特集 2021年10月20日

特定班出動!「無い地図」が示す場所を探せ

地図は古代からあるコミュニケーション手段のひとつだという。地形や、食料が取れる場所、歴史、まちの役割や暮らしぶりなど、土地にまつわる様々な情報を誰かが記し、誰かが読み解くことで、その土地の存在は受け継がれてきた。

それってつまり、見たことがない地図も読み解くことができれば、そういう場所があるのだという証になるのではないだろうか。

まちを歩くのと建物が好きで不動産会社に入りました。
休日は山を登り川を渡り海で石を拾います。

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「無い地図」が指し示す場所を知りたい

「詳細は伏せるがとにかく地図を一緒に眺めてほしい」という怪しげな誘いに二つ返事で集まってくださったのが、以下の地図マニア3名だ。

今和泉隆行さん:自ら架空の都市「中村市」の地図を描き、しかも現在進行系でアップデートを続けている(空想都市へ行こう!)。 好きな地図は建物用途や町丁目をビビッドに色分けしている昭文社の都市地図

三土たつおさん:街角で目にするいろいろなものを鑑賞する。好きな地図は地理院地図の自分で作る色別標高図。最近自動色分けができて更に最高とのこと。

西村まさゆきさん:土地の境目や路線図がとてもきになる。Google Mapで極地にある集落をさがすのが好き。スヴァールバル諸島とか。

 

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デイリーポータルZ編集部から石川さんと、最後に筆者の合計5名でお送りします!

事前に石川さんから、「このメンバーはきっと時間があるだけ無限に語りますよ」と言われていたので、アイスブレイクもそこそこに、さっそく地図を見てもらうことにした。

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それがこちら。少し古い航空地図のようにも見えるが……

おっ?とはてなマークを浮かべる一同。

そして西村さんが「これは地図…ではないですね?!」と切り込んだ。

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ウッ!バレるのが早すぎて笑っちゃった。石川さん「せっかく3ykさんが用意した地図になんてケチつけるんですか!」西村さん「いや、ケチじゃなくって、だってそう見えちゃったんですよ!」

そう、実はこれは街なかで見かけたあるものを使って作った、現実には「無い地図」なのだ。

地図マニアのみなさんに「無い地図」を見てもらったら、どこかの世界に辿りつけるのではないか…という魂胆だったのだが、いざ蓋を開けばこれがもうタイムワープありパラレルワールドありの大冒険。いざ「無い地図」の指す地へ、旅の始まりだ!

一枚目:武蔵野の原生林というパラレルワールド

まずは地図を見て気になった点をあげてもらった。

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西村:線だけ見ると城下町っぽい雰囲気がありますね。

石川:敵から攻められにくくしているってことですか。

西村:十字路をあえて作らなかったり、メインの太い道を折れ曲げるのは城下町の道によくありますね。

今和泉:私としては1970年代の住宅地の道説も推したいですね。どことなく武蔵野の雰囲気があるんですよ。

三土:あっ、この画面を横切って線路を敷いたら、まさに吉祥寺ですね!

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本当だ!!!並べて見ると本当に道の並び方が似ていて、頭の後ろらへんがゾワッとした。(右は地理院タイルを加工)

今和泉:これで駅の周りが畑だったらなあ…どちらかというと雑木林のように見えますね。

3yk:どうしてそう思ったんですか?

今和泉:写真の質感と、あと武蔵野の農地だったらもっと細かく短冊形に区分けされているはずなんですよ。

現在の吉祥寺駅前がバスがすれ違うのもやっとな狭さ、道路を整備する前に畑がびっちりと住宅街になってしまったからなんだとか。(「今昔マップon the web」より作成)

今和泉:なので田畑に開発されず原生林そのままだった土地が、1970年代に宅地化したのだと思いました。

「無い地図①」が指す場所

江戸時代に新田開発が行われないまま1970年代にまで時代が進み、ようやく原生林を開拓して住宅地となったもうひとつの吉祥寺

うわー、なんて地味なパラレルワールドのしっぽを掴んでしまったんだ。この地味さがかえってリアルだ。

すごい、すごいですよこれはと興奮する筆者に、西村さんが尋ねた。

「で、これは何だったんですか?」

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そうそう、これは地図じゃないのだ。あまりの考察の深さに忘れていた。
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加工操作を巻き戻して
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ちょっと引いて、もうおわかりでしょうか
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そう、ガス給湯器のボロボロになったラベルでした!

三土:よく見つけましたね、こんなところに地図があるなんて!

