ショート記事 2024年11月4日

松茸を満足いくまで嗅ぐ

はじめて松茸を嗅いでみたら香りがよすぎて泣きそうになった。

こうなったら満足いくまで松茸を嗅ごう。ここでいう満足とは、涙を流すことである。

1993年生まれ。京都市伏見区出身、宮崎県在住。天性の分からず屋で分かられず屋。ボードゲームと坂口安吾をこよなく愛している。

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やってきた松茸

長野県に住む友人が採れすぎたという松茸を送ってくれた。

「キノコ」


松茸である。

規格外の妙チキリンなものが届くとばかり思っていたので、あまりに松茸然としている3本を見て少し引いた。圧倒的な威厳。本能レベルでひれ伏したくなる。

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 松茸はいい匂い

匂いを嗅いでみよう。

まさしく、永谷園の松茸のお吸い物のにおいだ!アレの再現性はすごいのだと衝撃を受けた。

そのあとに土だか森林だか、お吸い物にはない奥行きを感じ。吸い物が平面だとすれば本物は立体というか。森の情景までもが思い浮かぶ。

なぜだか泣きそうになった。

こうなったら泣くまで嗅ぎたい。

出そうになったアクビやクシャミが引っ込んだら気持ち悪いだろう。どうしても松茸の匂いで涙を流すべきだと思った。言い出したら聞かないタイプです。

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満足いくまで嗅ぐ

 とにかく嗅ぎまくろう。

泣けない。匂いの良さは変わらないものの情動が薄れてきた。

じゃあ一旦、松茸の母親になったつもりで抱きしめてみようぜ。

泣けず。数十分ねばったがダメだった。目覚めてしまった母性はこれから誰にぶつけたらいいのだろう。

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ホイル焼きにする 

埒があかないのでホイルで調理しよう。味なら泣けるかもしれない。

ホイルで包んで焼く
湯気がもわもわ
火を通して匂いが増幅した
味はどうか
うおっ……!!
うっめ……。

じゃくじゃくの歯ごたえ、ただ嗅いだときよりも遥かに強く感じる風味。うまい。誰だ、香り松茸味しめじとか言ったやつ。香りも味も松茸じゃないか。

泣けず

しかし泣けなかった。泣くほどではなかった。

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エキスで泣きたい

松茸を食べたあとのホイルにきらきら光るものを見つけた。

きらめく液体

松茸のエキスだろうか。黄金色の液体が溜まっている。

皿に移した

お釈迦様は苦行の果てに乳粥を供養されて悟りを開いたというが、自分にとっての乳粥がこの液体なのだと感じた。

よし、外に出て苦行しよう。苦行はつらいな、運動だ。腕立てだ。そのあとにエキスを飲む。そして泣く。

どりゃ!どりゃ!
木剣の素振りもした

ぜえぜえ。筋肉痛が確定する程度の運動をした(まじでやった)。

今しかない!ここぞとばかりにエキスを飲む! 

泣けず。

ただ、松茸は美味しくて好物に加わった。好きなものが増えるというのはいいことですね。

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