デイリー棒タルZ 2020年10月7日

登山で見かける棒たち

この棒の橋を君は渡れるか。

山には様々な棒がある。しかし山にしかない棒なので、山に登らない人は見たことがないだろう。時として登山者は棒に助けられ、棒に安堵し、それらの棒に命をあずけるのだ。

そんな棒たちを見ていただきたい。

あばよ涙、よろしく勇気、こんにちは松本です。

1976年千葉県鴨川市(内浦)生まれ。システムエンジニアなどやってましたが、2010年にライター兼アプリ作家として自由業化。iPhoneアプリはDIY GPS、速攻乗換案内、立体録音部、Here.info、雨かしら?などを開発しました。著書は「チェーン店B級グルメ メニュー別ガチンコ食べ比べ」「30日間マクドナルド生活」の2冊。買ってくだされ。(動画インタビュー)

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山でよく見る標識としての棒

まずは最もポピュラーな棒は、現在地を示す標識の棒。山頂や峠によく立てられています。

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鳳凰三山の薬師岳に立っている棒。向こうに見えるのは南アルプス(北岳)。
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映画にもなってたりして有名な大菩薩峠の棒と看板。
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峠からちょっと歩いた所にある大菩薩嶺の棒と三角点の石碑。日本百名山だけど、ピーク自体は眺望も無く地味。
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谷川岳の太くて立派な棒。
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奥秩父の笠取山の棒。山梨百名山の一つ。

山梨県の山に立っている棒は地味で、個人的は好ましく思っています。例えば東京、埼玉、山梨の県境にある雲取山の山頂はこうなっています。

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立派な石の棒が立っている。個人的には立派すぎて好きではない。

 裏側を見ると、

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東京都と埼玉県の連名。

あれ?山梨は?

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100m離れた南側にひっそりと立っている山梨の棒。好ましい。

さらに地味になるとこういう棒になります。

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棒っていうか、生えてる木。山名板は有志が作ったものだと思う。

有志作成の山名板は、マイナーだけど熱心なファンがいるルートに行くと見られます。 奥多摩だと長沢背稜方面とか。

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奥多摩のタワ尾根のウトウの頭(うとうのあたま)。
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同じくタワ尾根の金袋山(きんたいさん)。

最終的には地面に置かれます。

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棒も無くなる。

また、山ではないけど、登山でよく行く駅前にすごい棒が立っています。

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西武池袋線の高麗駅。このへんは1300年くらい前に高句麗から移住してきた人がたくさんいたそうで、朝鮮な雰囲気があります。

それから、これも一応現在地を表す棒でしょうか。

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書き方と色!と思わずにはいられない怖さ。

通せん棒と目印の棒

分岐やピークなど、人が集まる現在地を示す棒もあれば、こっちに来るなという棒もあります。僕は勝手に『通せん棒』と呼んでます。

道を塞ぐように丸太などが渡されています。

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迷いこみやすい場所には通せん棒があったり無かったりする。
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トラロープと通せん棒の併用パターン。よほどここで迷った人がいたのでしょう。
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これも一応通せん棒とロープの併用かな。
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植生保護で入ってほしくない場所への通せん棒。無視して入ったりしないように。
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木ではなく人工物な通せん棒もある。
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よく管理されている山域では通せん棒というか、柵になる。
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錆びてると怖みが増す。

一方で、道を示すための棒もあります。

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吹雪で薄暗いけど、雪山でルートを示す竹の棒。見失うと死ぬ。
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こういう標識は、結構な山奥でも整備されてたりする。
いったん広告です

 橋というか、棒

山の橋は街の橋とはちょっと趣が違います。時には、棒です。

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一般的な山の橋。沢に掛かってたりする。
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当たり前だけど、手すりとかは無い。
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崩れた尾根に掛けられた橋。右に落ちると死ぬ。手すりは左にロープが掛かっている。
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落ちても死なない橋だけど、苔と濡れで超滑る。
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これは右に落ちると死ぬし濡れてる橋。
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台風一過の増水で、やっぱ落ちたら死ぬ橋(歩くとガタガタ動く)。

落ちたら死ぬ橋ばっかですが、そうなんです、山でミスると死にます。

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水より怖いのは氷とか雪が乗った橋。

これも滑って落ちたら死にます。

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写真だとわからないかも知れないけど、谷側に傾いているのでスリルがある。

これでも橋として渡れるだけマシです。 

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橋っていうか、棒。

この棒ですが、リアル一休さんでした。 

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マジの『このはし渡るべからず』。橋の上ではなく崖側の斜面を通った。

橋は山岳関係者とかレンジャーとか、様々な人が整備してくれたものですが、山奥のマイナーなルートでは朽ちていきます。 

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諸行無常。橋も朽ちる。
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サメの歯みたいに新陳代謝していくが、これも誰かの仕事の成果だ。

山の整備、ありがとうございます。 

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朽ちかけの橋でも、崩れた道よりは安心して歩ける。ここを歩くコツは、『注意してゆっくり歩く』または『帰る』。

厳密には橋ではなくて沢に落ちてた丸太だけど、そういうのを渡るときもあります。 

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この棒は落ちても死なないやつなので気楽に渡れる。

落ちても死なないにしても、落ちたくない棒みたいな橋もあります。 

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橋っていうか倒木の上を勝手に人間が渡ってるだけ。下の沢まで3mくらいあって怖い。

これも橋だろうか。 

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どう見てもガードレール。

あと、僕が一度だけ山で道に迷ったときに『あ、今道に迷ってる!』って気づいた時の橋。 

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これを見て気づいたよね。遭難寸前!って。

僕らは普段、こういう橋を渡って山を歩いています。 

おまけの、色んな棒

棒っていうか橋の話になってしまったので最後に色んな棒をガガッと紹介させていただきます。

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山に落ちてた、なんらかの骨。たぶん鹿…だよね?
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巨大な棒状の霜柱。
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石を支えてるふうなつっかえ棒。
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棒とか言うと怒られそうな、甲斐駒ヶ岳の剣。
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甲斐駒ヶ岳には剣が刺さってる岩が複数ある(これは写真中央の岩)。
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自撮り棒も役に立つ。(右は50mくらいの崖)
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棒ラーメン。
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棒みたいな階段の下は空中。こういう所を歩くコツは、『下を見ない』。

以上、山で見かける色んな棒でした。これらの棒を見るために山に登る際は遭難にご注意ください。


山の橋をずっと撮ってた

山で橋を見かけるといちいち写真を撮っていました。15年間、どこに発表するでもなく撮っていたのですが、半ば無理やりコレクションのほんの一部を紹介できてよかったです。

まだまだあるんですけどね、山の橋の写真。だいたい落ちたら死ぬんですけど。

2020年10月7日 18周年とくべつ企画「デイリー棒タルZ」
 
ありがとう18周年! この記念すべき日、ライター総勢18名が棒にまつわる記事を書きました。議論紛糾の企画会議のすえ決まったテーマで、どうしてこうなったのかもはや誰も覚えていません。なぜという気持ちをどうか押さえて楽しみください。
 
11時~19時半まで30分おきに公開します。
 

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