1) タッチをまねる
ある作品のタッチを習得して、それを別のものにいかした企画である。
デイリーの「っぽさ」の記事でも王道だし、タッチの習得にそれなりに時間がかかるので努力をしてないとはいえない。努力の方向を間違えた企画といえる。
最近の風邪薬のようなきらびやかなパッケージではなく、薬局の奥の方にある薬のパッケージである。効きそう。
食パンっぽさ
食パン「超熟」の自己顕示欲を我がものとする
2016年2月17日公開 ライター:トルー(公開当時の名前は北村真一)
"食パンの袋には自身の名前がこれでもかとたくさん書かれていることに気がついた。この自己顕示の力には見習うべきものがある。"
なぜ食パンのパッケージを見習ってしまったのか。よく見て人の顔があると気づいたときに思わず声がでる。
わたせせいぞうっぽさ
わたせせいぞう風なら法廷画もポップに
2016年3月23日公開 ライター:北村ヂン
"わたせ先生の作品は一発で分かるくらい唯一無二の画風なんですが、それだけに特徴がいっぱいあるので、マネしやすいんじゃないでしょうか!?"
「あのたまらないオシャレ感が全然出ないんですよね……。その辺は、描く人の根本的なオシャレさの差なんでしょうねぇ。」と最後にフォローしていますが!
これが1.8万いいねというとんでもない数字を叩き出した。ベッキーの復帰が遅れたのは北村さんのせいもあるかもしれない。
怪獣図鑑っぽさ
日用雑貨を怪獣図解風に
2016年10月5日公開 ライター:乙幡啓子
"「内部がどうなっているか知りたい」「あれの中って、ウフフ…」という欲求は自然なものである。そして、私も何かの中を怪獣風に図解にして、胸を張りたくなってきた。"
この透視図のすごいところはイラストじゃなくて実際にものを作っているところ。これ写真なんですよ。詳しくは本編を見てほしい。ほんとに。
こうやって応用できるのでやっぱり手に職はつけておいたほうがいい。間違った方向にも使える。
メロスが「やってられるか!」と言って焼き鳥屋で飲み始めるパターンですね。片手に焼き鳥、片手にビールを持って。(ナニワ金融道って飲んでるときに必ず両手に食べ物を持っている)。
この記事、タイトルに入ってないが、ナックルズの表紙のほかに藤子F不二雄、岡田あーみんのタッチも真似しているのでクリックして必見。そして戻ってきて。
探査船のメッセージっぽさ
宇宙人にもSMAP解散を教えてあげたい
2016年9月7日公開 ライター:北村ヂン
"外宇宙にまで到達する探査機には宇宙人へのメッセージが搭載されていたそうです。
言葉も文字も通じない宇宙人向けなので、文字は一切使用しないイメージ図で地球の情報を伝えているのです。その図をマネして余計な情報を宇宙人に伝えたいと思います!?"
これをいま打ち上げる探査機に乗せたとしたら、太陽系の外にいる宇宙人がSMAP解散を知るのは数十年後。宇宙人も困る。
2) それっぽく見える道具を作る
次はそれらしい写真が撮れるように工夫したパターンである。
専用の道具を作ったり、どうにかうまいこと写真を撮ったものだ。老後はデイリーのライターたちで観光地でトリックアート美術館を開きたい。
「太ると再生ボタンがゆがむのでこれ以上太らないように気をつけたい。」と書いたが3キロ太った。
重力っぽさ
縦画面で見るとちょっとふしぎな動画を作る
2016年10月31日公開 ライター:藤原浩一
"撮影方向は横向きだが、被写体の人間は縦画面に合わせて演技しているので、重力が変な方向に働いているように見える、ということだ。"
なんで笑ってるのかと思ったら、「横になって腹筋に力を入れていると、笑ってしまうため、どうやっても楽しそうな動画になる」とのこと。それは藤原だけではないだろうか。
カメラの前に物を置けばこういう写真撮れるじゃん!と考えがちですが、こういうときに問題になるのがピント。その苦労もしっかり書いてあるぞ。
海外っぽさ
日本にいながら海外に行った風写真を撮る
2016年10月27日公開 ライター:與座ひかる
"海外旅行に行くとなると準備が大変だ。お金もたいそうかかる。かっこよさだけかもしたい。
というわけで、近場で「海外に行った風写真」が撮れないかと模索しました。"
ひとつ前の飛行機写真とほぼ同じコンセプト。実際に行ったかどうかではなくてSNSで実現していればいいのだ。デイリーだってネットだし。
凍ってるっぽさ
梅が凍って見える
2016年6月25日公開 ライター:クリハラタカシ
"妻が台所で梅を水に浸けていた。それを見てあっと驚いた。凍って見えるではないかっ!?"
