特集 2013年3月20日

この季節だからこそ!公園の売店カレー

ちょっと肌寒い季節こそ外でカレー!たとえばこんな場所で。
ちょっと肌寒い季節こそ外でカレー!たとえばこんな場所で。
「どこで食べても美味い料理」といえばカレー。そして「どこで作っても美味い料理」それもカレーだ。まあぶっちゃけご飯とレトルトパックあれば食えるしな!というのもあって、屋外のいろんなところでカレーは定番だったりする。それはたとえば公園の売店でも。
1972年佐賀県生まれのオトナ向け仕事多数のフリーライター。世間の埋もれた在野武将的スゴ玉の話を聞くのが大好き。何事もほどほどに浅く広く、がモットー。

前の記事:東京いい店太る店(学生街篇)

> 個人サイト service&destroy

売店もチェーン化な代々木公園

東京都内でいちばんポピュラーな公園といえば、原宿・渋谷にほどよく近く、イベントもよく行われている代々木公園。これから上京する若人に豆知識だけど、原宿と渋谷は歩いていけるぞ!自分はけっこう驚きました。

花見の季節も間近ですが、まださすがに咲いてないどころかフェンスとか柵があったりとシーズンに向けて工事中な様子。
週末のロックンローラーで有名な公園入口。
週末のロックンローラーで有名な公園入口。
コーンとかフェンスに彩られた冬の代々木公園。
コーンとかフェンスに彩られた冬の代々木公園。
間もなく賑わう通りだけど、今はまだむしろ不気味。
間もなく賑わう通りだけど、今はまだむしろ不気味。
そんな代々木公園の入り口近くにある売店。花見の時くらいしか覗かないけど、ちょっとした食べ物と公園で遊ぶようのオモチャとか売ってたはずだ。いかにも昔ながらの「売店」って感じの古びた…と思ってたら、外装がやたら小綺麗になってた。あれ、こんなだったっけ。
目にも鮮やかな売店グリーン。
目にも鮮やかな売店グリーン。
メニューもずいぶんシャレたメニューに。
メニューもずいぶんシャレたメニューに。
ここは東京都公園協会が展開している公園の売店「パークス」。以前榎並さんが取材していたヤツだ。昔の売店はおでんとかうどんが似合いそうだったのに比べると、これはえらくまあハイカラな感じに。だってマフィンだよ?(マフィンとかベーグルとか恐怖症)

でもカレーはどこだろうとカレーに違いない!ということで出てきた「トロトロカレーライス」がこちら。意外とボリュームはありました。
底が深いので具が下にいっちゃってます。
底が深いので具が下にいっちゃってます。
この卵は業務用の輪切りで使うタイプぽい。
この卵は業務用の輪切りで使うタイプぽい。
ただ一番でかい肉でもこんなサイズ。
ただ一番でかい肉でもこんなサイズ。
まあ味でいえば、味濃いめ欧米風カレーといった感じですか。ちょっと昔の喫茶店のカレーというか、おなじみの業務用カレーテイストというか。まあ安心して食べれる味ですけどね。カフェっぽいといえばカフェっぽい味。

何よりこのまだ微妙に肌寒い季節に外でカレーを食うのって…すげえいいなあ。この味の濃さは暑くなってからだとちょっと重すぎる。今だからこその「身体あったまるわー」感。
「外で美味いカレー」というジャンルはあるよね。
「外で美味いカレー」というジャンルはあるよね。
しかしもうちょっとオリジナルなカレーだと思ったんだけどなあ…。しかしよく地図を見てみると代々木公園の売店はひとつではない。他の店にはカレーはあるの?そう思って覗いて見たら…やはり代々木公園のカレーはひとつではなかった!
こっちは手作り感満点メニュー。
こっちは手作り感満点メニュー。
いったん広告です

バリエーションで勝負な代々木公園その2

さて広い広い代々木公園ですが、その中にライブなどが出来る野外ステージや、様々なフードフェスやフリーマーケットが行われるイベント広場があります。むしろこっちしか行かない、という人も多いかもしれない。
ステージと、その後ろにそびえるはNHK。
ステージと、その後ろにそびえるはNHK。
週末以外はにぎわいこそはないものの、渋谷と原宿を繋ぐ通路としての役割もあるので平日も人は少なくない。そんな中にあるこちらの売店。その名も「代々木公園売店」。さっきのパークスに比べると揺るぎない名称ですね。
こちらはおでんとかスナック系充実。
こちらはおでんとかスナック系充実。
シンプルゆえに老舗感あります。
シンプルゆえに老舗感あります。
しかもパークスに比べるとメニューがなんともドメスティック。カレーだけでも、カレーライス・カツカレーライス・オムカレーと三種類。あと食べてないけどナンドッグもおそらくカレー味だからおそらく4種類だ。
あとも焼きそば・ラーメン…これぞ売店感。
あとも焼きそば・ラーメン…これぞ売店感。
この「ジャンル:スナック」感。
この「ジャンル:スナック」感。
こちらではオムカレーを頼んでみた。代々木公園でもさっきのパークス方面は入り口近くだったので観光客なども含めて特に目的もなく来てる人も多かったけれど、こっちはダンサーの子が踊ってたり散歩中だったりの人が多い。

