デジタルリマスター 2022年1月16日

風月堂のゴーフルはチェーン別に3種類ある(デジタルリマスター)

同じようで、ちょっと違う

「風月堂のゴーフル」といっても、種類があるらしい。

「風月堂」に複数のチェーンが存在し、そして各チェーンからそれぞれに別のゴーフルが販売されているのだ。

2009年8月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。追記した箇所もありますが、情報は基本的に執筆当時のものです。

1979年東京生まれ、神奈川、埼玉育ち、東京在住。Web制作をしたり小さなバーで主に生ビールを出したりしていたが、流れ流れてデイリーポータルZの編集部員に。趣味はEDMとFX。(動画インタビュー)

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> 個人サイト まばたきをする体 Twitter @eatmorecakes

その前に「ゴーフル」とは

ゴーフルというと、贈答菓子として子どものころよくもらって喜んだお菓子なのだが、改めて周囲に確かめてみると「食べたことない!」という人もまれにいた(デイリーポータルZ編集部では石川さんがゴーフル未体験)。

ゴーフルは、1mmで直径15cmくらい(でかい)の、いわゆる炭酸せんべいのような軽いサクサクした薄甘いおせんべいでクリームを挟んだもの。

クリームにはバニラ、チョコ、ストロベリーの3種類があって、私はチョコが好きだった。

そして、ゴーフルといえば扱うのは洋菓子店の「風月堂」なのだ。

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子どものころはこうしてせんべいをずらして食べたりした

 

のれんわけわけ風月堂

以前、文明堂ののれんわけについて記事にしたことがあったが(※注リンク先は2009年8月の記事です)、風月堂ものれん分けによって分社化していた。

大本の“風月堂総本店”はすでに休業しており、のれんの統廃合が進んだ末、現在大きなチェーンとして勢力があるのは「上野風月堂」「東京風月堂」「神戸風月堂」の3社。

ヘタすると、かなり近距離にこの3チェーンの販売店が拮抗して営業していたりする。

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銀座にある「東京風月堂」本店の斜め前には
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地下食品売り場に「神戸風月堂」を擁する松屋銀座が
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両店のほど近く、日本橋三越には「上野風月堂」も
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うほうほと勇んでその3店でゴーフルを買い集めましたパッケージに早速違いが!

 

“風月堂のゴーフル”は暫定3種類

その他にものれんわけによって独立した風月堂は各地で独自に営業しているようだ。

私が知っているだけでもロールケーキが有名な成城風月堂、明治時代のレシピでシュークリームを作っている自由が丘風月堂などがある(※追記 自由が丘風月堂は惜しまれながら2011年に閉店したそうです)

さらにネット検索でも甲府風月堂や長野風月堂といった存在が確認された。

同じ名前でもチェーンではない独立した店が多数あるというところはちょっとお蕎麦屋っぽい。

ただ、「風月堂のゴーフル」としてゴーフルを売っているのは上野、東京、神戸の風月堂以外で探したところでは見当たらなかった。

“風月堂”として出されているゴーフルは暫定3種類。ということで食べ比べてみたい!

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神戸、東京、上野。ぜんぜん違う3つの缶
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お互いの違いに感心する3者「あら」「まー」「そうなの」

 

値段がややこしいぜ

今回は3店でそれぞれ缶入り1,050円のものを買った。

「ほほう」と思ったのは、値段設定は同じなのに入っている枚数に違いがあったことだ。

神戸、上野が9枚入っているのに対し、東京は強気の8枚である。

買った1,050円の缶入りタイプのほか、525円の箱入りと1,500円の缶入りをそれぞれの店で扱っていたのでそれぞれのタイプで1枚の値段をグラフにしてみた。

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525円のものは紙箱なのに対し、1,050円は缶になるので価格があがるのは分かるのだが、なんでか上野は、買えば買うほど1枚の単価が上がっていくという仕組みになっているのだった。

ほほう。もう一度そういって私はヒゲをなぜた。

同じものを、同じ名前の、でも会社が違うお店が売るということのおもしろさがここにある。

……。

いいから早く食べましょうよ

今日は食べ比べをするためにゴーフルを買い集めたのに、うっかり値段に夢中になってしまった。ないヒゲをなぜてどうする。さあ、食べ比べだ。開封しましょう、しましょう。

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ギラギラの上野風月堂。個包装で9枚
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レトロでかわいい神戸は3枚1パックで全9枚
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エレガントな東京は強気の8枚(ストロベリーが2枚)
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東京缶は裏側に型押しが。かっこいい

缶の時点でかなり個性が出ていたが、開けると別のお菓子が入ってるんじゃないかというくらい、さらにイメージに違いがあった。

ちなみに東京風月堂はひとり8枚入りと強気だったが、その代わりか(?)乾燥剤と緩衝材が側面と底に入っていた(上野にも底のみ緩衝材は入っていました)。

乾燥剤とか緩衝材とか、なんだか細かな違いがおもしろくって、やっぱりなかなか試食にたどり着けませんが、いよいよです。

い出よ、ゴーフル!

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神戸、東京、上野。中身は一気に同じだ! でもちょっと違う!

