たぬきうどんが好きだ。あー、言っちゃった。と恥じるくらい、この嗜好は堂々と言えるようなものではないと思う。何てったって、関東の場合、具が「天ぷら揚げたときのカス」だ。要は小麦粉揚げだ。なので安い。
でも小さいころから、店からうどんをとるときも、お店に行って食べるときも、必ず「たぬきうどん」だった。いまだに駅ソバ屋でも「たぬきうどん」のボタンに自然と指が行く。もう一生食べるんだろう。
ただ、外で食べるたびいつも歯噛みするのは「最後まであの揚げ玉がすくえない!」ということだろう。同意してくださる方も多いと思う。
今回はそのモヤモヤを解消するべく、アタッチメントを考えてみた。「たぬきうどんの汁に残ったふやふやの揚げ玉すくい」のプロトタイプ誕生である。
(乙幡 啓子)
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