デイリー棒タルZ 2020年10月7日

「ランチやってます」があればランチやってるように見えるか

ランチの棒でどこまで自分を騙せるだろう

「ランチやってます」ののぼりを見ると「お、ランチやってるのか」と思う。

昼はのぼりに導かれるように店に入り、午後2時だと今度来ようと考える。なぜ僕はなんの疑いもなく受け入れているんだろう。ランチやってます、と嘘をつかれたことがないからだ。

そんな「ランチやってます」への純粋なを気持ちを利用してみたい。「ランチやってます」があればランチやってるように見えるだろうか。

1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと世田谷区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

前の記事:林きたに林がきた(デジタルリマスター版)

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公園はランチやってる

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この棒が
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こうなるだけで景色が一変する。

どこかにキッチンカーでも来ているのだろうか。タイカレーだといいな。そこまで考えてしまう「ランチやってます」の力。

でもランチはやってないのだ。

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自分で立てたから

だが、公園はランチやってるように見えるのだ。

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これはやってる

奥を左に曲がると森のレストランみたいな店がある。きっときのこが入ったシチューを出す店だ。ボトルに入った水をテーブルに置いていく。テラス席に案内してほしい。

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ん?ちょっと不安になった

角を曲がってみたが森のレストランがない。いや、敷地が広いのかもしれない。庭園レストランと呼ばれるような店だろうか。そうそう、いろり山賊もこんなだったよ。

とりあえず前のおじさんについていけばなんとかなるだろう。

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しまった!ランチやってない

ここまで来て、ランチやってないことがはっきりした。公園がランチやってるように見えるときは中が見えない期待感があるときだけである。

低い植え込みが森の動物たちの椅子っぽいなとファンシーなことを考えて撮ったがランチやってるようには見えなかった。

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もう帰れない

ここまで来るとランチ云々ではなく、廃墟だ。
かつてここにレストランがあり、ここで交わされた人々の語らう声が聞こえるようだ。
奥の樹はかつてシェフでした。

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隠れ家レストラン

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東京カレンダーに出てくる店に見えてほしい

ランチやってるようには…見えない。隠れ家過ぎた。パリッコさんが飲みに行くような店に見えることを期待したいのだが、やはりドアが締まっているのがまずかったか。

「防災倉庫」という店名は意外にあると思う。ゴールデン街の2階とかで昼は別の店主がカレーを出してたりするのだ。

商業施設との相性の良さ

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馴染みすぎている

これはもう100%ランチやってる。どの店でやっているのか分からないが、このビルに入っている店全部でやっているのかもしれない。ランチ。

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やってるねランチ

奥に見えるどこかの店でやっているか、写真にはうつってないが手前の店でランチをやっているのだろう。居酒屋のランチかもしれない。サバ定食680円にラップがかかって置いてあるのが僕には見える。

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どうだこれは。ランチやってるのか…?

エレベーターのように見えるが店なのか…いや、エレベーターを上がっていった先にある店…と思おうとしたが無理があった。
これは、ランチやってません。

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これは…ランチ………やってる!

のぼりの奥がビルの従業員出入り口になっている。この反対側にはデニーズがあり、従業員出入り口側にものぼりを立てた景色である。
ファミレスのトイレはビルと共用で、その奥に従業員出入り口がある。

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これは、やってない

オフィス入り口はランチやってますののぼりの力も及ばない。テレワーク中につき電気が消えているのもランチ要素を遠ざけた。

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これは難しい

ランチは…やって…ないかな。
総務に届く弁当を配っている場所、のようにも見えるがあまりオフィスっぽくない(イッツコムのインテリジェントホームのショールームです)。
外国にある日本風レストランというのはどうだろう。着物を部屋着にした西洋人がいれば……いや、どちらにしてもランチではない。


ランチは心のなかにある

ランチやってますの効力が分かった。
街、公園はランチをやっている。オフィスはやっていない。

その鍵は店が見えるかどうかではない。店があることを想像させるかどうかだった。
森の中にレストランがあるかもしれない。ビルの反対側が店になっているかも。でも、ドアがあっても防災倉庫ではランチをやってない。当たり前だ。

つまりランチは僕らの記憶のなかにあるのだ。のぼりはそれを呼び起こす媒介でしかない。

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歩道橋の上はどうか
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「ラン」だからだめ
2020年10月7日 18周年とくべつ企画「デイリー棒タルZ」
 
ありがとう18周年! この記念すべき日、ライター総勢18名が棒にまつわる記事を書きました。議論紛糾の企画会議のすえ決まったテーマで、どうしてこうなったのかもはや誰も覚えていません。なぜという気持ちをどうか押さえて楽しみください。
 
11時~19時半まで30分おきに公開します。
 

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