ハトを履き、爆破で結婚を演出
対象記事は2016年のベスト30集計以降である2016年12月1日~2017年11月30日公開分まで。
今年のベスト3はこちらの3本でした。
“ハトを履く
「ハイヒール」のダジャレで「ハトヒール」。そんなそもそもの企画の出発点を余裕でとび超えた、シンプルにクオリティの高いハトに目をむき笑わせてもらった記事。
俺たちの考える、これこそがインスタ映えだ。
“僕たち!結婚しましたッ!(ドカーン!)
インスタ映えの時代以前から結婚写真といえば一生になんどもない派手な写真を撮る絶好のチャンス。
しかしだからといって爆破させるのはチャンスつかみすぎだろうという1本。
ちなみにこの記事は地面から煙が出る「セメント爆破」だが、このあと炎が出る方の爆破「ナパーム爆破」でも
撮影に成功してました。
“当時はもう『死ぬかプラレールか』って状況まで追い詰められたんです
手線をメインにJRの路線をプラレールで完全再現したイベントレポート。
くみ上がった路線もすごいし、自分で持ってきたプラレールの車両を自由に走らせてOKという自由さもたまらないです。
主催の松岡さんが25歳で会社をクビになって崖っぷちからこのイベントを立ち上げたエピソードも熱かった。
続いて4位~30位もどうぞ
ハト、爆破、プラレール。
以上が201年の記事トップ3でした。
なおランキングは例年どおりページビュー、Twitterでの言及数、Facebookでのいいね! 数、はてなブックマーク数等のSNSでの拡散量等を総合的に数値化(年に一度やってくる偏差値を地味に地味に計算する作業の日が今年も) して決定したもの。
多くの人に読まれ、感想が拡散され、いいね! された記事でした。
次のページから 4位~30位をご紹介します。
今年はさらにFacebook、Twitter、はてなブックマークといったSNSで局地的に盛り上がった記事をSNS賞としてご紹介しますよ。
“つまりタワーマンションとは「垂直方向に伸びた理想の郊外」なのだ。
“もともとの油を抜き、おいしい油をかける。この油入れ替え法を『オイルコンバージョン』と名づけました。
“居酒屋の前で騒いでいるテニスサークルを見た時と同じ表情だ。
“うちはハンコを作ってないんですよ、ハンコというか登録印を作ってない
以上がベスト10でした。
トップ3でも感じたことですが、ライターが各自着実な仕事をしてヒットを飛ばしています。マンションポエムの大山さん、料理の松本さん、渋い店レポの玉置さん。
いわゆる「安定の〇〇」が安定の先にたどり着いた感がありました。
最高な記事が続きすっかり気分がよくなってしまってもう酒でも飲みたい気分ですが、さらに最高は続きます。
続いて11位から20位をどうぞ。
冷静に考えてわかったドラえもんの道具の既成率
“Amazonで「Chinese takeout box」と検索してみた。
“映画で見た通りプルップル! 不思議ごはんだーっ!!
“幸いにもオニヒトデの毒があまり効かない体質だったようで症状は軽くすんだ。
“私、食事もけずってまで品物入れてきちゃうんで。今日も何も食べてないような状態。
“入手してみた「プロ用」は次のものたち
・厨房用のくつ
・札勘練習用の紙幣
・油汚れ用ハンドクリーナー
“これはですね……社内でも揉めました。人型にしようと提案したのは営業部なんです。
“専門職の人に思いっきりバカで失礼な質問をぶつけてみたらどうだろう。
普段電子工作を主戦場にして8位に入った藤原麻里菜さんが、「あのアレのやつ」を買う系記事(等サイトにはみゃくみゃくとそういうジャンルがあります)で11位にもランクイン。
さらに今年ライターの斎藤さんが積極的に取り組んだ「論破シリーズ」も20位に。
論破シリーズはこのほかに、
手品師編、
寿司職人編が続きどれも好評でした。
続いて21位から30位! ランキングは後ろのほうになっていっていますが、不思議と記事のテンションは下がりません。
カール騒動を覚えていますか
“正直すごく興奮した。これは早く並ばねばと気がせき足がはやまる。
“「バッドエンドの漫画を読んで、感じたことをご飯にしてください」
“「おしり洗浄を『強』にしてもまだ弱いと思われる方」に向けて、「強」をさらに強くする方法が載っていた
“『値段の書いてない寿司屋』を求めている方もお客さんもいるんです。
“止まって目の前を見ると、自分の足首が120度左方向に回転していた。
“ゆかりは「ご飯のふりかけ」ではなく、「全食品のふりかけ」なのである。
“32年ぶりに姿を現したコスモ星丸! 色あせ無し! 牛久市の倉庫管理すばらしいです!