西村:こう見ると、シールが劣化してヒビが入るのと、道のでき方はなんだか似ているような気もしてきますね。

3yk:最初に一本、ピシッと太くひび割れて、そこから細い道ができるように見えますね。

道の成り立ちを想像しよう

地図っぽいな〜ぐらいにしか見えていなかった「無い地図」には、想像するよりずっと多くの情報が隠れているようだ。

地図マニアたちはどうやって地図を読むのか。聞いてみると最初の手がかりは、道の成り立ちを想像することにあった。

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例えばここ、川を一本挟んで隣同士の神奈川県平塚市と茅ヶ崎市。平塚市はどの区画も直線的なのに対し、茅ヶ崎市はグネグネとした曲線の道ばかりで雑然としている。(「今昔マップon the web」より作成)

3yk:うわ、これはすごいですね。茅ヶ崎市はなんでこんなにぐちゃぐちゃなんでしょう。

今和泉:道が生まれる過程としては自然ですよ。空から見てまっすぐ引けば合理的だなんて、最初はだれも考えていないんですから。歩いてて楽なところが道になるだけなので。

今和泉:でこぼこして草もぼうぼうに生い茂る原っぱを歩くことを想像してみてください。でこぼこなところは避けて、平らなところを歩いて、土が踏みしめられて草が生えなくなって、みんながこれは道だと認識して、道を避けて脇に小屋が立って。

3yk:そうやって集落が出来上がっていくんだ。

今和泉:そうです。だから大抵道はまっすぐにはなりません。それだとまずいぞとなったときに、戦略的・合理的な道を敷き直すんですね。

もとは耕作地だった両市。平塚市は工場ができてから急速に整備されていくが、一方茅ヶ崎市は地形に沿った古い区画が現代まで残っていることがわかる。(「今昔マップon the web」より作成)

古くには例えばお城ができて城下町になったり、田畑の開発や車社会の発達、川の流れが変わったとか、震災や空襲があったとか、道が変わり街が変わるタイミングはたくさんある。そして新しく整備された道には道をつくった人たちの意志が宿る。だから道を見ればどのタイミングで、どんな意図を持って街がつくられたのか想像することができるのだ。

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二枚目:東京都墨田区ツリーハウス村

さて、地図の奥深さに少し触れたところで二枚目に行こう。蔵から発掘されたような、古めかしさを感じる一枚だ。

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墨で書いたような線とにじみが雰囲気ある。

さっきより現実にありそうな地図ですよと今和泉さん。集まったコメントは以下の通り。

 

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3yk:三角に区切られた土地ってあまり馴染みがないように思いますが、よくあるものなんですか?

西村:四角い建物を建てるのに三角の土地だと無駄が多いので、日本には無さそうですね。あるとしたらヨーロッパの古い都市かな。

3yk:なぜヨーロッパなんでしょう。

三土:効率性を求める前の古い道の街が、現代もそのまま残っていることが多いんですよ。地図の右下にあるような、丸い城壁に囲まれてつくられた街。

西村:大体街の真ん中に広場や教会があったりするんですよね。

 

今和泉:日本でいうと墨田区にあるかもしれないですね。

三土:あ〜墨田区!ここも古い街がそのまま残っていますね。

今和泉:三角っぽいのと、道路のグネグネ具合を考えると住所的には墨田区京島・八広のあたりです。

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京島を調べるとすぐに三角形の土地が見つかった。(地理院タイルより作成)

(「今昔マップon the web」より作成)

現東武亀戸線の南西側にある、向島・業平地域は明治に入ってすぐに工場地帯へと整備され、関東大震災、そして空襲と何度も焼け野原になっては区画が整備されていった。一方、明治時代もしばらく農地のままだった京島・八広は大震災後に急速に住宅地化し、空襲時には延焼を回避。今でも100年前の道が残っている珍しい地域なのだそうだ。

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三土さん「黒い点のポツポツも気になりますね。」

今和泉:屋敷森ですかね?

3yk:屋敷森ってなんですか?

西村:昔のお屋敷だと、それぞれの屋敷の敷地に木が植わってるんですよ。

今和泉:この描かれ方だと、めちゃくちゃでかい大木が、敷地のど真ん中にあることになってしまいますね。

西村:家はどこに建てたんだろう…。

石川:みんなツリーハウスだったのかもしれませんよ。

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西村さん「びっくりドンキー村だ!」

「無い地図②」が指す場所

東京都墨田区京島・八広のツリーハウス群「びっくりドンキー村」

二枚目にして、はちゃめちゃなことになってきだぞ。説明がつかない部分がある「無い地図」だからこその、リアルとファンタジーとの行き来がおもしろい。

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びっくりドンキー村はこちらの看板の、
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太陽のひび割れに隠れていました

 

三枚目:ヨーロッパの旧市街が現代に発展すると…?

