国道8号はメルヘン街道
富山市から国道8号をレンタカーで走りメルヘンの街である小矢部市を目指す。
メルヘンで町おこしをしているとは知ってはいるが、見ると聞くとでは大違いとはよくあること。一体どのくらいメルヘンなんだ、と初めてのディズニーランドに胸弾ませる乙女のように、ドキドキしながらアクセルを踏んだ。
晴れわたる空の下を走る車が小矢部市に入ったとたんに、メルヘンな建築物が視界に入った。いきなりのメルヘンなお出迎えだ。陽の光をキラキラと反射する田んぼの中にポツンとそのメルヘン建築はあった。
手前の建物が荒川公民館で、奥に見えるのが荒川保育所。
ヨーロッパにはメルヘン街道なる物が存在するが、国道8号もメルヘン街道と呼んでもいいのかもしれない。ちなみに、手前の空き地はゲートボール場だ。このギャップがメルヘン建築の注目度をアップしている。
ギャップと言うのは大切で、メルヘンばかりのところにメルヘンな物があってもあまりメルヘンは目立たない。しかし、田んぼや空き地しか無いような場所にメルヘンがあると明らかに不自然なわけで、メルヘンがより目立つわけだ。
男である僕が女子トイレに入ると注目を集めると思うが、それと全く同じだ。否応なしにメルヘンに目が行くシステムとなっている。
グッズも充実
想像以上のメルヘンで個人的にエレクトリカルパレードでうねり歩きたい程の喜びだけれど、そんな電飾は持ってきていないので、とりあえず市役所を訪れることにした。
先のようなメルヘン建築は実は一ヶ所に集中してあるのではなく、小矢部市のあちこちに点在しているので、情報収集しようというわけだ。
休日だったために市役所はガランとしていた。そんなガランとしたところに小矢部市グッズが売られていた。グッズを見てみるとやはりメルヘン押しだ。小矢部市がメルヘンの街なのだと再認識することができた。
小矢部市は、源平の戦に名高い「火牛の計」を策した場所でもある。「火牛の計」とは牛の角に松明をくくり付け、平家十万の大群を破ったものだ。
牛に松明をくくり付けるという辺りでもう全然メルヘンとは程遠いが、それをメルヘンと組み合わせたのが「メルギュー」というキャラクターだ。松明がくくり付けられた牛でもメルヘンになるのだ。
道の駅でメルヘンを体験
道の駅の名前も「メルヘンおやべ」と小矢部市がメルヘンであることが分かる。もちろん名前だけではなく、訪れてみるとそこはメルヘンで溢れていた。なんとなく「オスカ~ル」と言いたくなるメルヘンだ。
足湯があるのだけれど、そこにお花が浮かべられているのだ。これをメルヘンと言わず何と言う。少女マンガでは憧れの先輩などの後ろにお花が咲くがそんな感じだ。僕の足にお花が咲いたみたいでメルヘンだ。
僕の足が毛むくじゃらでお花とはアンバランスな感じがする。しかし、ずっと見ていると僕のスネ毛ですらメルヘンに見えてくる気がするから不思議だ。
今までの人生で自分のスネ毛をメルヘンと思ったことはないが、ここではメルヘンだ。スネ毛が妖精のように思える。
メルヘンな昼食
施設内に入ると、全部で35あるメルヘン建築の写真や、メルギューの人形、源氏火牛まつりで使われる火牛などが飾られていた。同じ火牛でもメルヘンな火牛とそうでない火牛の対比が面白い。
朝食がまだだったので、道の駅にある食堂でご飯を食べることにした。さずがにここにはメルヘンは無いだろうと勝手に思い込んでいたら、メルヘンの文字が券売機に躍っていた。何もかもがメルヘンな街だ。