デイリー棒タルZ 2020年10月9日

棒にまつわる記事が18本「デイリー棒タルZ」とはなんだったのか

2020年10月7日、デイリーポータルZは18周年を迎えました(ありがとうございますだ!)。

そこで記念企画として、ライター18名が「棒」をテーマに記事を執筆、当日の11時から30分に1本ずつ公開する大棒大会を実施したのでした。

棒……? あれは一体なんだったのか……。18本とともに振り返りたいと思います。(編集部 古賀)

インターネットにラブとコメディを振りまく、たのしいよみものサイトです。

前の記事:デイリーポータルZ 18年の軌跡年表

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出来上がったときのでっかい疑問符

あれは一体なんだったのか。そのヒントは当日のみどころ欄(トップページ上の編集部による日々の挨拶部分)でのウェブマスター林の文章にありました。

こちらです。

18年前のきょう、デイリーポータルZが誕生しました。
ありがとう!ありがとう!デイリーポータルZを読んでいるみなさんが一点の曇りもない楽しい人生を送ることを願っています。

長い間いろんなものを作り、試した結果、デイリーの倉庫にはやたらと棒があります。のぼり棒、三脚、アクリルのパイプ、角材…。東急ハンズに行っても「良い棒だな…」と思うこともしばしば。実際、棒って便利なんですよ。草むらをかき分けたり、持ってるだけでテンションがあがったり。

おれたちがやってきたことって、つまり棒なんじゃないか? 

人類最大の発明は鉄でもネジじゃない、棒だ。棒を推していこう。ライターにも棒の原稿を呼びかけよう!はい!呼びかけました!18周年だから18本ですよね!なるほど!30分おきに更新だ!これは…すごい日になるぞ!

……そんな会話でこのテーマが決まりました。この思い込みと行動力、それがデイリーポータルZの18年間を支えてきました。そして出来上がったときのでっかい疑問符もおなじみです。

とてもデイリーポータルZらしい18周年特集になりました。デイリー棒タルZ。だじゃれじゃんかよ。(林)

あいさつ文章に詰まった棒企画の起承転結。「結」には「でっかい疑問符」と「だじゃれ」がありました。

つまり、盛り上がって決定したけど謎だったね! というさわやかな特集だったということです。へ~い!

というわけで、謎は解け(?)晴れやかな気持ちで18本を振り返っていきたいと思います。

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棒の情報を発信し、文化を知らせ、工作し、料理して、検証する

謎の棒企画とはいえ、ライター18人がそれぞれに棒を解釈した結果、ジャンルとしては以下のような記事があつまりました。

・情報
・文化
・習得
・工作・料理
・検証

なんと意外にも情報があります! まずは読むと知識が広がる、情報を発信した記事を見て心をおちつかせましょう。

情報

製麺棒付き! 山田うどんの手打ちキットを試してみた (玉置標本) 

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”手打ちの生麺なのに山田うどんらしい食感で驚いた。ソフトな噛み応えで、モチモチのフワフワ。埼玉県民のDNAに刻まれている、あの麺の延長線上なのだ。 

この記事でかわいい棒がさっそうと登場したとき、あ! 疑問符は浮かんだけど、特集が「棒」でよかったんだと実感しました。 

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かわいい綿棒

リコーダーの棒を正しく使う(いまいずみひとし)

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”リコーダーについているあの棒を正しく使わずして一生を終えていいのだろうかという想いが募る。いましかない、あの棒を正しく使うのは!

「棒」でなにかという大喜利だとしたらリコーダーの笛の棒は大正解のアンサーでした。

オリジナルすぎるハンコを作ってみた (ヨシダプロ)

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”つまりはこの機械、自分だけのオリジナルのハンコが作れるという驚異のマシーンなのであった!

機械に直書きしたハンコの絵の上手さがすごい。ハンコの丸の中にここまで書けるものか。
マシンの昭和・平成度の高さにももだえます。

内部のひみつの音が聞こえる棒、「聴診棒」(石川大樹)

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” 構造としてはただの棒である。それなのになんだこのひみつ道具感は。

↑この写真のうれしそうさすごくないですか。

タピオカビスケット棒、他 (古賀及子)

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”凝視すればするほど「棒」をまっとうし体現するかのようなたたずまいに恐れ入る。

棒は南米にあった! ロマンです。

文化

続いては、棒にかこつけてある世界の独自の文化を紹介した3本。

ヤクルトファンの好きな棒は傘(べつやくれい)

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”ヤクルトファンは修行僧なので毎年いろいろな行(年間96敗とか、年間ワースト16連敗とか)に耐えている。

棒=傘という落とし前だけつけたらあとはヤクルトの話しかしていない記事も登場。名物応援団長のオカダさんやそこから出てくる傘の歴史が興味深い。
                

登山で見かける棒たち(松本圭司)

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 "山には様々な棒がある。しかし山にしかない棒なので、山に登らない人は見たことがないだろう。時として登山者は棒に助けられ、棒に安堵し、それらの棒に命をあずけるのだ。

死ぬやつが出てくるエキサイティングな展開!
                