三枚目は蜘蛛の巣のようなひび割れが特徴の一枚。

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「キ」の存在感もさることながら、今までのひび割れと趣が異なるぞと、画面中央の円を中心とした道の広がりに注目が集まった。

西村:僕ね、こことよく似たところに行ったことがありますよ。ドイツのアーヘンっていうところ。

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Open Street Map より)
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主要な道路をなぞってみるとこの通り。中央から同心円状に道が拡張されていく様子がそっくりだ。こういった街はヨーロッパ各所で見られるそうだが、なぜこんなかたちなのだろう。(Open Street Map より作成)

今和泉:元々は円の中心に教会があったのでしょうね。教会があって広場があって、それを取り囲むように街が出来た。

近代以降、車が普及するにつれて、古い街の細い道のままでは不便だねと思い至るところまでは日本も同じ。しかし古い建物を建て替えることの多い日本と異なり、ヨーロッパでは石造りの古い街は壊さず保存されるのだそうだ。その結果、元々の街のその周りへと、新しい街が広がっていく。

西村:それで街の外側に太く合理的な円の道ができるんですね。

今和泉:その点アメリカは、最初から車とともに発展してきたから元々全体の道ががまっすぐになりがちですね。

3yk:地域によっても道の特徴が違うんですね。

「無い地図③」が示す場所

時代と共生するヨーロッパの都市

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気になる「キ」は西荻窪の児童館のメルヘンな看板から。絵柄とひび割れの関係は無いんだろうけれど、なんか納得してしまうね

 

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四枚目:発見、水路の街  

四枚目はどことなく禍々しい雰囲気のあるこちら。 

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今和泉さん「おっこれは地図じゃん」そうですか?!

西村:太い線は川ですかねえ。

三土:わあ、これはありそう、なんだろう。昔の白黒の衛星写真みたいですね。

西村:福岡県と佐賀県の間の大川のあたりじゃないですか。

今和泉:あっ、つまり、描かれている線全て水路ってことですか?

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今和泉さんの理解の速さに、思わず息を飲む石川さんと筆者。なんでそんなスピードで話が合うのよ。

今度は道は道でも水の通り道である。佐賀市や大川市付近の古い航空写真がよりイメージに近いということで、見つけたのがこちら。

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1948年に撮影された大川市の航空写真。この線が全部水路ってすごいでしょう。今でも水路は現役なのだそうだ。(国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」より作成)

石川:おおお

3yk:ほほ、これはすごい、そっくりだ…!

西村:こうなってくると海外でも見つけたいですね。

三土:中国の長江の河口あたりとかどうですか。

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open street map より作成)

そう言って三土さんが挙げたのは、中国蘇州市の東側。蘇州市都市部に張り巡らされた水路はなんと2500年もの歴史を持つそうだ。

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問題の画像を上下左右反転させてみた。蘇州市の水路の不規則な雰囲気が、大川の水路よりもさらに似ているかもしれない。そうか、君は蘇州市の鏡の国だったのか。

「無い地図④」が指す場所

街全体に水路が引かれた、中国蘇州市の鏡の国

じゃあ次に…と進めようとするも、バッキバキのオートバイ進入禁止に全員目を奪われてしまったのでもう少し続きます。

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本来はグレー地に白抜きされていた文字が、劣化で完全に同化している

西村:オートバイ進入禁止、それぞれの字が作られた住宅地だったら面白いですね。

今和泉:衛星写真で撮って初めて文字型だと発覚して話題になるやつだ。

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こんな街絶対に着陸したくないぞ

今和泉:道の細かさ曲線さからいうと禁止の部分が昔からある集落ですね。他の文字の集落は後から作られたんでしょうか。

三土:北の線の境目のところ、ニュータウンが急に終わって田畑になるところみたいにも見えますね。

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筆者が以前訪れたニュータウンゆめみ野も同じように、ある道を境に田んぼと住宅地にきれいに分かれていた

五枚目:幻の運河開通計画

さて、五枚目は、グーグルマップをぐーんとズームアウトしたような地図だ。

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西村:あっこれは海岸線ですね、上下にリアス式海岸がある

三土:青森県の北部の陸奥湾のところに似てますね

今和泉:夏泊半島ですか!

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右のとがっているのが夏泊半島(国土地理院タイルより)

三土:陸奥湾の下には十和田湖っぽいものもありますねえ

西村:あ〜これはいい、海と湖で地峡になっているのがいいですよ、あのくびれているところ。

西村:なんか運河のような線もありますよね。

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今和泉:というか、これは今まさに運河を建設しているところではないですか?!

