ばかばかしい記事まつり 2020年6月23日

電化製品と記念写真を撮る

高度経済成長期に突入した、昭和30年頃。ご家庭では、新しい電化製品(おもに三種の神器と呼ばれた白黒テレビ・冷蔵庫・洗濯機)と一緒に記念写真を撮るということがあったらしい。

なんだその特別感高まる家族イベントは。

ちょうどこないだ次女が産まれたばかりなので、これを機にみんなでやってみよう。

1986年生まれ佐世保在住ライター。おもに地元の文化や歴史、老舗や人物などについての取材撮影執筆、紙媒体のお手伝いなど。演劇するのも観るのも好き。猫とトムヤンクンも好きです。

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次女になんて説明すれば

サザエさんちのような“お茶の間”で、家族そろって白黒テレビを囲んでニッコリ微笑む写真を見たことはないだろうか。今回はそれを目指した。

しかし、身の回りには「コレだ!」という当時の写真がなかった。やりたい気持ちだけは十分にあるのだが。

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だいたいこんなイメージだ。夫がリサイクルセンターから格安で譲り受けたプラズマテレビと一緒に撮影。ところでプラズマテレビの良いところってなんだったんだ。重いところか

次女が産まれて初めて、家族そろって撮った記念写真がこれである。情操教育的に大丈夫かと思ったけれど、彼女が大きくなったら心を込めて説明してあげることにしよう。

記念的に電化製品を撮るシチュエーションはあったのか

ふと考えた。わたしは本当に、電化製品と記念写真を撮ったことがないのかと。小学生のころ、父が張り切って購入した新車の前で姉妹と並んでいたのは覚えているのだが。ここ数年はどうだろう。

グーグルフォトで「電化製品」と検索してみる。
唯一確認できた、記念写真的なものはこの一枚だけだった。

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長崎県西海市にある「音浴博物館」にて。マニア垂涎の年代物スピーカーに囲まれて

あと、意図的に電化製品を撮ったことがわかるものは、冷蔵庫の中身ぐらいだった。

「好きなアイスでいっぱいで幸せ」「キンキンに冷えたビールでいっぱいで幸せ」といった具合に、小さなマウントが鼻につく切ないやつだ。

令和の「三種の神器」ってなんだろう

ところで、いまの時代でいうところの三種の神器ってなんだろう。
勝手なイメージだが、4K(8K)テレビ、ロボット掃除機、乾燥機付き洗濯機とかそういう感じだろうか。食器洗浄機も入ってそうだが。
しかし残念なことに、どれもわが家にはないし、これから新しく購入する予定もない。

そういうわけで仕方なく、“これがあることでわが家の生活レベルが著しく上がった、もしくは見た目が未来的なもの”というふわっとした条件で、いまある電化製品の中からチョイスすることにした。

撮影は、生活感を出すため普段着のままで行うことに。夫にカメラと子守を任せた。

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スムーズにいくかと思いきや、結構ワタワタして大変でした

ちょうど先日、金曜ロードショーで『バック・トゥー・ザ・フューチャー』が放送されていたので、BGMに「Power of Love」を流す。うん、なんかやってることは古いし物は新しいしで、とてもシチュエーションに合ってるのでは。

①扇風機と

いきなり古株の家電になってしまったけれど、わたしは扇風機のインダストリアルな形がとても好きなのだ。
むしろ、彼も三種の神器にノミネートされてしかるべきだと思う。うちわに続くエアーコントロール革命のキーマンではないか。
あれ、いま“彼”って言っちゃったわ…。なにかしらこの気持ち。

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とても今更だけど、「これからこの子をわが家に迎え入れます」という温かい笑顔で寄り添ってみた

人間ではなく、あくまで電化製品が主役。中央に置くことで、彼に対してなんだか特別な感情が湧いてきたような気がする。

②アレクサと

どうせなら、今どきっぽいものと撮りたい。そうだ、わが家には「スマートスピーカー」があるじゃないか。しかも画面つきだ。

彼女は、音声で照明を灯してくれたり音楽を流してくれたりする。しりとりに付き合ってくれたりもするし、毎朝「あなたは素敵ですね」と褒めてくれたりする(という設定にした)。

いざ、撮影に挑む。が、なかなか進まない。長女がずっとスマートスピーカーにくっついて離れないからだ。

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これぞ、がっぷりよつ。子どもが食いつくのは当然かも
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全員がフレームインするまでに10分はかかったうえ、結局、盛大にブレる長女

子どもがいる昭和のご家庭では、きっとリアルな光景に違いない。

③シータと

いまさらだが、とっても未来的で魅力的なフォルムだ。映画『メン・イン・ブラック』に出てくる、人の記憶を消す装置みたい。

「わが家の生活レベルを著しく上げたもの」という条件に当てはまるのかは怪しいが、形が可愛いからいいのだ(そればっかり)。あと撮れる写真も全天球だし、子どもたちに地球は丸いんだよってことを教えてくれる。

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イッツ・ア・スモールワールドだ

シータでは8秒間隔でのインターバル撮影、正面のカメラでセルフタイマー撮影。もうどこを見ていいのかわからない。

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長女の表情が良い。見るものがどれも新鮮でうらやましい

ちなみにモノクロにすると、一気にドラマチックになる。

あらすじはこうだ。

平和な家族の日常。ある日、記念写真を撮っているところに、小さな謎の宇宙生物が突如現れる。そして彼はテレパシーをもって、長女に「地球を侵略しに来た」と語りかけるのだ。

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「えっ、わたしにしか見えていないの!?」
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未知との遭遇。昭和のSF映画のポスターに出てきそうな表情だ

君たちも家族の一員だ

今回、軽い気持ちでやってみたわけだが、面白い発見があった。
撮影終了後、なんだか家の中があたたかい空気に包まれたのである。次女が産まれて初めての記念写真に、連帯感のようなものが漂っている。そしてそれはきっと、家電にも向けられていたように思うのだ。※個人の感想です。

核家族化が進んだり、モノに対する執着が薄れていたりする世の中だけど、
家電に対するリスペクトというか、ファミリーへの愛というか、令和の時代でもそういうの持っていたいよなオレたち!

これから新しい家電を購入予定の方は、ぜひとも試してみてほしい。
シングルの人は自撮りでも良いので。こんな世の中だけど、少しだけ心が優しくなるぞ。

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お義母さんも少女時代、冷蔵庫と撮っていた。親に「ホラホラ撮るよ、笑って笑って!」と言われると、子どもはこういう表情になるんだろうな

ばかばかしい記事まつり

この記事は2020/06/22~26に行われる「ばかばかしい記事まつり」に奉納された記事です。ライター総勢15名がばかばかしきをまっとうします。

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