窯だしパイシューのクリーム量がすごかった
こちらが私が目を、そして心を奪われたシュークリームである。
不二家、やるときはやるんだね。
これはもう白い巨塔だ。
不二家に並ぶどんなケーキよりも、圧倒的な存在感。なんだこれ、シュークリーム界のラーメン二郎か。
もちろん買って帰った。
そして真横から眺めて、フタの閉まらなさに鳥肌が立った。
ただ冷えたショーケースに並んでいたピンピンの状態に対して、箱に保冷剤を入れてもらったものの帰宅中にどうしても温度が高くなり、さらには振動と重力でクリームが少しクタっとしてしまったようだ。いやそれでも十分すぎるボリュームなのだが。
ご存知の通り、不二家のクリームはおいしい。子供の頃、ケーキに巻いてある透明のペラペラしたカバーについたクリームを舐めて、舌を切ったことがあるくらいにクリームが好きだ。あ、大人になってからもやった気がする。
だからこそ、このクリームの量は夢の具現化なんだけれど、実際に食べると胃もたれがドーン!
私がシュークリーム一つで胃もたれをおこす年齢になったのか、このシュークリームが胃袋ハカイダーなのか。まさかシュークリームを2回に分けて食べる日が来るとは思わなかった。
シュークリームがモデルチェンジしていた
あの大量のホイップクリームをどうやって攻略しようか考える。「これがあればご飯がいくらでも食べられる」という表現があるけれど、「不二家のパイシューがあれば食パンがいくらでも食べられる」といえるのでは。そんな想いが鎌首を持ち上げた。
わかった、有り余るクリームを食パンで消費すればいいのだ!
そうだそうだ、平面型クリームパンを食べるのだとウキウキしながら不二家に向かったのだが、なんと常識的なバランスのシュークリームしか売っていないかった。
はて、あのマウンテンなパイシューは夢だったのだろうか。だとしたら私はデジカメでデータを念写したのか。俺すげぇ。
しまった、クリームが多すぎることに不二家も気が付いてしまったか。あるいは期間限定商品だったのか。よくみると商品名が「窯だしパイシュー」から「窯焼きダブルシュークリーム」に変わっている。
素人考えだとダブルシューの方が強そうだが、不二家的にはパイシューという普通の名前で油断させておいてのサプライズ感を優先させているのだろうか。あの量のクリームがダブルだったら最高だったのに。絶対食べきれないけど。
いやでもこれだって夢のようなクリームの量である。なんといっても180円だ。これが正解なのだろう。
パイシューにフルーツを挟むという発明
私がやりたかったことは、あの無限ともいえるホイップクリームを食パンに分厚く塗りたくって食べるというハイカロリー万歳な暴挙だったが、甘すぎる考えを思いなおす機会と前向きに捉えてヘルシーかつ満足度の高い方向性に進んでみよう。
まずはフタをパカっと外して、これでもまだ多いクリームを半分ほど避けておく。
そこに用意したフルーツをダダダダダダっと立てる!
わーい、フタがちゃんとできない!
大口を開けて食べてみると、これが素晴らしかった。
要するにクリームを減らしてフルーツを増やしたシュークリームなのだが、フルーツパフェを丸かじりしているみたいな贅沢さなのだ。
もちろんフルーツがたっぷりと入ったシュークリームは数多存在するだろう。だがそれを自分で欲望のままに作る行為こそが楽しいのだ。
夢のフルーツサンドを作ってやろう
初夏のシューまつりはまだ終わらない。
先ほど避けておいたホイップクリームがあるじゃないですか。
そこで当初の予定通り、食パンにクリームを塗りたくる訳ですよ。
そこに余っているフルーツをバババババっと並べるんですよ!
きゃー、贅沢!
これをもう一枚のパンで挟んだら、不二家のホイップクリームによるフルーツサンドの完成である。
夢だったんですよ、夢。ドリーム。端から端までフルーツがぎっしり詰まったサンドを食べることが。自分で作るとフルーツから水分が出ないので、ベストな状態で食べられるね。
はい、すごくうまいです。
でも当初予定していた窯だしパイシューを使えば、さらにクリームが多いフルーツサンドとなったはずと思ってしまう俺のバカ。きっと私にはこれくらいがちょうどいいバランスなのだ。これも運命ということで。
無理やりシュークリームからフルーツサンドを作らなければいいんだけどね。
シュークリームの値段にフルーツ代とパン代が加わったので、結果的にお得だったのかはよくわからないが、すごく贅沢なことをしたなという充実感で、私の心と胃袋はパンパンだ。そりゃもう楽しい経験だった。
だがやっぱりあの窯だしパイシューのボリューム感が懐かしいので、今後も不二家をちょくちょく覗こうと思う。
窯だしパイシューは二種類があった!
ここまで書いて編集部に納品して、すでにOKをいただいているのだが、後日談を追記する。
もう一回だけ確認しようと不二家にいったところ、一軒目はパイシュー自体が売られておらず袋入りのシュークリームだけ。ここでダメなら諦めようと覗いた二軒目に、なんとパイシューがあったのだ。
ただしミルキーのクリーム!
あのクリームが入道雲みたいな窯だしパイシューはやっぱりないのかとガッカリしたが、よくみたらその下にあった。
ただしクリームがなめらかカスタード!
暑さに弱そうなホイップクリームがモリモリのパイシューは、夏を前に販売終了したのかと諦めつつ、カスタードのを買いながら一応店員さんに聞いてみると、「ホイップクリームは、今できるところです」という予想外の答えが返ってきた。
え!
店舗にもよるのだろうけれど、どうやら不二家のシュークリームは何種類かあり、それを店内で作って出来立てを提供しているため、タイミングによって買える商品が違うようなのだ。おいおい何種類あるんだよ。
やはりフルーツサンドを作るなら、ホイップクリームの窯だしパイシューだ。今度こそ大満足である。
ところで不二家のサイトを確認したら、釜だしパイシューという商品はまったく載っていなかった。
ばかばかしい記事まつり
この記事は2020/06/22~26に行われる「ばかばかしい記事まつり」に奉納された記事です。ライター総勢15名がばかばかしきをまっとうします。
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