ばかばかしい記事まつり 2020年6月23日

小道具みたいなパッケージを見る

チータラのパッケージに大きく「チータラ」とだけ書いてある。

そういう、ストレートで潔いパッケージに風情を感じる。ドラマの手抜きの小道具や、マンガの背景みたいだ。

こういうパッケージの商品は100円ショップやディスカウントストアにある。買い集めてきたので一緒に見ませんか。

1979年東京生まれ、神奈川、埼玉育ち、東京在住。Web制作をしたり小さなバーで主に生ビールを出したりしていたが、流れ流れてデイリーポータルZの編集部員に。趣味はEDMとFX。(動画インタビュー)

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> 個人サイト まばたきをする体 Twitter @eatmorecakes

「これが入っている」とだけ書いてあるやつ

小道具みたいなパッケージ、例えば、こういうやつだ。

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ゼリービーンズのパッケージに「ゼリービーンズ」と書いてある。

商品名を明記しているのでなにも間違ってはいないのだが、妙にきっぱりし唐突さすら感じるこの態度。

なんとも言えない味わいだなとずっと思いながらうまくその魅力を言葉にできていなかったのだが、これ「(手抜きの)小道具みたい」なのだ。

美術さんが作ってきたら「もうちょっとさあ」ってなる

以前企画で、上野のお菓子屋の二木の菓子にライターのべつやくさんに連れて行ってもらう機会があった。

この時に「チータラ」と大書きしてあるパッケージを見たべつやくさんが「ドラマで美術さんがこれ作ってきたら、もうちょっとさぁ…ってなるよね」と言っていて、それだ! 完全にそれだ! と分かった。

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記事の追跡動画にその様子が残っていました!「チータラ」とだけ書かれたこのパッケージ。私は「フィクションみたい」と言っている
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そこへこの指摘。ドンズバ!

小道具としては「もうちょっとさあ」ってなる、そうだ! その感じだ。マンガの手抜きの背景みたいにも見える。 

↓↓こちらの動画です↓↓

 

世の中は手が抜かれていない

そもそも、世の中の商品パッケージというのは凝っているものが多いのだ。

オリジナリティあふれる商品名が、個性豊かにロゴ化されている。キャラクターのイラストがついていたり、キャッチコピーも気が効いている。

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しびれる大手メーカーの抜かりなさ

こういうのはコンビニやスーパーで取り扱われており、勢い私たちは普段よく目にしがちだ。

現実がこうなので、相対的にシンプルなパッケージに小道具を感じやすいのだろう。

今回取り上げる心惹かれる小道具パッケージはディスカウントストアや100円ショップなどによく現れる。おそらく中小のメーカーさんや食品の輸入業者さんが頑張って作っていることが多いんじゃないか。

応援したくなる気持ちもわいてくるというものだ。

マンガのピクルス

応援しながら、あらためて見ていこう。

今回探したものでは先のゼリービーンズがここ一番の味わいだったが、これもいい。

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ピクルス

完全にマンガだろうこれは。

マンガ肉というのがあるが、マンガピクルスこれだ。

うやうやしく冷蔵庫におさめてみた。うちの冷蔵庫がマンガになった。

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マンガの人の家の冷蔵庫

輸入系でいくとこれも良い。

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真正面から、オイルサーディンです!

「缶切不要」「パスタやサラダにピッタリ!!」などあれこれ書いてあって、シンプルさはないが、小道具っぽい。

フォントが一般的だからじゃないかと思われる。

個を殺して背景としてある

手抜きの小道具みたいなパッケージに見える要素、ここまでのところで考えると以下のようなものが挙げられそうだ。

・内容物がそのまま商品名になっている
・フォントが有りもの
・全体的に自意識が低め
・結果、存在が嘘(小道具)みたい

目立ってやろうという魂胆がほぼゼロ。ある意味これぞ控えめな態度ともいえ、存在が背景に寄っている。

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フォントがおそらく有りもの
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内容物がそのまま商品名になっている
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中身も「syrup」とだけ書いてあった。どこまでも背景
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テンション高めの食材だけに押しは強いようにも思うが、個の押し付けがゼロ
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ただ便宜的に名乗るのみだ
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ごましおであることさえ分かれば自分はそれでいいという生き方。背景的人生

囲まれているうちにだんだん自分も低予算のドラマやマンガの世界につれていかれそうだ。興奮する。

存在の疑わしさ

さきほど小道具みたいなパッケージの要素として「存在が嘘っぽい」というものを上げたが、そこへの特化を感じるパッケージもある。

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カロリーバランス

カロリーメイトのいわゆるジェネリック品と思われるこちら。圧倒的なジェネリック度の高さから存在が架空のもののようにすら感じられる。

美術さんが少し頑張った小道具という良い雰囲気だ。

さらにこちら。 

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写真は凝っている

これまでに比べるとわりあい凝ったパッケージとも言えるのだが、商品名部分に寄ると妙に実在が薄まらないだろうか。

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フォントが普通! という存在の希薄さからくる嘘っぽさ

こちらもどうだろう。 

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シュガーレスフルーツ

この小道具感は、単に見慣れない商品だからというだけだろうか 。「シュガーレスフルーツ」という言葉のインパクトの弱さも要因としてあげられそうだ。

小学生の娘が見て「なんかこれ、おかしくない?」と言っていた。(本当にこれ、有るの?)とも言いたげだった。子どもにも違和感が分かるのだ。

同じくこれも。

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ミックスラムネ

ポップにきれいなパッケージで、上手に作ってはあるのだが、不思議とどこか存在が疑わしいと思ってしまった。

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存在感の強いパッケージと並べると、そのはかなさが分かる

有るが本当に有るのか

実存するにもかかわらずパッケージの在り方だけでその存在の揺らぎがすごい。本当にそれは有るのか? 手抜きの小道具なのではないか?

しかし紹介したものはすべて昨日買って、今ここ(私んち)にあるのだ。

だからアリストテレスと盛り上がろう、そのごましお、無いみたいだけど有るねって。

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無いも有るもよくわかんなくなって最後買ったやつ

ばかばかしい記事まつり

この記事は2020/06/22~26に行われる「ばかばかしい記事まつり」に奉納された記事です。ライター総勢15名がばかばかしきをまっとうします。

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