そして売店も制服着てたパークスに比べると、おばちゃんたちがレンジでチンしてる間も雑談してたりいい意味で空気がゆるくていい。
そしてやってきたオムカレー。カレーはおそらくパークスと同じ?
そしてやってきたオムカレー。カレーはおそらくパークスと同じ?
レンチン感はあれど柔らかいオム部分。
レンチン感はあれど柔らかいオム部分。
この日2食目の代々木公園カレー体験。
この日2食目の代々木公園カレー体験。
オムカレーに関しては、おそらくカレーはパークスと同じ、オムレツ部分も形が異様に整ってる感じからしてもレンチンして乗せただけぽいし、それほど記すこともない。ただ、NHKに代々木体育館などを眺めながらカレーを食うという体験はちょっと新鮮。関係ないけどレンチン系の食事って手作りに比べて異様に熱かったりするよね。

しかしこちらの売店ではパークスにはないような手作りぽいメニューもあった。おやつ代わりに買ってみたのがこのあげもち(150円)。これが正直すげえ美味かった!
醤油と揚げテイストが完璧に調和。
醤油と揚げテイストが完璧に調和。
デブまっしぐらとか考えない。
デブまっしぐらとか考えない。
外側はカリっとしつつ中は餅の柔らかさ、そして香ばしい醤油味…。これ仕事とかで通過するたびにうっかり食ってしまいそうだなあ。腹持ちもいいし。ってここまでにカレー2杯食った男が言うこっちゃない。
代々木公園

渋谷区代々木神園町・神南二丁目

知名度No.1公園カレーの石神井公園

さて他の公園カレーはどんなものか?探そうと思っても困難にブチ当たることもある。公園カレー定番中の定番ということでやってきたのが練馬区の石神井公園。
広々した池に沿って広がる公園。
広々した池に沿って広がる公園。
なぜ定番かというと、この公園内にある「豊島屋」というお店とそこのメニュー・カレー丼がドラマ化もされた漫画『孤独のグルメ』に登場したからだ。いわゆる「聖地」ってやつで、そうなると食べに行く人も少なくない。全国から来るレベルだ。

それでは行かぬわけにはいかないだろう、と行ってみると…。ありゃ、定休日だ。チェック甘かったなあ。
昔ながらの公園売店感あります。しかし下の張り紙は?
昔ながらの公園売店感あります。しかし下の張り紙は?
あらら、どっちにしろ撮れなかったか。
あらら、どっちにしろ撮れなかったか。
同じような張り紙が店の周りに何枚か貼ってありました。まあ聖地だけに皆パシャパシャ撮ったんだろなあ…。まあ自分も人のことは言えませんが。ということで聖地巡礼の皆さん、そっと食べに行きましょう。
でも公園に来たおかげでこれの名前が分かりました。
でも公園に来たおかげでこれの名前が分かりました。
ロッキンパッピ~。
ロッキンパッピ~。
石神井公園

練馬区石神井台一・二丁目、石神井町五丁目
いったん広告です

新宿御苑はカフェっぽいカレー

しかし公園のカレーで名物みたいなのはないものか、といろいろ調べてみると公園の売店ってここ数年でさっきのパークスになってる所が多いんですよね。回ってみても同じカレーばっかでは記事にならない。
まあ安定した味なのはいいことなんですが。
まあ安定した味なのはいいことなんですが。
さてどうしよう…と探してみるとまた違ったカレーを出してる公園はあるもので。といいつつもやってきたのは新宿御苑。公園ではなくて庭園じゃね?という声もありそうですが、環境庁が管理する「国民公園」という位置づけですし間違いはないのだ。
もともとは皇室の庭園でした。
もともとは皇室の庭園でした。
こちらも桜はまだですが、
こちらも桜はまだですが、
木々に花はちらほらと。
木々に花はちらほらと。
やってきたのは平日でしたが、カメラや絵筆を持ったおじいちゃんおばあちゃんがいっぱい。趣味のサークルが一同に介す場所として定番なんだなあ。

そんな新宿御苑でカレーが食べれるのは、新宿御苑インフォメーションセンター。御苑の入場は有料ですが、こちらは園外にあるので無料でも入場可。御苑の花の見頃とか、育成状況を知れるスポットです。
小学生の自由研究とかに便利そう。
小学生の自由研究とかに便利そう。
その中の「CAFEはなのき」にカレーがあります。
その中の「CAFEはなのき」にカレーがあります。
メニューは…あ、ホントにカフェっぽい。
メニューは…あ、ホントにカフェっぽい。
ハーブ添えってのが庭園ならでは?
ハーブ添えってのが庭園ならでは?
新宿御苑は中にレストランがあるだけに、オリジナルのカレーを出してるんだろうなあと思ってはいましたが、予想以上にカフェっぽい感じ。ちなみに店が今の名前になる前は「御苑カレー」という名のカレーもあったそうですが。
おぼんは学食ぽいけどライスのおしゃれ感はカフェ風だ。
おぼんは学食ぽいけどライスのおしゃれ感はカフェ風だ。
カレーはなんというか、これまたカフェ風(なんでもそれで済まそうとしてるわけではない)というか、よく煮込まれた甘味あるルーでちょっと野菜の風味なんかにしろ「オーガニック」とか言われそうなカレーだ。