 

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同じだけど、違う

3種類、外見を眺めそして食べた。結果からいうと、全部「ゴーフル」であった。えー!

3種がそれぞれにゴーフルであって、それ以上でも以下でもない。いや、そもそも時点でゴーフルに以上も以下もないか。

なんというか、こう、同じなのだ、全部。確かに細かな違いはたくさんある。けれど、違うのだが、同じなのだ。

とりあえず、冷静に各店のゴーフルを写真で見てみましょう。

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上野
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東京
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神戸

どうだろう。このちょっと違うけど、でも同じ感じ。

心が静かになりませんか。

まずは外見を比較

いやいやしかし、食べ比べをしようと思い立ったのだから、違いをつまびらかにしなければ使命は果たされない。

実際、小さな違いはたくさんあるのだ。表にしてみよう。

 
  直径 厚み※ 重さ クリームの原材料
としての乳

上野

14.8cm 1.1mm 25g

低脂肪乳

東京 15cm 1mm 28g 牛乳
神戸

14.8cm

1mm 26g 脱脂乳

※厚みはせんべい1枚の厚み

上野がほんの少し大きい。そして、神戸はクリームがもったりしていて少し多いようだ。

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上から上野、東京、神戸。上野がやや厚い

さらにクリームの色には、とくにストロベリーで顕著に違いがあった。

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ストロベリー。結構な違いが(神戸・東京・上野)
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チョコレートもやや違う(神戸・東京・上野)

また、上野と神戸には表面の文字が「GAUFRE」のほかに「FUGETSUDO」となっているものがある。

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東京(イチゴは裏表で「FUGETSUDO」と「GAUFRE」。チョコは裏表ともに「FUGETSUDO」)
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神戸(「FUGETSUDO」と「GAUFRE」はランダム? 全9枚での規則性が分からなかった)

どうだろう。わりと細部に違いがあるのが分かる。

小さな間違いが積み重なると、やがて大きな間違いになる。よく聞く話だ。が、ことゴーフルにおいてはこの小さな違いが全体の違いに影響しない。

細部が違っても、全体を見ると「ああ、ゴーフルだなあ」という一言に尽きてしまうのだった。

何者でもない、圧倒的で既成的な統一感がそこにある

皮とクリームの味にも違い

とはいえ、味も結構に違うのだ。味も、皮、クリームともに3店それぞれの個性がある。こちらも表にしてみよう。

  クリームのなめごこち クリームの味 せんべいの質感と食感 せんべいの味 クリームとせんべいのバランス
上野 固い 甘い ツルツル
ザクザク

甘しょっぱい

皮の味が勝ってる

東京

やわらかい

さわやか

ザラザラ
シャクシャク

甘い

クリームの味が勝ってる

神戸

ざらざらしている

もったり甘い

ザラザラ
バリバリ

甘い

クリームとせんべいで引き分け

皮の薄甘さが全体を支配する上野、クリームの甘みがギュンと際立つ東京、食感が強いものの味としては全体的にバランスのいい味わいの神戸。

ちゃんと個性はある。あるのだが、やっぱり行き着く感想は「おお、ゴーフル」だ。

もうおもしろいくらい全部ゴーフルなのだった。実際、食べ比べながらちょっと笑ってしまった。

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ゴーフルだなあ

ゴーフルには、そのミニサイズのよく「ゴーフレット」と呼ばれるものがある。今回は各店でそちらも買って比較しようと思ったのだが、よして良かった。

だって、きっとどれも同じように「ゴーフレット」なのだろう。

だれかたすけて

こうなるともう私には「ただただゴーフルだ」としかいえそうにない。今回、風月堂に種類があることを教えてくれた方でもある先輩社員の阿部さんに食べ比べてもらうことにした。

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大好きなゴーフルを前に笑いが止まらなくなってしまった阿部さん。5枚写真を撮ったが全部ぶれていた

阿部さんは食べ比べをして結果をチャートにまとめ、その上できっちり「私の好みは神戸!」ときっちりしたジャッジをしてくれた。

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チャートの感想は私とほぼ同じだが、データをもとに冷静に神戸をナンバーワンと決定したところは、さすが先輩だ。

「昔から食べているのが神戸のだからということもあるかもしれないけど」と、阿部さん。

そういえば、私が子どものころ食べていたゴーフルは東京風月堂のものだった。それだけは今回の食べ比べでなんとなく分かった。

どれが一番美味しいかは決められなかったが、思い出のゴーフルが突き止められたから、いいか。

 

迫り来る違いの微妙さ

私には妹が2人いて、顔も髪型も服の趣味もちょっとづつ違うのだが「声がでかい」「せっかち」というところだけは昔も今も共通している。

ちょっと違うが、根本は同じ。3種のゴーフルも、つまりそういうことだろうか。

そもそも、何か似たものを食べ比べたとき、いつも「でも結局は○○(食べ比べたもの)」なんだよなあ、と思ってしまう私の判断能力の弱さがあぶりだされた結果のような気もしますが、その事実からは心静かに目をそらそうと思います。

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参考写真:古賀3姉妹

 

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