ばかばかしい記事まつり 2020年6月25日

弁当を具にして海苔巻きを作る

スーパーやコンビニで買った弁当を運ぶのが難しい。鞄に入れると傾いて中身が寄ってしまうし、かといってずっと水平を維持するために手で持つのも大変だ。

いろいろ考えてたどりついたのが、日本古来のあの方法だ。これを使えば、傾きはおろか90°回転して縦に弁当を収納することも可能になるのだ。そう、海苔巻きに改造してやれば。

変わった生き物や珍妙な風習など、気がついたら絶えてなくなってしまっていそうなものたちを愛す。アルコールより糖分が好き。

前の記事:手で摘めるタケノコ、淡竹(ハチク)を採って食べる

> 個人サイト 海底クラブ

海苔巻きにしやすそうな弁当を選ぶ

002.jpg
リュックサックの中に、こう縦向きに入れたいですよね。

海苔巻きに改造しやすそうな弁当を......と思ってスーパーに行ったのだが、我ながら基準が意味不明過ぎて弁当売り場を3回ほど往復することになった。とりあえず汁気の少なそうなやつを選んだ。

003.jpg
揚げ物ばっかり。すでにちょっと寄っている。

ところで、筆者の暮らす京都では弁当の中身が一方に寄っている状態を『寄り弁』と表現する。この言葉は全国で通用するんだろうか?そもそもいつ頃できた言葉なんだろう?

気になるところだが、今回は〆切も近いので深入りせずに先に進むことにする。

いったん広告です

弁当を切り分けよう

004.jpg

方向性としてはこうだ。

まず弁当を6つに切り分ける。

次にそれぞれを海苔とごはんで巻いてやる。

とても単純である。失敗する要素があるとしたら、弁当を切り分ける段階でぐちゃぐちゃになってしまうことくらいだろう。

005.jpg
できれば一度で成功させたいので、きれいに切り分けられるようにわざわざ包丁を研いだ。
006.jpg
容器がメキョキョ!と不安な鳴き声を上げる。
007.jpg
きれいに切れた。
008.jpg
はじめて見る弁当の断面。容器の複雑にうねった形が、まるで地形断面図を見ているみたいだ。使い捨ての弁当殻ひとつにも、誰かの試行錯誤があるのだな。
009.jpg
六等分にしました。「一つの弁当を6人で分けるには?」と聞かれたらこの写真を提示していただいて構いません。
いったん広告です

海苔とごはんで巻いてやろう

010.jpg
できるだけ弁当の幅に近いサイズの海苔を用意します。
011.jpg
あると思っていた巻き簾がみつからなかったのでキッチンペーパーで代用。

横着をしてアツアツのごはんを海苔にのせたところ、ごはんから出た蒸気で海苔がキュッとなったので私の心も焦りでキュッとなった。幸いそれ以上の変化はなかったけれど、具材に汁気のない弁当を選んでおいてよかったと思った。

012.jpg
心をこめて巻いていく。
013.jpg
海苔とごはんで海苔とごはんを巻く意味とは......?
014.jpg
全ての弁当を巻き終わったところ。外見にはまったくわからないが、
015.jpg
中の具材はもとの弁当の配置をそのまま踏襲しているのだ。
016.jpg
輪ゴムで固定。縦にしても寄り弁になりません!
いったん広告です

携帯性◎、食べやすさ◎

天気がいいので、出来上がった海苔巻きをリュックサックにつめて川辺に散歩にきた。

017.jpg
海苔巻き化した弁当は携帯性がいいから、遠出のお供にもばっちりなのだ。
018.jpg
弁当を取り出す。石板のように安定している。普通の弁当だったら、この時点で良くて寄り弁、悪けりゃ蓋が押し開けられてかばんの中は大惨事になっていただろう。恐れ入ったか。
019.jpg
パクリ。

海苔巻きの手軽さで、手で取り出してそのままかぶりつくことができる。箸はいらない。エコである。

ものの進歩には便利になると同時に複雑化するものとシンプルになるものがあるけれど、こいつは言うまでもなく後者だ。

携帯性よし、食べやすさよしである。最初にサンドイッチやホットドッグを作った人も同じように感動したに違いない。

いったん広告です

もとの弁当を想像する

020.jpg
鰺フライ。

2本目を食べ進めると、鰺フライが現れた。

021.jpg

と、いうことは。

海苔巻きAの上端から食べ始めて、海苔巻きBの黄色い☆の位置まで到達したということだ。

海苔巻きを端から(順番通りに)食べていくことで、もとの弁当の姿を脳内に思いえがくことができる。この黒い棒の中に、弁当についての情報がすべて含まれているんである。まるで生物のDNAやFAXの信号みたいだ。

もちろん、気にせず好きな順番で食べてもいい。

ともかく「最初から普通の海苔巻きを買えばいいのでは?」という疑問がむくむくとおき上がってきてきていたので、アレンジできる楽しみ方を発見したのはうれしい。

022.jpg
海苔巻きFはごはんの味。食べていると無の境地に入ってくる。

子供の頃に聞いた話。

ある人がデパ地下でイクラの海苔巻きを買った。

買った海苔巻きを食べてみてびっくり!イクラは海苔巻きの両サイドに一粒ずつ貼り付けてあるだけ、つまり海苔巻き1本につき2粒のイクラしか入っていなかったのだ。

中身が見えないことを悪用したトリックである。

その話を気化されて、子供心に情報の透明性の大切さを学んだのだった。

ごはんの海苔巻きを食べていてその話を思い出した。この海苔巻きと、デパ地下の海苔巻きの間にはイクラ2粒の違いしかないのである。少しだけ得をした気分になった。無の境地は人におかしな考えを起こさせる。

いったん広告です

海苔巻き化すると、量は増える

そんなこんなで海苔巻き化した弁当を満喫していわけだが、4本目を食べたあたりでお腹がいっぱいになってしまった。

023.jpg
どうしよう、食べきれない。

弁当についていたごはん+海苔巻きに使ったごはんで、ごはんが二重に使われているせいだ。これ用にごはん抜きの弁当があればいいと思った。

024.jpg
残った海苔巻きは夕飯になった。
▽デイリーポータルZトップへ
20240626banner.jpg
傑作選!シャツ!袋状の便利な布(取っ手付き)買って応援してよう

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