1日で2キロ痩せる
この日はかなり暑くて、わらじ状態だと本当に汗だくになった。
途中でさすがに着替えたい……と思い、出店でTシャツを買うことにした。
1日わらじで過ごした結果、2キロ体重が減っていた。
わらじダイエット成功である。めっちゃ踊ったもんな……。
今後も、痩せたいときはわらじになってもいいかもしれない。
開催されるなら、絶対来年も参加しようと思う。今から、何の妖怪になるのか楽しみだ。
10月1日(土)、2日(日)の2日間、「妖怪盆踊り」というお祭りが開催された。ドレスコードは妖怪!私も化けわらじになってお祭りに行ったのだが、そこで行われた「妖怪コンテスト」で、なんと優勝してしまった。
ある日、一緒に妖怪にならないかと、友人に誘われた。
このお祭り、その名の通り、「妖怪」と「盆踊り」を融合させたお祭りである。ドレスコードがあり、浴衣、もしくは妖怪の姿で行かなければいけないのだ。
盆踊りの他にも、音楽ライブや、DJパフォーマンス、妖怪仮装コンテストなどもあり、他には類を見ないユニークなイベントとなっている。2019年に福生で行われたようだが、今年は立川のGREEN SPRINGSで開催されることになった。
これは行くしかない!!
ということで「化けわらじ」という妖怪に変身することにした。
出来上がったのはこちら。
どのようにして私が妖怪になったか早速説明していこう!!
友人に妖怪図鑑を貸してもらったり、図書館で調べたりして散々迷った。人に聞くと、意外とそれぞれ推しの妖怪がいて面白い。
「化けわらじ」は、100年わらじを放置されて生まれた妖怪である。履き物を大事にしない家に現れるようだ。わらじだけでなく、履き物全般を背負っているところがすごい。ブーツの手入れ怠ってたら化けてでるかもよ。
※本に載っている正式名称は「化け草履(ばけぞうり)」らしいが、今までずっと「化けわらじ」と呼んで来たので、今回は「化けわらじ」の表記で統一する。
かなり大きさがあるので、リビングの机をどかして作業することになり、2週間近く床でご飯を食べる日々が続いた。床で何か食べるのは、引越し初日以来である。
ウレタンというスポンジのような素材は、最初は白いのに、紫外線や空気に触れるとだんだん黄色くなる。それがカステラみたいでおいしそうなのだ。これを作っている間、我慢できずに台湾カステラを買いに行った。
目玉は発泡スチロールでつくることにした。とりあえずパーツを組み合わせてみよう!
完全にお麩の妖怪になってしまった。
パンっぽさもあってちょっと美味しそうだが、全くわらじ感がない。まぁ、まだ鼻緒つけてないのもあるけど……。
とりあえず色を塗ろう。
作業中常にお腹が空いていたからか、どんどんおいしそうになってきている気がしたが気のせいだろうか。
意外と鼻緒をつける位置が重要で、ちょっとずれているとわらじ感がなくなる。何回か付け直して調整した。
ベロを動かせるようにしたかったので、べろの先にテグスをつけて引っ張れるようにした。
内側から引っ張る構造なので、ベロを動かすときは毎回腕を中に引っ込めなければいけない。外側で引っ張る方法にしたかったが、ウレタンの強度的にうまくいかず……。
目とくちびるの間の部分に穴を開け、テグスを通している。
結局当日の朝3時まで作業は続いた。
そんなこんなで完成!!なんとかお祭り当日に間に合った〜!
歩いていると、「どこいくんですか〜?」といって車の中から手をふってくる人がいた。反対の歩道にいる人たちも手をふっていて、一瞬皇族のような気分になったが、自転車の幼児用座席に乗っている子どもが「こわい〜!」と泣きながら通り過ぎていくのを見た時、自分が妖怪であることを思い出した。
お祭り会場についた途端、
「一緒に写真撮っていいですか?」
と言われた。
一度写真を撮ると、じゃあ私も!という感じでどんどん増えていき、最終的には写真を撮るための列が出来ていた。
写真を撮る人が途切れない私を見て、友人が「郷ひろみ状態じゃん!」と言った。全然ピンと来なかったが、まあそうなのだろうな、とも思った。私が郷ひろみ状態なのであれば、郷ひろみをわらじ状態と言ってもいいのだろうか。
この日はかなりいい天気で、気温が30度ぐらいあった。
信じられないくらい汗だくだったが、ここでわらじを脱いだら子どもの夢を壊すのではないか……という思いがあり、1日着続ける決意を固めた。
喉が乾いたのでとりあえずビールを買おう!
「どうやって飲むんだろう?」と言ってビールを持つ私を遠巻きに見ている人の視線をヒシヒシと感じていた。
どうしよう。……よし!
こうして、わらじのままビール飲む方法を編み出した。今後腕が引っ込んでいる時は、何か飲み食いしていると思って欲しい。
12時になると、今日の目玉イベント、妖怪仮装コンテストの一次予選がはじまった。HPでこのコンテストを知ってから、絶対出たい!と思っていたのだ。
でも本戦に出られるのはたったの20組である。
審査の人にシールを貼られたら一次審査通過とのこと。審査員の人が近くに通るたび、飛び跳ねたり、ベロを動かしたりして猛アピールした。
なんと、一次審査通過!!やったー!!
本戦は、やぐらの上でアピールタイムという時間があるらしい。
審査員の人に、「なりきって頑張ってくださいね」と言われた。
よし、100年放置されたわらじの気持ちになって頑張るぞ!!
渡されたシールに書かれている順番で本戦を行うとのこと。私は8番目だ……!!
「名前はなんですか?」「どこから来たんですか?」と司会の人が妖怪に聞いている。
インタビュー形式だ!
豆腐小僧さんは、「夏はひややっこ、冬は湯豆腐がおすすめです」と言っていた。
そういうキャラに即したコメントも大事かも……!!
わらじに即したコメントを考えるも、「ウケる〜!(藁)」しか思いつかないまま順番がやってきた。
なりきってねと言われていたのに、司会の人に
「これ自分で作ったんですか?」と言われた。
かなり現実的なこと聞くじゃん……と思いつつ、
「わらじを100年放置したら自然に誕生します!」
と言ってなんとかキャラを守った。
司会の人の腕をべろんと舐めたり、わいわいしている間にアピールタイムは終了。ちなみに「ウケる〜!(藁)」と言うタイミングはなかった。
わらじの姿だと一切緊張しないのが不思議。大事な会議は、出来ればこの状態で挑みたい。
結果発表の時が来てドキドキしながらやぐらの前に集まった。
「優勝は……、8番!わらじ!!!」
審査員の人は、「ステージ上で、最後までなりきっていたのが決め手になった」とのこと。目は発砲スチロールですとか言わないで良かった〜!!
優勝したことで、この後さらに郷ひろみ状態(沢山写真を撮られる)となったのであった。
写真を撮り続けていると、そういうパフォーマンスの人と思われたのか、何人かお金をくれる人がいた。お金は取ってないので、お返ししたが、生まれてはじめて投げ銭をもらった瞬間である。
こうして夜がふけるまで踊り続けたのだった。また来年も妖怪になって踊りたいな〜!
この日はかなり暑くて、わらじ状態だと本当に汗だくになった。
途中でさすがに着替えたい……と思い、出店でTシャツを買うことにした。
1日わらじで過ごした結果、2キロ体重が減っていた。
わらじダイエット成功である。めっちゃ踊ったもんな……。
今後も、痩せたいときはわらじになってもいいかもしれない。
開催されるなら、絶対来年も参加しようと思う。今から、何の妖怪になるのか楽しみだ。
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