カールが東日本で売られなくなったの、あれなんと今年なのである。
「えっ! もっと前のことだと思ってた~~っ」という以前に、そういうニュースがあったこと自体忘れていた…(カール関係者のみなさまには深くお詫びいたします)。
続いては特定のSNSで気をはいた記事と、ベスト30にランクインしなかったライターによる叫び「俺の記事も読んでくれ」です。
エイプリルフールだし木が銀行の合併史を説明するね
今年から新設の特定のSNSで輝いた記事各賞の表彰です。
Facebook、はてなブックマーク、そしてTwitterで特に支持された記事をご紹介しましょう。
“手のりプロジェクターさえあれば簡単に魔法使いになれます。
“今日は、わしが見てきた銀行合併史を皆さんにお話ししようかのう。
最後ちょっと説明しづらいものが食い込んできてしまいました。
なんでライター西村さんは木になって銀行の合併史を語っているのか。
これ、今年のエイプリルフールに公開した記事なんです。
「ライターが全員木になりました」というのがウソの部分です。
で、このころ西村さんが書籍の仕事で銀行の歴史についてゴリゴリに勉強しており、その知識をサイトでも爆発させてくれたのでした。
こんなにも説明しづらい記事がTwitterでバズりまくる。これだからインターネットは最高ですよね。
以上が2017年の記事ランキングでした。
と、ここまでは言ってみれば昼間の部分。夜はこれからです…!
ここまででご紹介した記事に名が並ばなかったライターによる「俺の記事も読んでくれ」のコーナーを始めます。
乾杯~!
俺の記事も読んでくれ
これまでいろんな記事を書いてきて最近になって思ったのですが、自分が一番得意なのって「体験談」かもという気がしてます。
そんな中で今年最大の体験だったのがこの記事。反響も大きかったのでこのキットは通販する予定だったのですが、記事の反響だけで満足してしまい未だに動いていません…。
友の会のグッズ(ライオンのスマホリング)を紹介するためになんとかひねり出したアイデアでした。作ってて思ったのは、発泡スチロールはよく吟味しないと種類によってスプレーと接着剤で溶けるということを、なんでだれも教えてくれなかったの!ということです。
とはいえはじめてやる発泡スチロールの加工が楽しくて…。結果、この記事の次とその次が発泡スチロールを使った工作記事になってしまいました。
これまでで一番「あーーーライターやっててよかったーーー!!!」と思えた取材ができました。
なぜこんなに感激していたのかについては、石川さんに
取材された記事を見てもらえればすこしは分かって頂けるかと思います……。
「とんかつ定食ってキャベツばっかり食べちゃうよね」という話から、「皿だけを見てこれはどれくらいとんかつ定食かを考える」という底のない沼にずぶずぶはまれたのがよかったなあと思っています。
ずっと憧れていたフォークリフトの資格がとれて嬉しかったです。夫の両親とうまくやっていけそうです。
(家業は継がないけど)人生何かのチャレンジをしたい人、何歳からでも遅くはないですよ!
