ばかばかしい記事まつり 2020年6月24日

ホタテの殻を開けた気分になる

たったこれだけの準備でホタテの殻開け気分が味わえます。

殻付きのホタテを開けたことがあるだろうか。

あれはおもしろいんだけどなかなか経験できないと思うので、今回はとくべつに疑似的に体験する方法を紹介したいと思います。

行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。愛知県出身。むかない安藤。(動画インタビュー)

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> 個人サイト むかない安藤 Twitter

ホタテの殻開けはレジャー

今年の春先だったと思う。友人が宮城県からホタテを送ってくれた。友人は「今まで食べてたホタテはなんだったんだって思うから!」という。

貝じゃないのかホタテは、と思いながらも発泡スチロールを開けた瞬間、思わず声が出た。

すげえ!殻付きだ!

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だいたいこの状態で売られていますよね。

さばき方は送ってくれた友人がわざわざ家に来て教えてくれた。僕は殻付きのホタテをさばくのが初めてだったので、それだけで興奮した。

無理にこじ開けようとするとホタテは殻を堅く閉ざしてしまう。そうなるとへらが入らないので、しばらく興味のないふりをして油断させておき、再びホタテが周囲をうかがおうと殻を薄く開けたところに電光石火のスピードでへらを差し込むのだ。閉じる殻、割り込むへら。躊躇する気持ちを押さえ、殻の内側の曲面に沿わせながらへらを動かすと、ある段階でホタテがふと力をゆるめる。もうだめだ、これ以上頑張っても無駄だ、という意思表示である。

勝負あった。

殻をはがされたホタテは堂々としたその体を僕らに見せつけてくる。食えよ、でもその前に見ろよこれ。僕たちは試合に勝って勝負に負けたんだなと思った。

さばきたてのホタテは半分刺身に、半分バター焼きにしてみんなで食べた。本当に、今までのホタテはなんだったのかと思った(貝だ)。


あれは楽しかった。今年の前半のハイライトと言ってもいいかもしれない。

だけどあれから殻付きのホタテを見かけたことがないのだ。

殻開けだけを体験したい 

あの感動をどうにかしてもう一回味わえないだろうか。宮城県に行けば新鮮なホタテが手に入るのだろうけれど、できればもっと手軽に味わいたいものだ。

そこで思いついたのがこの方法である。用意するものは次のとおり。

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お皿、養生テープ、へら。

これだけあればあの感覚を味わうことができるのだ。いろいろ試した結果いきついた結論なのであながち間違ってはいないと思うが、これだけが正解ではないということも認識している。

必要ないかもしれないが道具をひとつずつ紹介する。

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まずはへら。これはなんでもいいと思う。今回はキッチンにあった使い道のわからない道具を使った。もちろん貝むき用のへらを持っているのならばそれが一番いいだろう。
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テープはキモなのでぜひこだわってもらいたい。養生テープがいいと思う。ガムテでも試したが、粘着力、はがしやすさ共にこちらがおすすめだ。
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皿。これはおおよそホタテを彷彿とさせるサイズがいい。

材料を見ただけでこの記事の行く末が見えてしまった人がいるだろう。そしてその予想はおそらく当たっていると思う。

しかしだ、先を読まずに帰ってしまうのはどうだろう。ケンタッキーフライドチキンは美味しいと知っているから食べないというのか、そんなことないだろう。わかっていても最後まで体験してみる好奇心が人生を豊かにするのだ。

わかったらすぐにキッチンへ行って皿を2枚持ってきてほしい。そしてテープでつなげてホタテにするのだ。

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ホタテにするのだ。

次に予想通り養生テープで貝柱を作るのだけれど、これは皿の深さや大きさによってまちまちなので今回の試みで唯一難しい点であった。

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段ボール片なんかをまるめて養生テープを裏表逆に貼ってべとつかせ、貝柱とするのだが。
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内と内とで合わせると皿の深さが倍になるので、ある程度高さのある貝柱を作らないと意味がない。

いろいろ試した結果、現時点での最適解を見つけたので隠さずに教える。もちろんこれよりもいい貝柱はあると思うので、あとはあなたの工夫に任せます。

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まずダンボールをこのように大胆に皿に貼る。3分の1くらいずつ観音開きに折り目を付けておくとよい。
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段ボールを折りたたんだ後、外側に養生テープを丸めて貼る。
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それを閉じる。

ホタテの出来上がりである。

生きたホタテは少しずつ殻を開けて周囲をうかがうのだが、あなたがいま作ったホタテもしばらく置いておくとダンボールのバネが皿を押しのけようと頑張ってくれるため、すき間が空いてくるはずだ。

そこにへらを入れる!

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今だ!
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入れたへらを皿の内側の曲面に沿って動かす。あの時と同じだ。活きのいいホタテの抵抗を再現したい人は、皿を持っている手の握りを強めるといい。

この遊びの一番面白い瞬間がここである。へらの先で殻と貝柱を感じながら皿を開いていこう。

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うわーおもしれー。

ある程度貝柱が外れると、ホタテは観念したように力を抜いて殻を開ける。勝利の瞬間である。

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……。

もちろんそこに貝柱はない。あるのは虚無である。

しかし興奮しただろう。祭りの後には虚しさがやってくるものなのでそういうものとして受け止めてほしい。これで練習して本物のホタテをうまく取り出そうとかそういう話ではない。ホタテを開けるという行為だけを純粋に煮詰めた、これはいわば新しいスタイルの仮想現実なのだから。

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大きいところに話を持って行って逃げるように終わる。

 

ばかばかしい記事まつり

この記事は2020/06/22~26に行われる「ばかばかしい記事まつり」に奉納された記事です。ライター総勢15名がばかばかしきをまっとうします。

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