とくべつ企画「おもしろがり力」 2020年5月25日

変なこと言わされている偉人を探す

屋外の広告やポスターに、歴史上の人物が登場することはよくある。さらに、その歴史上の人物が、絶対言わないようなことを言わされていることがまれにある。

そんな写真を集めている。

鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。(動画インタビュー)

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> 個人サイト 新ニホンケミカル TwitterID:tokyo26

哀愁の大御所

屋外に掲出されているポスターや広告、それに類するもので、歴史上の偉人になにか言わせてるものを集めている。例えばこういうもの。

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名古屋駅で発見した徳川家康さん

江戸幕府を開いた征夷大将軍、徳川家康さんに、ゆかり(えびせんべい)の黄金缶を「誰もくれないのであれば、自分で買おう」といわせている。

えびせんべいの『ゆかり』は、全国でも買えるが、金色の缶に入った『黄金缶』は、名古屋でしか買えないものらしい。

言っていることの意味がよくわからないが、おそらく、家臣たちがお土産に『ゆかり黄金缶』を買ってくれない。仕方がないので自分で買う。……という嘆きを詠んだのだろうか。そんな寂しい余生をおくる大御所の姿に哀愁すら感じてしまう。
さらに、元ネタの「鳴くまで待とう時鳥」も、よく考えると哀愁があることに気づく。

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時差通勤を勧める坂本龍馬さん

続いてはこちら、海援隊隊長、坂本龍馬さん。土佐弁で「東京の朝を、変えるぜよ。」と言っている。

これは、ふきだし等がないので、ほんとうに坂本龍馬が言ったことなのか、わからないけれど、「ぜよ」と言っているので坂本龍馬が言った、あるいは思っている、と解釈したい。

近年「教科書に載せるほどの業績か?」と、やったことと人気のギャップが話題の坂本龍馬さんだが、東京の朝を変えると意気込んでいる。
維新成就のあかつきには、船を使って世界を相手に商売をすると言っていたというが、なんの風の吹き回しか、急に東京の朝を変える気になったのかもしれない。スケールダウンした感は否めない。

探検家の顔で大喜利するんじゃない

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北海道を命名した松浦武四郎さん

まんなかのおじさんは松浦武四郎さんという方で、幕末に蝦夷地と呼ばれた島を探検し「北加伊道(北海道)」と呼ぶよう提案した人として知られる。

このポスターは、2018年がの北海道が命名されて150年めの年であったため、その記念事業のときのものだ。

ふきだしがないため松浦武四郎さんが言ったのかどうか微妙ではあるものの、言ったことにするとおもしろいので、そういうことにしたい。
松浦武四郎さんの表情とあいまって、大喜利の写真で一言の答えみたいになってしまっている。

ファンシーすぎる新選組副長

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新選組副長です

最後は、新選組副長の土方歳三さんだ。函館の五稜郭タワーにて、幕末偉人キャンディーの味をお知らせしている。曰く「いちご味ですよ〜♪」との由。

この有名な写真は、幕末の写真家田本研造によって函館で撮影されたものだ。洋髪、洋服のいでたちなので、蝦夷共和国陸軍奉行並のころだろう。

この写真が撮られた翌年、明治2年5月11日、土方歳三さんは、函館へ総攻撃をしかける新政府軍と壮絶な死闘を繰り広げるものの、腹部に銃弾を受け「いちご味ですよ〜♪」と言い残しこの世を去ったとか去らなかったとか……。


まだこれしかない

以上、変なことを言わされている偉人の写真だが、悲しいことにまだ4種類しか集まっていない。

資本主義のシステムに魂を売った現代人によって、言ってもないことを言わされてしまっている偉人たち……まだ、たくさんいるはずである。

そういった偉人たちをみつけ、すくいだすことによりその無念をはらすことは、令和を生きる我々に課せられた使命のひとつといえる。

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