「大粒」がある喜び
食べものは大きければ大きいほどいい。
おにぎりがげんこつみたいだったり、パンが妙に大きかったり、そら豆のさやからでっかい粒が出てきたりすると、喜びにあふれる。
ゆえに、納豆も大粒であればあるほどうれしいのだ。
成城石井の納豆には「大粒」がある。
納豆の「大粒」には、どうやら世の中全体で統一された明確な定義はないようなのだけど、とにかくまず、なんといっても字面だ。
字面がいいのである。
この文字だけでもう、ごはんが1.5杯くらい食べられる。
まだ開けていないけどもう、はじまっているのだ。食べる前からすでに、道すじがぴかぴかに明るく照らされている。
とはいえ、大粒だけじゃない。全種類いいのである。大粒だけ方向性違う見た目なのに、並べると信号色っぽくなるところもいじらしい。
上京してまもないころ、前情報ゼロで成城石井に入店して、地元でこれまで見てきたのとは随分異なる価格帯におどろいて、東京はとってもこわいところだ……と思ったのは遠い昔である。
最近ではすっかり適切なお付き合いができるようになってきた。ごくたまに、ちょっといいものが食べたいときとか、自分が行けるときにだけ行けばいいと理解したのだ。
そんな成城石井のレジの方たちは、買い物をすると「保冷剤をつけますか?」と頻繁に聞いてくれる。
納豆に対しても、だ。
おかげさまで我が家の保冷剤がちょっとずつ増えています。ありがとうございます。
あと100円払うとできる贅沢
……と、開ける前の話ばかりでここまで綴ってきてしまったが、この納豆、もちろん味もすばらしい。
どうやら納豆自身もかなり自信を持っているようで、中粒にいたっては、「まずは、たれをかけずに召し上がり、大豆本来の旨味をご堪能ください」とまで書いてある。
さらっとかっこいいことを言ってくれましたね。
確かに食べてみると、豆がとってもふっくらほこほこだ。噛めば噛むほど味がじわりと押し寄せてきて、「旨みってつまりこういうことかー」となる。
ふだん私は総じて納豆を「なんかすごいにおいのする、米によく合うおいしいやつ」と思いながら食べていて、失礼ながら若干、彼らが豆であることを忘れかけている。
だけど、この納豆に関しては、「俺、もともと大豆だったんだよ」というのを、向こうからはっきり意思表示されている感じがする。
過去の姿が想像できるのだ。発酵の工程に入るまえから、随分前からもうずっと、とってもふっくらした豆だったんだろうなと。北海道の大地で大切に育てられていた姿までもが目に浮かんでくる。
成城石井の納豆を口にするときの気持ちは、旅館に到着したときの気持ちにちょっと似ている。
旅館に着いて、きれいにぴっちりと敷かれた布団や、たっぷりお湯がはられた温泉を見ていると「今日はちゃんと風呂に入ってぐっすり眠る!」という気分になる、あの気持ちと似ているのだ。
値段がふだん買ってる納豆の2倍くらいなので、毎日食べる勇気はないのだけど、日常にプラス100円強加算してでできる贅沢としてもたいへんおすすめです。
成城石井のオンラインショップでも購入できます
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