推す飯 第19回
「推す飯」とは、明るくてらいない気持ちでただ好きな飯を推す活動です。
- 鳥末食品「筑波巻」(パリッコの推し)
- 「いなりあげもち」「いなりもち」(古賀の推し)
- カルディ「混ぜるだけ中華おこわ」(パリッコの推し)
- からいすけ本舗「からいすけ」(古賀の推し)
- 志満秀「クアトロえびチーズ」(乙幡の推し)
- ワーフルハウス「ストロープワッフル」(乙幡の推し)
- ガム(安藤の推し)
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登場人物
妄想工作作家でライター。薄い食べ物をこよなく愛する。
酒シーンにおいて注目を集め続ける酒場ライター。うまいもの発見力にも定評がある。
編集部員で当企画の仕切り役。せっかちで早食いだが少食。
この大きいガムを頬張りたかった
パリッコ:
おっ、大道芸人みたいな。何かを始めそうな雰囲気ですね。
古賀:
こちらは安藤さんの推しの品「ガム」です! どういうことなんですか。ガムって。
安藤:
みなさん。これ、このガム知ってますか?
古賀:
お、おう……懐かしいですね。
安藤:
ガチャガチャで出るとくるくるまわりながら出てくるマシンありましたよね。あれをね、うちの親は絶対にやらせてくれなかったんです。
今はどうかわからないけど、当時は20円じゃなかったかな。あの大きいガムを頬張りたかった。あの憧れが、今、この量で買えるというのをお伝えしたかったんです。
古賀:
ガムの恨みを晴らしたかったんだ。
安藤:
みなさんおいしいお菓子っていろいろ大人になると知るじゃないですか。でも、子どもの頃の気持ちを忘れたくない。うまい棒然り、酢だこ然り、そして、ガム然りですね。
色はカラフルだけど、同じ味ですから。それぞれ好きな色をお取りください。
古賀:
これ、袋売り、そりゃ探せば業務用でもなんでもあるはあるだろうとは思いますが、なんていうか……そう、買おうと思ったことがなかったから「売ってるんだ!」って新鮮に感じますね。
安藤:
売ってます。一袋2000円しないです。ちなみに直径で種類があって、これはたぶん最大の21mm。あと13mmとか18mmとか、いろんなサイズがあります。
21mmがAmazonになかった! これは18mm
古賀:
ガムって直径で売り分けられてるんだ。
安藤:
これ、パッケージに本当に「ガムボールマシン用詰替えガム」って書いてあるんですよ。
乙幡:
規格通りに作ってるんだ。マシンの。
安藤:
そう。まさにこれが、僕が食べたかったものなんです。
飲んじゃだめなものを食べたかった
安藤:
そもそも、飲み込んじゃだめっていう食べ物を口に入れることってありますか?
パリッコ:
ガム以外では無いかもしれない。
安藤:
飲んじゃだめなものを、子どもの頃は食べたくてしょうがなかったんです。その意味のわからなさ込みで。
乙幡:
あの頃の夢なんだ。よし、じゃあ、いただきまーす。
古賀:
改めて口に含むと、でかい! 口内がフガフガ言う。
乙幡:
ああ、この味だよ。これだこれだ。
安藤:
自販機のガムってやったことあります?
