた広報の人に聞いてみる。

ーーその閉鎖されている空間ってなにがあったんですかね?

レオマリゾート広報:私が小さい頃に行った記憶ですが、確かタイの「水上マーケット」があったような記憶はありますね

なんと「水上マーケット」である。斜め上を攻めてきた。水不足で悩まされている香川県にとっては、水上マーケットは一種の夢だったのだろうか。

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こういう感じのものがあったのか(パブリック・ドメイン

さらに、私の祖父母にも話を聞いてみた。

実は私の祖父母は二人ともレオマワールドに関わりがあるのだ。
祖母はかつてレオマワールドのゲームセンターで働いており、そして祖父はレオマワールドの遊園地ゾーンにあるジェットコースターを作ったのだ。祖父はかつて、遊園地の遊具を作る会社で働いていた。

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祖父とモスク

ーー「オリエンタルトリップ」って昔は今よりも広かったんだよね?

祖母:そうや。昔は動物園があったんや、あそこに。

祖父:あと、鳥も飼っとったなあ

ーーバードケージみたいなのがあったんだ

動物園もあったらしい。
さらにはバードケージもあったらしく、ますます当時のオリエンタルトリップが気になる。

しかし、さすがにもう20年以上前の話。どの人に聞いても明瞭にその姿を覚えている人がいない。

やはり、幻の遺跡は幻のままで終わってしまうのだろうか。

そう思っていたところに、一筋の光が指した。当時のことを克明に伝える文書が発見されたのである。

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ガイドブックに詳しく載っていた

それがこちら。 

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『瀬戸内海・中四国・九州版 リゾート&テーマパーク』。中四国・九州のテーマパークについて詳しく書かれている

発行は1992年。レオマ開業の1年後である。祖父母の家の本棚に眠っていた。

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1995年当時のレオマワールドのパンフレットも入手した。この2つがあればかなり克明に当時の姿がわかるんじゃないか。

 早速開いてみよう。ドキドキする。

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書いてある!当時の写真も豊富だ

そしてパンフレットからは当時の園内マップを発見した。それがこちら。 

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幻の遺跡マップ!

このマップで言えば、 

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これが現在の非公開部分

確かに広報の人の話通り、ほぼ半分が公開されないまま残っているのだ。

では、現在公開されていない部分には一体なにがあったのか。
もう言葉はいらない。とにかく見ていただこう。

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ネパール寺院!(タウン情報まつやま別冊『瀬戸内海・中四国・九州版 リゾート&テーマパーク』より抜粋。以下、3枚は全て同書より抜粋)

「サンティナート」というネパール寺院があるのだ。これも当然、ネパールの職人が来日して作ったと書いてある。すごい再現度。香川の山奥で、精密なネパール寺院が人目に触れずに残っている状況、やばくないですか?

そして、

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タイの水上マーケットもありました

広報の人の記憶にあった水上マーケットだ。正確には「ウォーターマーケット」というゾーンらしく、レストランとショップがあるショッピングゾーンだったらしい。 

そしてそして、

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鳥!!

その名も「バードパラダイス」。ガイドブックによれば1300羽もの珍しい鳥がいたらしい。香川の山奥に1300羽もの鳥がいたとは……。今、彼らはどこにいるのだろうか。

その他にも、「陽明城」「レオマコロシアム」など今は見れない施設がたくさんあったらしく、これらがそのまま、香川の山奥に眠っているのである。

人目を浴びることなくただ存在するネパールの寺院や、水上マーケット……。もう、完全に本物の遺跡である。

間違いない、香川には「パスポートのいらない海外」があるのだ。 

テーマパークの変遷が本物の遺跡を生んだ

現在、オリエンタルトリップは遺跡の完成度を楽しむというより、そこに植えてある花と遺跡のコラボレーションを楽しむフォトジェニックなスポットとして人気だ。

美しく咲き誇る花を目当てに来る女性客も多く、四国随一のコスプレスポットとしても利用されている。2015年、オリエンタルトリップをリニューアルするとき、来園客向けのアンケートで要望が多かった「花や自然」を楽しめるようにしたという。

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きれいです
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春と秋には中四国最大級10万本の「大バラまつり」が開かれる。何度もいうが、もう香川ではない
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モスク周辺にも咲き誇る
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初夏には「あじさい祭」、秋には「ダリア祭」などのイベントがある(上記3枚写真提供:レオマリゾート)

開演当初に作られたオリエンタルトリップは現在、3万坪の敷地に咲き誇る100種42万坪の季節の花々が楽しめる「レオマ花ワールド」になったのだ。

花々と遺跡のコラボレーションが美しいことは言うまでもないが、そうしたオリエンタルトリップの利活用方法は、元々そこにある動かしようのない遺跡を新しい観光名所に利用した、ともいえるかもしれない。
そういう意味でもオリエンタルトリップは本物の遺跡のようではないか。

テーマパークとは、あるテーマに基づいて園内の景観やショップなどの全体が演出されている遊園地のことである。したがってテーマパークにとっての「テーマ」とはその場所を考える上でとても重要だ。日本全国、多くのテーマパークがそのテーマを具現化しようと奮闘している。
オリエンタルトリップの場合、テーマは「パスポートのいらない海外旅行」であることは先ほども書いたとおりである。

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パスポートのいらない海外旅行

そしてレオマリゾートはその変遷と共に、当初意図されていた「パスポートのいらない海外旅行」というテーマを予期せず、高い再現度でもって具現化しているのだ。そこを訪れると色んな意味で外国の遺跡を見ている気がする。

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だってこんなの日本じゃないでしょ

そう考えると香川の山奥にそびえるこの風景、あながち「作り物」といって済ませることは出来ない気もしてくる。この風景にはレオマリゾートが辿った歴史が刻み込まれているのだ。


未公開部分が見たい

テーマパークの風景は「しょせんニセモノ」とか「チープだ」とよく言われる。しかしオリエンタルトリップの場合はそうも言い切れないぞ、と思った。もう、ほとんど本物の遺跡といっていいんじゃないか、と。
とにかく今回はそれを主張したかった。

私個人としては、資料でしか確認出来ない未公開部分を見てみたい。公開して欲しい。

あ、でもここを見てしまうと「遺跡のロマン」感もなくなってしまうかもしれないな……。

悩ましい。

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めっちゃいい感じで撮れたモスク。コロナが収まったらまた行きたいな

協力:レオマリゾート 

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