特集 2024年5月1日

チーズ500gを溶かしてつくるシチュー、なんか悪いことしてる気持ちになる

今日はアメリカNo.1の美味い料理(筆者調べ)をご紹介です。そんなに複雑なレシピでもないのですが、コツとしては、不退転の決意で望むことです。覚悟はいいですか。

海外旅行とピクニック、あとビールが好き。なで肩が過ぎるので、サラリーマンのくせに側頭部と肩で受話器をホールドするやつができない。

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強い気持ちで台所に立て

その料理は、Chili Cheese Etouffe(チリ・チーズ・エトフェ)と名付けられている。チーズはわかる。チリもなんとなくわかる。エトフェは、ちょっとよくわかりませんね。

エトフェは、アメリカ南部料理=ケイジャン料理の代表メニューのひとつ。どろりと粘り気のある褐色のソースを、お米と一緒にいただきます

このメニューはとあるレストランの看板商品でありながら、どういうわけか堂々とレシピが公開されている。公式のものかは不明だが、使う食材の指定や分量がやたらと細かいので、部外者が勝手な推量で書いたようなレシピではないのだろう。

 

26種類もの材料がリストアップされており、まともに買いそろえるとコストも手間も相当なものだけど、せっかくつくるのだから、可能な限りレシピ通りに忠実に買いそろえた。

生鮮の部。セロリ、たまねぎ、パプリカ、ねぎ、カットトマト、えび
調味料・スパイスの部。トマトペースト、ウスターソース、チリパウダー、胡椒、タイム、クミン、クローブ、コリアンダーシード
乳製品の部。バター、チェダーチーズ、牛乳、生クリーム

ネタバレになってしまいますが、この不穏な量の乳製品。最終的にはほぼ全量が、鍋に溶かされます。気を確かに持ち、最後まで台所に立ち続けましょう。

勝利をめざして!

 

レシピに記された最初の工程は、バターと小麦粉を炒めること。うまくいけば、美しいゴールデンのルーができるのだという。 

ブロックのバターをがっつり半分強(120g)。普段の生活では1か月分にあたるので早々にびびる
小麦60gを加え、火にかけてかき混ぜる

筆者は家事分担では、台所の担当をしている。日々心血を注いでいるのは、いかに手間をかけずにそれなりにおいしいものが作れるかということだ。したがって、小麦粉を炒めてルーをつくるような丁寧な仕事はしたことがない(どうしてもホワイトソースが必要なときはハインツの缶詰だ)。

何分ほど炒めればよいのか見当もつかないが、そのうちゴールデンになるのだと信じて、弱火にかけた鍋底を掻きつづける。

来れメイラード反応。これはまだ白いな
10分経過。どうだ、君はゴールデンか?
その後も30分ほどしつこく炒めつづける間、金というよりはどんどん赤銅色に近づいていってしまった。止めどきがわからない

鍋からは高貴な、食欲を刺激するいい香りが立ち昇っている。しかし色はいっこうにゴールデンにはならない。というか、最も金色に近かったのは、むしろ炒めはじめ。バターが溶けだした色がいちばん黄金に近かったくらいだ。レシピにあるゴールデンとはあんがい比喩的なもので、黄金比とか黄金律とか、美しさの比喩としてのゴールデンなのかもしれない。

ということでこの赤銅色がおれたちの金ピカ一等賞、金色ということで、いかせてもらいます

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