黄金比を無理やり見つける記事です。撮影していくうちにどんどんよくわからなくなってきたのですが、すしざんまいの社長が黄金比であることを発見(本当は黄金比ではない)して一気にスッキリして気持ちよかったです。
余談ですが撮影している様子を会社の先輩に発見されていたようです。声かけてよ。
この記事が出る前と後で、Twitterにアップされる室外機写真のトレンドが変わりました。
数年前から毎日「室外機」でエゴサーチ(?)してるんですが、記事が出たあとは右目室外機の発見報告ばかりになってしまい、「世の中には右目の方が多く存在しているという錯覚」(右目バイアスと呼ぶ)が生じる状態になっています。それだけ大勢の観察眼に影響を与えられたのは素直にうれしいです。
おれの記事も読んでほしいライターが押し寄せており、次ページへ続きます。まだまだ2017年は終わらせねえぞ!
さらに俺の記事も読んでくれ
あのとき違った選択をしていれば別の人生があったのではないかというよくある妄想を形にできました。ペリーがパワポを使ったら、カフカが楽天に出店したら、など仮説を記事にしてきましたが、それが実写で実現できて満足です。
この錯覚を手軽に味わえる「もうひとつの人生ランド」というテーマパークを作るのが夢です。
6歳の頃に学研の雑誌で見たウルトラマン製造工場、ずっと記憶違いだと思っていたけど引っ掛かるものがあり、調べたら実在したという記事です。国会図書館に行ったけどなかったり、学研の方からもないと言われたけど書庫を見せてほしいとお願いしたり(私が年代を間違えてたからだけど)、食い下がった末に現物を見つけたときには総毛立ちました。
これがきっかけで後日、
科学と学習の取材ができたことも一生モノの思い出です。
思い出深いデビュー作なんですが、"デビュー作が宇宙チャーハン"ってなんなんだよ、という感じがわりと気に入っています。
次作の
ディスペンパック工場に行く記事でもチャーハンの素をやたらプッシュすることになり、このままでは"チャーハンのひと"になってしまう、と静かに危惧していました。
おばあちゃんちのにおいの調合は楽しいし盛り上がるので推していきます。
おばあちゃんちのにおいの材料もドラックストアなどで手に入ります……。
自分の記事ではないのですが、元々、不安定な企画に上半身裸の外国人が参戦してきて、ドキドキが止まりませんでした。こういうのがあるから公園の撮影は楽しいですね。
風がふくだけでかっこよくなるので、とても楽しい撮影でした。この記事のしばらく後に製品として売られたおかげで「先を見据えてました」感が出せて嬉しかったです。
石屋のおっちゃんからLINEのフレンド申請が来まして、地元のお祭りや孫のかわいい写真などを送ってもらえるようになりました。
おそらく、今年自分が書いた記事の中で最も読まれていないっぽいんですが、途中で出てくる悪そうなヤギの表情がすごく好きな1本です。
と、この俺俺祭りに載せられて、ランキング圏内のライターまでもがもっと俺の記事を読んでくれとコメントを寄せ始めました。せっかくなのでご紹介しましょう。
もっと俺の記事を読んでくれ
10分間拍手してもらうのをただ見届けるだけ、という他力本願極まりない記事でしたが、「そういえばどうなってるんだ」を試せて嬉しかったです。
最後のカミさんの一言がよかった、という感想もたびたびもらいました。本人に伝えておきます。
自分が今まで書いた中で一番好きなやつです。
当たり前ですがわかった人がほとんどいなくて安心したのと、身内ネタにも関わらずそこそこウケたのがうれしかったです。
今年は鬼まん、あんまきと、自分の中に潜んでいた愛知愛が爆発した年でした。
中日ドラゴンズが弱すぎたのが原因だと思います。
もう結構予定埋まってるぞ2018年
こうして記事の群れを見ていると、2017年退屈しなかったなーと思います。
Wikipediaを見ると2018年、わりともうそこそこ予定決まってますね。人類は忙しい。
忙しい人類の、しかし我々デイリーポータルZは暇をつぶし続けます。12/28から1/4は年末年始企画も休まず更新しておりますよ、どうかお付き合いください。