そのルー以上に存在をアピールするご飯の上のあいつ。
ひとことでいえば柔らかい味です。
ひとことでいえば柔らかい味です。
びよーんと主張するハーブ。
びよーんと主張するハーブ。
新宿御苑

東京都新宿区内藤町11
さてさらに公園カレー探していくと、ちょっと他とは方向性が違うところを見つけました。マグナム!ドカ盛り!こんなワイルドな方向に舵を切った公園カレーとは?
マグナムチキンっていいワードだなあ。
マグナムチキンっていいワードだなあ。
いったん広告です

運動後に食べたい!大井ふ頭中央海浜公園

「マグナム」とか「ドカ盛り」とか景気のいいワードが飛び交うカレーがある公園とは?それは大井ふ頭中央海浜公園。そのスポーツの森の中にある。スポーツやる人向けだからこそのマグナムでありドカ盛りと聞けば納得でしょ?
どうぶつの森ならぬスポーツの森。
どうぶつの森ならぬスポーツの森。
森だけにサッカーする森の住民や
森だけにサッカーする森の住民や
ジョギングする森の住民も。
ジョギングする森の住民も。
他の公園に比べると当然ながらファミリー層よりも、様々なスポーツを楽しみに来てる人が多い。それだけに食堂の方向も違うのではないだろうか?そうかんがえながら敷地の先にあるスポーツセンターに向かってみる。
食堂があるというスポーツセンター。
食堂があるというスポーツセンター。
いきなりの本格派宣言。
いきなりの本格派宣言。
2階に上がると、これまでの中では一番レストラン風というか、店構えがしっかりしたスペースが。その名も「大井スポーツ食堂」。スポーツ食堂って、プロテイン丼とかそんなのがあるの?と思ってメニューを見たら、カレーやハンバーグに丼ものといったおなじみの中に、「生ビール」「枝豆」なんてのも!全体的にガッツリ系ですね。
見た目普通ですが下の階はジャージの人ばかり。
見た目普通ですが下の階はジャージの人ばかり。
メニューはお腹溜まる系。
メニューはお腹溜まる系。
やっぱ頼むのはドカ盛りでしょう。
やっぱ頼むのはドカ盛りでしょう。
ここはやはり「ドカ盛りチキンカレー」をいただきたい!と券売機を見ると、そのボタンには赤い×マークが…。マグナムチキンカレーも×!とどちらも売り切れてしまったようだ…。あーあ。

しかしここは気落とさずカツカレーをいただこう。ルーの中に挽肉が入ったこれまでより肉々しいカレーだ。その上にカツだし。
スポーツ後に食いたい系カレー。
スポーツ後に食いたい系カレー。
カツもけっこうちゃんとしてた。
カツもけっこうちゃんとしてた。
運動で失われた塩分や空腹をしっかり取り戻してくれそうな濃い味カツカレー!こう高校球児っぽい若者がガツガツ食ってそうな姿が似合うカレーですね。

ちなみにサイトを見たら、この食堂でちょっとした打ち上げや宴会なども出来るのだとか。なるほどそれで生ビールとかあるのか。そういう使い方はスポーツ公園の食堂ならでは。
祝勝会とか居酒屋まで移動しなくていいのは便利。
祝勝会とか居酒屋まで移動しなくていいのは便利。
大井ふ頭中央海浜公園スポーツの森

東京都品川区八潮4丁目1番19号
と、いくつか公園カレーを巡ってみましたが、外で食べるカレーで「ここならでは!」みたいなものが無かったのはちょっと残念ですねえ。弁当にできるところもあるので、それで外で食べるという手もありますが。

ともかく寒さも落ち着いて、花見に限らず外でご飯を食べるにはよい季節。いずれ「外で食べるベストなカレー」を調べてみたいと思います。

結局一番の思い出はこれでした。
結局一番の思い出はこれでした。

実際、どこにでもあるよね

しかしカレーってどこで食べても安定して美味いですよねえ。冷めてもそんなマズくなることはない。あらためてどこの食堂にあるのを見てもその万能さを思い知らされた次第。カレーのような人になりたい、とは思うけど、その例えは説明が面倒だから使わない方がいいですね、きっと。
▽デイリーポータルZトップへ
20240626banner.jpg
傑作選!シャツ!袋状の便利な布(取っ手付き)買って応援してよう

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