「現状品」のフルートを落札しました(安藤昌教)

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”楽器だから鳴るのは当たり前なんだけれど、こういう当たり前すら喜べる、それこそが現状品の良さだと思う。

「現状品」、オークション文化を知らない者としては初めて聞いた品でした。こういう買い物の仕方があるのか。

マイクスタンド芸を身につけるために必要な3つのこと(江ノ島茂道)

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”そこにいるのはミニストップのイートインスペースでコーラを噴き出してしまった江ノ島はいない。ステージ生まれ、ステージ育ちのENOSHIMAがいた。        

意外にも習得できた興奮がありました。ENOSHIMAと書くだけでちょっと笑ってしまうのなんなんだ。

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続いて工作や料理など、クリエイティブな記事たち。ここから急激に謎な記事がまざってきます。

工作・料理

ドラムスティックのような野菜スティック(ネッシーあやこ)

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”ドラムスティック型ならば、食べ続けられるのでは……?

ただ長くするんじゃなくて、ドラムスティックにするひとてまが逆に良い謎を生みました。延々生野菜食べられるのちょっと良い。

        
おつまみDon't think棒(パリッコ)

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”あらかじめ、「最初はこれを食べて、次はこれ。中盤に野菜っぽいものも挟んどくか」という感じで考えておいて、その順番に串に刺しておけば、飲み食いしてる最中は何も考えなくてすむじゃないですか。

「棒」という言葉のひょっとこな感じをタイトルで体現してくれました。刺さってまとまったおつまみの絵本っぽさ!


河川敷で拾った木の棒を金色にして多機能にする(地主恵亮) 

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”しかし問題はある。それは、「これはなに?」ということだ。何に使うのかわからない。使い道がわからない。ただ金色で多機能なのだ。

木の棒を金色にして、機能性の高い物を取り付ける。そして途方に暮れています。18本で特集を組んでこそ現れるスカッとしたなんなのかよ記事。
    
棒人間を作ったぞ(ぬっきぃ)

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”はじめに棒人間の写真を見てください。だって、棒人間を作る意味がイマイチピンと来てないでしょ?

「意味がいまいちピンとこないでしょ?」という見透かされたような文章のあとに棒人間がこんにちはする写真(↑左)が入るので「かわいい!」と思わされてしまう、こんなライターの思うつぼになることがあるのか。
    
受肉せよ! サラミスティックロボ(藤原浩一)

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”受肉したサラミスティックロボは手で持ってみるとずっしりと重く、ひんやりとしていて、だから全身が肉でできているにも関わらずぼくは「超合金…」とつぶやいた。

「何かを受肉させてみたい」という意外な欲望に突き動かされる日もあります。


最後は何事かを試し答えを得た記事たち。棒をああしてやろうという、終わって得るものは知見のみ、動機ただひとつで動くパターンです。

検証

森にかっこいい枝を探しに行く(井口エリ)

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”「えーーーーどうしよう……選べない」もうすでに、私たちはそれぞれの枝に違う良さを見出してしまっている段階に来ている。選べないのだ。

かっこいい枝を探すというプリミティブな行為、やってみたらちゃんとハマれたうえ、参加者に「好みの枝」があることが判明。まだまだ人生は楽しめる、その手ごたえがありました。

これから働く人にバトンを渡しに行った  (スズキナオ)

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”友達は赤いバトンを持ったまま会社へ向かっていった。バトンを渡し終えた私の胸には、なんとも言えない達成感が沸き起こっていた。

大人になりリレーをする機会はない、その代わりに渡す就業のバトン。徹夜してから翌朝出勤する友達にバトンを渡すのかと思ったら徹夜せずに寝るのがみどころ。

ランチやってますののぼりがあればランチをやってるように見えるのか(林雄司)

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”つまりランチは僕らの記憶のなかにあるのだ。のぼりはそれを呼び起こす媒介でしかない。

ランチののぼりを立てたときに、人はそこにランチがあると思うか、いやいやさすがにないでしょと思うか。写真の死後感よ。

棒グラフにしやすい野菜は何か(トルー) 

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”「棒グラフっぽい野菜だな」ではなく「良い棒グラフだな」と思う。本当に歌が上手い人には「良い歌声だな」ではなくて「良い歌だな」という感想を持つものだが、それと同じことが起きた。

棒といえば棒グラフ、そこまではわかる。そこからなぜ野菜を持ってきたのか。記事には、栄養満点だから、とありました。そうか……。


というわけで、以上全18本、同じ棒をテーマにここまでかぶりなく創作ができました。

18年間ライターみんなで延々ネタを探して記事を作ってきましたが、完全にまだやれる余地を知った我々だったのでした。

あらためて18周年、ありがとうございます。今後ともどうぞよろしくおねがいします棒!


19周年は板、20周年は箱です

周年記念当日の夜、18年の歴史を年表をみながらみんなで振り返るYouTubeLIVEを配信しました。

そこで出たのが、18周年が棒なら19周年は板、20周年は箱なのではという話題。

ということは21周年は時間? というところまで話は及び、みなさま、続く21周年までぜひ引き続き見守ってください。

時間の記事を21本集めたらどうなるんだ!?

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