ボウルには水がはってあって、そこに梅が沈んでいる。凍って見えるのは薄い空気の層ができているから。タマゴに煤をつける方法もおもしろそう!
透視っぽさ
体内をネクタイで透視する
2016年10月4日公開 ライター:きだてたく
"内臓のどこが良くないのか、という表現が上手くできない。
「なんとなくお腹のこの辺が重いんですよ」とか、そんな漠然とした表現しかできていないのだ。
これではいけない。良くない部分を明確に言えるメソッドを考えてあげたい。
"
体内のイラストなんだけど、グロテスクの一歩手前でとどまっているネクタイ。ありだ!
レシピは「卵黄1個、アボカド半分、青海苔小さじ1くらい、昆布茶1g、ウニシーズニング0.5g、ナンプラー1g、グリシン0.5g、味の素0.5g、マッシュルームの汁2個分。」
なんだか錬金術っぽいぞ!
スタンプっぽさ
LINEのスタンプを実写化する
2016年4月15日公開 ライター:住正徳
"デジタルネイティブたちの上をいきたいと思い、自らスタンプになる方法を考えてみた。スタンプの実写化だ。"
スタンプの実写化なのかアイコンの実写化なのか。ただの顔芸ではないかという疑惑もある。
3) コスプレでそれっぽく
自らがなにものになった「っぽさ」記事もある。つまりはコスプレだが、え、それを?という対象物であることが特徴だ。
ポケストップっぽさ
「ポケストップ」のコスプレでチヤホヤされたい!
2016年8月2日公開 ライター:北村ヂン
"ポケストップのコスプレ→モテモテ
「わー本物のポケストップ!?すごーい!」
「回していいですか!?」
キャーキャー
…これぐらいチヤホヤされる予定"
ポケモンGOが一段落したいま、ポケストップってなんだっけ?という気にもなりますがライター北村さんは「最後までやる!」と息巻いてます。
40年前の怒ってる人っぽさ
ロッキード事件のピーナッツみこし
2016年8月4日公開 ライター:藤原浩一
"ロッキード事件がおきたとき、怒った市民が抗議のためにピーナッツのおみこしをかついだ。
人は怒るとみこしを作ってしまうのか。実際にピーナッツみこしを作って、当時の人の怒りを追体験してみたい。
"
会社の休憩スペースで3日かけて作ったピーナッツみこし。「糾弾」と書いてあるのでおいそれと話しかけられなかった、と同僚が言ってた。
スカウトっぽさ
スカウトだと思われたい
2016年10月11日公開 ライター:大北栄人
"私は常々子供たちに夢と希望を与えたいと思っていた。スカウトマンのフリをして少年野球を見に行こう。"
スカウトマンに扮して野球を見ていると、野球をしている子どもたちの雰囲気がピリッとした、とのこと。
西村雅彦っぽさ
ガスター10の文字が飛び出す服を作る
2016年11月17日公開 ライター:爲房新太朗
"ガスター10という薬のCMで、西村雅彦がスーツのジャケットを開くと文字が飛び出してくるというものがあった。CMはCGの文字が飛び出していたが、あれ実際に飛び出したら面白いのではないか。"
「これで僕も西村雅彦の仲間入りである。」と書いている。西村雅彦がひとりの人物の名前ではなく一般名称になった瞬間である。
ブタゴリラっぽさ
ブタゴリラの気持ちになる
2016年11月24日公開 ライター:藤原浩一
"「キテレツ大百科」という作品に「ブタゴリラ」というキャラクターがいた。野菜が大好きでつねに野菜のことを考えている、かるく異常な人物である。
そんなブタゴリラの気持ちになってみたい。世界が違って見えるはずだ。"
企画の理由を聞いたところ「パイパイナッポーポテトアッポーパイという便乗商品があったために、それを食べるにはブタゴリラになるしかない」と言われたが、さっぱりわからなかった。