乙幡:
安藤さんの言ってるやつよりも小さな自販機もあったよね。卓上の。それが13mmというやつなのかな。押すと出てくる紙のやつ。それを食べた覚えはあるな。
古賀:
あ~、小さいガムのガチャガチャもあった。相模原のオオヌマにあった気がする。
乙幡:
なに、オオヌマって。
古賀:
文房具とかファンシーグッズを売る店があったんですよ。よく行った。
安藤:
そういう懐かしい記憶が呼び覚まされるでしょう。
フルーツの概念みたいな味
乙幡:
これ、形容しがたいフレーバーですよね。何味って言うんだろう。
パリッコ:
フルーツの概念みたいなもの、なんでもないフルーツみたいな感じ。
安藤:
「味」ですよ。
古賀:
「味」そのもの。
乙幡:
ガムは味を吸い取ったら本体は用なしですしね。
古賀:
ガムから味をつばに移して飲んでるわけですからね。
乙幡:
味を唾液が引き取りに行って帰ってきて終わりってことですよね。
安藤:
ガムほんとにわからないんですよ。何がしたいんだろうと思って。
パリッコ:
そこがいいってことですよね。
ガムは金持ちが噛んで捨てるものだった
安藤:
憧れてたんですよ。このガムに。本当に憧れがあって。
古賀:
ガチャガチャ的なものって本当に憧れますからね。
乙幡:
親に秘密で仲間と買いに行くみたいなこともなかったんですか。
安藤:
自分で買うなら、チョコでしょって思ってたんですよ。ガムって食べられないものなんだから。
古賀:
そうか、ガムはぜいたくな品だったんだ。
安藤:
そんなものにお金を払うんだったら、もっとカロリーが取りたかったんです。
乙幡:
カステラみたいなものとか。
安藤:
そうそう。カロリー重視だったので、ガムは金持ちが噛んで捨てるもの。
パリッコ:
ガム……そうなのかな!?
料理味のガムはまだ出ないのか
パリッコ:
大人になるとあまりカロリー取れなくなるじゃないですか。常々焼き肉味のガムとか、そういうのがあったらいいのになって。酒のつまみにもなるし。
乙幡:
ドラえもんの世界ですね。食べたつもりになる。
安藤:
ケンタッキーフライドチキン食べたいじゃないですか。一個食べたら限界。あれガムだったら何個でも食べられるのにって、ほんとに思いますね。
パリッコ:
ケンタッキーとかマクドナルドとか各チェーン店でガムを置いてくれたらいいのに。
安藤:
そしたら、ケンタッキー食べたあとにココイチも食べられるんですよ。
乙幡:
天下一品も。
古賀:
10代の胃が帰ってくる。
安藤:
ガムこれから来るんじゃないですか。テクノロジーが進化したら、ガムに肉味とかついたらそれでいいんですよ。
パリッコ:
テクノロジーが進化しないと作れないのかな。すぐにでも作れそうな気もしますけどね。
乙幡:
ガムで油のギトギト感も表現できたらすごいですよね。ケンタッキーとか半分は油の味じゃないですか。
安藤:
結局は味覚、電気信号を脳に伝えるだけだから、そこを騙せばいけるんじゃないかな。
パリッコ:
そこまで行けばガムもいらないですね。信号で飲めるから。
安藤:
捨てる紙探さなくて済む。ガムって捨てる紙を探さないとだめなんですよね。
がんばれ、ガム
乙幡:
ガムって消費量減ってるって聞きますよね。
安藤:
買わないですもんね。
古賀:
板ガムってもうあんまり種類見ないですよね。
安藤:
グミの台頭。あれがでかいですよ。
パリッコ:
ぼくはグミが好きで好きで。
安藤:
グミは最後に食べられるから。あれが出たことによってガムは行き場を失ったわけすよ。
パリッコ:
名前もガムとアメの間ぐらいの絶妙なところをついてきて。
安藤:
名前からなにから、グミはガムを潰しに来てますよ。
パリッコ:
グミ、新製品のラッシュもすごいですよね。
古賀:
やわらかいやつから、かたいやつから、変な形のやつからあるもんね。
安藤:
なんとかガムには生き残ってもらいたいです。
古賀:
捨てる紙を探すあの感じ、失われるべきではないですね。
安藤:
今日はガムの話ができてよかったです。
古賀:
日頃ガムのこと考えないですからね。
乙幡:
よかった。
推す飯 第19回
「推す飯」とは、明るくてらいない気持ちでただ好きな飯を推す活動です。
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