今和泉:西側が元々の川で、東側の南から伸びる線が人工の運河ですね

三土:でもなぜか、海岸にたどり着く前で工事が止まっているという。

3yk:もうあとちょっとなのに…何があったんだろう…!

無い地図⑤が指し示す場所

青森県北部に似ていて、海と湖に挟まれた水資源が豊かな場所。運河が完成間近で時が止まってしまった。

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作りかけの運河は、
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郵便ポストに隠れていました

六枚目:幻の群馬新都市計画

続いて、こちらも想像が膨らみそうな一枚だ。

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西村さん「NTTの都市ですか?」

3yk:この電話と、電話を挟む南北の色が濃いところを何に見立てられるかなと思いまして。

西村;南北はすごく地形図らしいですね、湿原…釧路湿原に似ているかも…

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中央が釧路湿原。木の根のような端部が、電話の持ち手南側に見えるグレーの箇所に似ている。(国土地理院タイルより )

三土:池とか湖らしさもありますね。

今和泉:この電話のかたち…ブラジリア説を提唱してもいいですか?

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1955年の遷都宣言から5年の月日をかけて作り上げた新都市ブラジリア。画面中央、飛行機のような形の区画のまさにコクピット部分には、国会議事堂・最高裁判所・大統領府がそびえる。(open street mapより ​​)

3yk:つまり、電話の部分が都市なんですね。

今和泉:はい、湖に挟まれた都市の計画段階、青写真ではないかと思います。

石川:かっこいい……

今和泉:きっと電話の両端に二大民族がいて。

三土:前橋と高崎だ!

3yk:?

今和泉:持ち手のところに両民族を束ねる政治の中枢機能があるんですよ。

西村:そうだ!群馬県庁は持ち手につくるべきだったんだ!

3yk:三土さん西村さん、さっきからどういうことですか……!

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こういうことか?!

反転した電話とJR在来線の線路の形がしっくり来すぎて笑ってしまった。もしかしたら新都市計画がそのうち発表されるかもしれないぞ…!

無い地図⑥が示す場所

群馬県高崎市と前橋市をつなぐ新都市計画。NTTが黒幕か…

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そんな幻の群馬計画は、とある電話ボックスのなかに。

「無い地図」会の盛り上がりは最高潮を迎え、とうとう読み解くだけでなく物語までもが生まれ始めた。

作りかけの運河に、二大民族の未来都市計画。大きな物語が街の片隅で息を潜め、時が来るのを待っているのだ。

七枚目:道の始まりに思いを馳せる

最後は地図に見えそうで見えない、でもなんだか地図に通ずる何かを感じるという難しい一枚だ。

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文字と文字をうっすらと繋ぐ、白く細い道が見えるだろうか。

西村:…これは逆に、「なぜこれは地図に見えないのか」を考えるべきですね。線が少ないからかなあ。

3yk:あと、線同士が交わらないからですかね。

石川:「地」とか「5」とか、文字のインパクトに引っ張られるんじゃないですか?

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ちなみにこの地図はひび割れし始めたばかりの駐車場の看板から作成

三土:あ、わかった、こういうの、野良道とかけもの道にありますね。大学の敷地をショートカットするときに、学生たちが勝手に渡って歩く道だ。

一同:ああ〜!

三土:最短距離になるように、端から端に。「地」型の講堂だったら、廊下を通るより、一旦外に出たほうが近いってんで、道ができる。

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教壇の裏や中途半端な位置に扉がある教室、たまにあったよね。やたら早く陣取っていた人達はショートカットしていたのかもしれない。

西村:一度知ったら絶対遠回りしたくないですね。

三土:けものじゃなくて、人間が芝生を踏みしめてできた道なんだ。

3yk:そう考えると、道の誕生の、本当に最初期の状態ですね。

今和泉:ひび割れの発生と道のはじまりはやっぱり似ているのかも知れないですね。

3yk:思いもしなかったロマンがあるな〜!

無い地図⑦が示す場所

大学生が見つけた、講堂を巡る最短ルート

 

街中に潜むパラレルワールドへの入り口

はじめは「無い地図」の、地図っぽさをぼんやりと愛でるぐらいのつもりだったのだ。それがここまで解像度が高まることになろうとは。

地図マニアの考察によって画面上から世界が立ち上がっていく様は、ちょっと今まで経験がない感覚だった。

道端で「無い地図」を見つける目があれば、「無い地図」を「ある地図」に読み解く目もある。まだまだ世界は拡張し続けている。

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