みんな魔女とかゾンビとかで恥ずかしいからもっと地味なのでいいよ、という思いつきではじめたが3年経ってみたらすごく難易度の高いイベントになっていることに気づいた。2017年は渋谷開催である。
錦織圭っぽさ
カメラのレンズにサインしたい
2016年1月28日公開 ライター:爲房新太朗
"テニスの錦織圭選手が試合後に面白いことをやっている。カメラのレンズにサインをしているのだ。これがえらくかっこいい。やりたい。ぜひ自分もやってみたい。"
顔の要素はぜんぜん違うんだけど全体での錦織圭っぽさに関心した。
錦織圭もきっとこういう装置を作ったのだろう。
なにかやらかしたっぽさ
ぶら下がり取材されたい
2016年5月2日公開 ライター:西村まさゆき
"ぼくも数秒だけでもいいから脚光を浴びたい。脚光っていうか、具体的に言うと、ぶら下がり取材を受けたい。"
雅叙園で撮影していたところ、雅叙園の人が金屏風を出してくれたために写真が一気に本物っぽく。立場がある人が協力してくれると冗談もクオリティがあがる。
鯖江市の花火大会ではスポンサーとしてお金を払うとメッセージを出して読んでくれる。5000円、10000円、30,000円、90,000円の4コース
シンゴジラっぽさ
ゴーヤでむりやりシン・ゴジラ
2016年8月11日公開 ライター:ヨシダプロ
"ゴジラの迫力に圧倒された一方、そのゴツゴツした皮膚感から、なんかゴジラが、野菜のゴーヤに見えて仕方がなかった。"
実際にシンゴジラの肌の質感はゴーヤをイメージしたものらしい。ヨシダプロの見立ての正しさよ。
4) ありえないけどわかる「っぽさ」
そんな状況実際に見たことないんだけど、見るとわかるという「っぽさ」である。つまり、まんがやテレビなどフィクションの世界では定番になっているものだ。
ロフトプラスワンとカルチャーカルチャーというトークライブハウスという狭い世界での争いをテーマにしたために、サブカル業界の人が喜んで読んだ記事となった。
こち亀っぽさ
「こち亀」のオチのように部長がウチに乗り込んできた
2016年9月24日公開 ライター:ヨシダプロ
"「こち亀」で印象的なものといえばやはり、あのオチではないだろうか。何かしらバカやった両さんに対して、最後に「両津のバカはどこだ!!」といって、部長がひどく武装した状態で派出所に乗り込んでくるオチである。このオチだと、落ち着く。"
でっかい顔が登場する派手な企画なのだが、こち亀が終わったいまとなっては喪失感あふれる記事となった。
庵野作品っぽさ
庵野作品によく出てくる、プロトンビームが放ちたい
2016年8月4日公開 ライター:小堀友樹
"「風の谷のナウシカ」で巨神兵が口から放つあれです。空を切り裂く一条のひかり。一瞬の沈黙、そして爆発。静と動が入り混じるあの演出、たまらないですよね。"
小堀さんの記事で肝になっているのは塗装のうまさではないか。この記事でもアクリルを塗装、とだけ書いてあるが、まだらになってビームのリアリティを増している。
VRっぽさ
VR体験の練習をしておきたい
2016年6月30日公開 ライター:藤原浩一
"VR体験中の大人が顔面に機械を付けてひょっとこなリアクションをしている写真はおもしろいし、楽しさが伝わってくる。
現時点でぼくにとってVRとは、あのリアクションなのだ。せめてリアクションの部分だけでも練習して、来るべきVR時代に備えたい。"
この記事がきっかけで某VR装置を作っているプロジェクトに呼ばれて実物を体験させてもらった。そして「本物だとリアクション地味ですね」と言われていた。
