ダイソンのかっこよさにしびれる
以前の記事では様々なハンドドライヤーをバーッと紹介したが、今回は筆者が面白さを感じているポイントに絞ってお伝えしたい。
ハンドドライヤー鑑賞歴0日のビギナーであっても比較的簡単に面白がれる要素として、まずは一番とっつきやすいダイソンのハンドドライヤーについて語っていこう。
街中でこのタイプのハンドドライヤーを見たことある人もいるのではないだろうか。
こちらはダイソンの「Airblade Wash+Dry」というタイプ。これまでのハンドドライヤーとは一線を画しており、見た目のスタイリッシュさは断トツである。
ハンドドライヤーに興味がなくても、これに出会って「おっ!なんだこれ!」と感じたことのある人はいるのではないだろうか。
そう思ったなら、それはもうハンドドライヤーを面白がる入り口に立っていると言える。
日本国内ではあまりダイソンのハンドドライヤーは普及していないので出会う機会はそこまで多くない。だからこそ出会った時の喜びが大きいのだ。明太子だけでご飯が3杯食べられるように、ダイソンのハンドドライヤーだけで用が3回は足せる。
国内で見かけるダイソンのハンドドライヤーはこの「Airblade Wash+Dry」が一番多いのだが、ダイソン製品には他の種類もある。
そしてもうひとつの製品がこれまで筆者が出会ったハンドドライヤーの中で最もかっこよさにしびれたこちら。
この輝き具合、めちゃくちゃかっこよくないだろうか。紫色の線の部分から風が出てきて、絶妙な角度で湾曲した金属板が水滴をしっかり受け止めてくれる。
まさに見た目のかっこよさと機能性が一つになった製品でダイソンのものづくりを存分に味わえる。画一的になりがちなハンドドライヤーの中で時たまこういうものに出会えると、もう面白さを感じざるを得ないのだ。
そのかっこよさがフューチャーされがちなダイソンのハンドドライヤーだが、その弊害としてこういう場合もある。
かっこよさが説明シールで台無しになっているパターンだ。スタイリッシュすぎて使い方が分からないというクレームでもあったのだろうか。でもこのシールはいわば「人情」である。クールなハンドドライヤーと人情の温度差に思わずほっこりしてしまった。
個性を出すなら三菱電機のジェットタオル
ダイソンほどのスタイリッシュさはないが、国内メーカーでデザイン性にこだわっているのが三菱電機のジェットタオルという製品だ。
この製品にはカラーバリエーションが存在する。
カラーバリエーションがあるということはトイレの雰囲気に合わせて選ぶことが出来るということである。これらの写真を見ても周りの色味などに合わせてカラーをチョイスしていることが分かる。
ここにトイレの内装を手掛けた人のこだわりが感じられるのだ。決して名前が全面にでてくるわけではない職人のこだわりをハンドドライヤーから感じるというのも一つの面白がり方である。急に面白がりのレベルが上がってしまった気がするが大丈夫だろうか。
さらに驚いたのがハイパワータイプのこちら。
通常はホワイトなのだが、なんと大理石風のデザインになっている。明らかにトイレの床や壁のテイストとマッチさせるために手間をかけている。これはいい仕事だ。
メーカーの商品ページにはこのカラーについての記載は何もない。前面パネルはオーダーメイドできるのだろうか。それともいくつかある種類から選ぶことができるのだろうか。いつかメーカーに直接聞いてみたいと思う。
レアハンドドライヤーを見つける喜び
ハンドドライヤーに限った話ではないが、こういう風に何かを収集しているとめったに見かけないレアな製品と出会うことがある。ハンドドライヤーにもそれがある。これを見つけたときの喜びはひとしおだ。最後にそれらを紹介しよう。
まずは大阪の結婚式場で見つけたこちら。
大阪で見つけたのだが調べると愛知にあるメーカーが作った製品だった。もしかしたら愛知や大阪ではけっこうポピュラーなのかもしれないが、東京住みの筆者はここでしか見たことがない。
大手メーカーにはない「味」がある。製品のカラーリングだろうか。インディーズの良いバンドを見つけたような喜びがある。そう思うと「Dr.AIR TOWEL EE」というのもバンドの名前っぽい。
どんどんいこう。
清掃業務を手広くてがけているダスキンもハンドドライヤーを作っているが街中ではあまり見かけない。しかしダスキンのハンドドライヤーを確実に見ることが出来る場所がある。それがミスタードーナツだ。
実はミスタードーナツはダスキンが運営している。そのためハンドドライヤーも自社の製品を使っているというわけだ。圧倒的シェアを誇るTOTOのハンドドライヤーに飽きたらミスタードーナツに行こう。そして青い光に包まれよう。
ダスキンはミスタードーナツ以外でも一度だけ見かけたことがあるのだが、こちらもなかなかキュートだった。
なんだか口を大きく開ける顔のように見える。ちょっと笑っている。きっと見た目はごついけど心は優しいタイプのキャラクターだ。
冷暖房機器やエンジン回りの商品を出している株式会社ナカトミもハンドドライヤーを出している。
デイリーポータルの忘年会などでよく利用する二子玉川の個性的なレストラン「トキオプラージュ・ルナティック」で見つけた。家庭でも使用できるサイズで、トイレスペースが広くとれないお店にも置くことができる。
ただメーカーの現在のカタログには載っていないので新たな製造はされてなさそうだ。これから増えることはない絶滅危惧種である。
最後は仙台駅の新幹線改札内でみつけたこちら。
株式会社セントラルセブンから発売されている「スーパーM」という製品だ。メーカーのホームページを見ると「35,000社の導入実績」と書いてあるのだが、いままで仙台駅でしか見たことがない。
こちらもDr.AIR TOWEL EEと同じく殺菌力の高さを売りにしている。中小メーカーは殺菌力を売りにしがちだ。
大手メーカー商品ではないレアな商品はどれも味わい深い。突然ひょっこり現れるレア商品は、見つけるたびに「やっぱりハンドドライヤー収集はやめられないな」と思わせてくれる存在だ。
TOTOに負けるな
色々なハンドドライヤーを3つの視点で紹介したが、この記事を読んで改めてハンドドライヤーに注目するとTOTOのクリーンドライばかりが目に付くと思う。
そう、ハンドドライヤーはTOTOが圧倒的に高いシェアを占めている。新しい商業施設などを見ると100発95中はTOTOのハンドドライヤーが設置されている。
つまりTOTO以外のハンドドライヤーはどんどん少なくなっていると思われる。そう考えるとTOTO以外のハンドドライヤーを見つけただけで色めき立ってしまう。そしてこの貴重な個体を記録することに使命感を覚えてしまうのだ。
そんな勝手な使命感に駆られてこれからもハンドドライヤー収集を続けていきたい。