特集 2021年8月30日

中国の画像素材にでてくる寿司を眺める

中国には日本料理屋だらけ

話によれば中国で日本料理屋が増えているという。

大都市はもちろんのこと、日本から遠く離れた内陸の街でも日本料理屋が増えているそうだ。日本人向けではなく、現地の中国人が同じ中国人向けに提供している店が多い。

店舗をオープンとするとなれば、外国である日本の料理のメニューを考えなければいけない。

そこで考えた。中国の画像素材屋には役立つ素材があるのではないか。そこに僕が愛してやまない、変な日本語もあるのではないか。

変なモノ好きで、比較文化にこだわる2人組(1号&2号)旅行ライターユニット。中国の面白可笑しいものばかりを集めて本にした「 中国の変-現代中国路上考現学 」(バジリコ刊)が発売中。

前の記事:中国のアクアリウムショップの人気インテリアは太公望

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日本料理といえば寿司

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日本料理といいながら寿司が出がちだ。
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「日の料理」でも、「三文魚(サーモン)」をどどんと出す。

中国の日本料理屋では刺身や寿司も出しているが、でもそれだけではなく、ラーメンにうどん、それに焼き肉に焼き魚も出るし、酒も出す。

なのに入口の看板では刺身や寿司だけが出がちだ。それらがセンターとかいう話ではなく、刺身や寿司だけが日本料理と言わんばかりだ。いや、刺身や寿司が中国人が知ってる日本料理の代名詞だというべきか。

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中国の日本料理食べ放題にいったことがあるのだが、こんな感じで確かに寿司比率が高い。
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中国語はもちろん英語もまあまあなのに、日本語がフランスの焼きロブスターに。エビになってしまった。
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ウーロン茶の炒めである。Fried Udon Noodlesは当たっているのに。
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台湾風がタイマン式になっていて不穏だ。

僕が変な日本語のコレクションのために現地で撮った写真を振り返ると、寿司以外のもあるが、しかし全体でみるとやはり寿司が多い。

日本料理というとまずは寿司であることは確からしい。そこで寿司素材を探そうというわけで。

中国の寿司素材を探す

中国語も日本語も漢字を使うのはありがたい。日本人が中国に語学留学すると、漢字が読み書きできるからいきなり高ランクでスタートできると聞く。

画像素材は中国語でも「素材」で、「寿司素材」と書いて中国の検索サイトで検索すると、ポスターやメニューや寿司画像が出てくる。

中国の素材屋は、どうも見ていると有料のが多い。そこで素材を買うことに。

素材サイトをざっとみて、サブスクプランを利用してみようと決めると、QRコードが出てくるのでピッと支払う。画面でもQRコード決済だ。

最近は中国の銀行口座を開いている必要はないらしく、クレジットカードと紐付ければ支払えるようになっている。いろんな買い物もできそうだ。

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画面にQRコードが出てくるのでそれで購入。

「日本料理」で検索して出てきた素材は寿司ばかりだ。日本料理屋ではラーメンや天ぷらや丼ものなどいろんな料理が出される。でも一番中国人に日本料理だとわかりやすいのは寿司のようだ。

ちなみに昔、世界中に日本人個人旅行者向けの食堂があって、そこではカツ丼が人気だった。あのやさしく甘い醤油味が日本を離れて海外にいる日本人にささり、人気だったのだ。

でも中国人をターゲットにしようとするなら、日本料理はカツ丼ではなく、とりあえず寿司なのだ。

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カウンターで寿司をつまんでこそバーチャルジャパン。「の」は日中の共通語。
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日の餐点はおいしい、お色気、ヘルシー。そしてなんとなく「日の餐点」が通じる。
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日式料理で「ゥリ|シ|リヤオリ|ピンバン」。中国語をむりくり日本語発音にあてたものらしいが、インパクトは絶大。
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日本料理といえば寿司

中国の素材サイトで「寿司」で検索すれば、なるほど確かに「日本料理」で検索するのと同じくらい出てくる。

あらためて素材サイトで何点か購入した。日本で中国の寿司屋の雰囲気を再現できる貴重なアイテム。いつか活用できる日があると思うので大事にしたいと思う。

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寿司、和服の女性、海苔巻、そして富士山。
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寿司のイラストと写真が混ざるどころか和服美人に加え日本人が想像しがちな中国人まで混ざってる。
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メニューの表紙だろうか。冒頭の「なンだど」に目を奪われる。
「寿司の神」と書きつつ「なンだど」がたまらない。
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「寿司の道」だろうか「寿の司道」だろうか。サーモンロールを前に出す。
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「の」をつければいい。その思想なのか「寿の司」というワードがつくられた。その下の謎のポエムでより日本風に。なんといっても寿司がかわいい。
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イラストの寿司が日本では見ない感じでかわいい。外国らしさを演出するためにやはり何か日本語のポエムをいれたくなるもの?
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「秋には何も限られたオフ」寿司というよりはビールの宣伝みたいだ。

変な日本語、ジョブチェンジする。

そんな寿司の素材を見ていると、以前どこかで見たような謎の日本語のセンテンスがちりばめられているのに気づいた。

そうだ、ファッション素材だ。中国のファッション雑誌風の日本語が、寿司の画像にも入っているのだ。

日本風ファッションを目指す中国のファッション業界と、日本料理屋を目指す飲食業界。目的は違えどつながっていた!

なんとなく格好良さそうに見える日本語センテンスを寿司のメニューにいれてオシャレにしたわけだ。

あるいは寿司はオシャレなのだ。

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「美しく花ク、アクセントで使うア」や・・・
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「この時点で美しい最の美麗(これ以上)。」が・・・
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これだ。筆者が以前購入したファッション向けの画像素材。同じ日本語が中国寿司業界向けにも使われていたのだ。
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熟女たちも茄子アイテムもないが文字を入れることでなんだか日本料理っぽいのだ。
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中国の寿司屋の出す謎メニュー

これまでチェックした寿司画像を見返すと、画像素材に出てくる寿司ネタはサーモンが目立ち、あとはそのほとんどが巻きずしだった。

今度は寿司画像が数百枚入っているという画像素材集を購入してみた。

やはりサーモンや巻き寿司が多かったのだが、尖った寿司も混ざっていた。

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メニューに使えそうな寿司画像だ。どこかでこの写真が活用されているのだと思うと夢膨らむ。
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いちごサーモン。いちごは明治のいちごミルクやほろよいで人気だが、とはいえ奇抜だ。
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えび。リアルでも見たことがあるが、立てるのが好き。
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天丼寿司というのか、おまけにたまご焼きをのせてタルタルソースをかけている。
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おろし金、鮭の切り身、そしてライム。想像を超越していて、いい。
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皿を醤油皿と箸が占拠し、実は寿司は端に3つしかないという意欲作。頼んでみたいぞ。

どれでもなかった

巻きずしは海苔やサーモンロールにとどまらず、海藻やとびっこで巻いたものが見られた。料理レシピサイトを見てもたしかに巻き寿司が多い。気軽に作れるので、メニューで目立つわけだ。

中国人が家にあそびにくるようなことがあれば巻き寿司をふるまおうと思う。

しかし画像素材集から統計をとってみれば、握り寿司でも巻き寿司でもないようなものも目立った。見たこと、食べたことのない寿司を求めて中国をいつか旅したい。

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僕たちは世界の寿司をまだ知らない。

 

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