タイムトラベラーっぽさ
後世で話題になる写真を撮る
2016年1月8日公開 ライター:住正徳
"タイムトラベラーの痕跡と思われる写真を今のうちに撮って残しておきたい。
そのためにはどうしたらいいのか?遠い未来からやって来た人になりきって、現代の風景に混ざればいいのだ。"
未来の人が2016年の東京にいた!という写真を撮ろうという企画である。100年後の人を驚かすという果てしない企画。
たぬきに化かされてる人っぽさ
たぬきに化かされてる人のFacebook
2016年1月19日公開 ライター:林雄司
"もし今たぬきに化かされた人がいたら、ごちそうを食べてる最中に写真をFacebookにあげてしまうだろう。でも化かされてない人から見たらそれは枯れ葉である。その悲劇を考えてみたい。"
たぬきに化かされるというフィクションを現代にもってきた記事。はじめて見る「っぽい」を出している。
奴隷っぽさ
奴隷が回してる謎の棒って何なんだ?
2016年9月28日公開 ライター:藤原浩一
"奴隷が謎の棒を回しているシーンがあるだろう。中央に軸があって、それを4人くらいでグルグル回すのだ。
奴隷は嫌だが、あの棒は回してみたい。"
この記事が掲載された翌月に開催されたデイリーポータルZエキスポでも奴隷の棒を回して奴隷になろうという人気コーナーになった。奴隷体験が大人気、消費社会のどん詰まりである。
これを中国・深センで開催されたメイカーフェアに持っていったところ、中国の人にもなんなく受け入れられていた。UFOにさらわれたら面白いという感覚はグローバルだったのだ。意外!
ほのぼのっぽさ
失敗した集合写真を撮りたい
2016年5月5日公開 ライター:林雄司
"セルフタイマーをセットして戻ろうとしたら転んでしまい、その瞬間にシャッターが降りる。そんなファンタジーと呼べるレベルのほのぼの写真だ。
なかなかそういう機会に恵まれないのでかっちりと演出して撮ってみた。"
完全に作って撮った写真にもかかわらず、みなおしても楽しかったなあという気持ちになる。カラスヤサトシさん、長嶋有さんといった無駄に豪華な出演陣にも注目してもらいたい。
5) 強引だけど納得できる「っぽさ」
最後はぜんぜん違うものの類似性を見つけてきた「っぽさ」である。強引なんだけど、確かにそうだと思わせる力を持っている。
世界を見る目を変えてしまうものだ。
京王線は空母に、クワガタはメタリカにだ。
空母っぽさ
京王線新宿駅は航空母艦になるか
2016年10月15日公開 ライター:クリハラタカシ
"新宿の京王百貨店地下2階で航空母艦を発見した。駅番号KO01、京王線新宿駅のホームだ。"
京王線と航空母艦、ぜんぜん違うものなのにしっくり来るこの不思議さ。京王線のホームがいつかカタパルトになっていても気づかないだろう。
スラッシュメタルっぽさ
メタリカisクワガタ
2016年8月17日公開 ライター:伊藤健史
"かっこいいメタリカを眺めているとクワガタにしか見えなくなってきた。夏の魔法に違いない。"
出オチのような企画だが、メタリカのロゴの変遷に応じてそれに似ているクワガタをチョイスしている。メタリカとクワガタのどちらへも深い愛情を感じる記事。
努力しないための努力はいとわない
以上、本質を無視してうわべだけ取り繕った我々の記事である。
努力をすっとばして達成感だけいいとこ取りするつもりが、結果として頑張ってしまうことがある。
海外旅行に行った写真を撮るために苦労をしたりだ。
LCCで海外行ったほうが安くて早いかもしれない。でも、違うのだ。楽するための努力はいとわないのだ。
なぜならあまのじゃくだから!
来年もよろしくお願いしますだ。