ショート記事 2024年10月14日

大祓式(おおはらえしき)の茅の輪を解体して焚く

大祓(おおはらえ)という神事の時期になると、神社に茅の輪が舗設されることがあります。

茅の輪は生草で作られているので毎年同じものは使えません。神事のあとで役割を終えたものは解体されます。その作業を今からやります。

1993年生まれ。京都市伏見区出身、宮崎県在住。天性の分からず屋で分かられず屋。ボードゲームと坂口安吾をこよなく愛している。

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大祓の茅の輪とは

大祓とは主に6月と12月に行われる神事で、知らず知らずのうちに身についた罪や汚れを祓い清めるものです。

主に人形や茅の輪を用いて厄を落とします。

自身の厄を移す人形
IMG_5435.JPG
中央にある輪が「茅の輪」というものです

さて、茅の輪はチガヤというイネ科の植物で作られた輪のことをいいます。チガヤを用いない場合もあるそうですが、その場合も大抵は茅の輪と呼びます。

茅の輪づくりの様子。作るほうは地方ニュースで取り上げられがち

茅の輪はくぐると厄災を祓うといわれていて、この厄祓いは日本神話の物語に由来します。詳しくは「蘇民将来」でググってください。

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茅の輪を運び出す

生の草で作ってある茅の輪は季節をまたいで使い回すことはできません。枯れてしまいますからね。使い回せたとしても祓の具なので問題がありそうですが。

時間が経って茶色くなっている茅の輪

一般に茅の輪は大祓のごく短い時期だけ舗設されます

しかし、僕の祖父が神職をつとめる神社では夏の間ずっと茅の輪があるのです。一体なぜでしょうか。

答えは、お盆休暇で故郷に帰ってきた人たちにくぐってもらうため、だそうです。おもてなしなんですね。ええ話や……(涙)

でももう10月なので片付けましょう。それでは作業をはじめます。

荒縄で固定してあるのでまずそれを切る
へにゃん
枯れているので軽いです
持っていきますよ~

あ、この先も特に盛り上がりません。のんびりやっていきましょう。

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解体・焚き上げ

そのまま人気の少ないところに運んできました。

解体していきます

それでは解体しましょう。茅を芯に縛り付けている縄を切ります。

剪定バサミで切る

縄を切ったら茅をほぐしていきます。

 

見てもらったほうがはやいな。こんな感じです。
ほら、こういう草でできてるんですよ
手が草にやられて痒くなるので注意。僕はポリシーで軍手をしていませんが、絶対にしたほうがいいです。

取り外した草は炉に入れます。神社で扱った品々はさいごに火で焚き上げることが多いですね。

火で浄化します。えげつない煙

して、茅の輪の芯はどうなっていたか!

ふにゃふにゃん

柔らかいパイプを円形に加工したものが芯になっていました。伝統的なものは竹を組み合わせて作ってあったりしますね。

祖父が畳んで小さくします
最後は壁に立てかけて終了!

これにて茅の輪の解体・焚き上げは終了です。なんてことのない定型業務をご覧いただきましてありがとうございました。

僕はあなたのなんてことのない業務も見てみたいです。見せてください!見せろ!

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