特集 2016年12月27日

愛情と欲望の彩る、ライターという人生~2016年「ライター」記事総集編

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楽しかった2016年も今週いっぱいでおしまい!今日からデイリーポータルZは年末年始企画でおおくりします。12/26~28の3日間は、1年の記事を振り返る年末総集編。

初日は「ライター」編と題しまして、個人的な趣味が色濃すぎる記事や、本人の人生に触れてしまった記事など、とにかく書いたライターの匂いが強くしみこんだ記事をピックアップしてお送りします!選者は編集部・石川です。
インターネットにラブとコメディを振りまく、たのしいよみものサイトです。

前の記事:先祖が大河ドラマに、水どう藤村Dに叱られる 今週の人気記事

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1.情熱が濃い

ライター陣はもともと趣味趣向の濃厚な人たちの集まりではあるのですが、そんななかでも年に何本か、めんつゆの原液みたいな濃縮された記事が登場します。急に沸点上がっちゃったみたいな突発的な記事から、ライフワークとしてがっつり濃縮された記事まで。涼しい顔してコップにトクトクと注がれた記事、麦茶かと思って飲むと麺つゆなのでびっくりします。

箱、箱、箱! Amazon箱コレクターの日常
2016年8月25日公開 ライター:斎藤公輔

"集め続けて早8年。いまでは計77種類のAmazon箱(廃番になった箱も含む)を所有している。"
タイトルから変わったマニア/コレクターの取材記事かとおもいきや、取材先が自分という事例がしばしばあります。モデルチェンジを含めると無限に存在しそうなバリエーションに果敢に挑む姿勢がすごい。
変わったもの集めてる人がいました、が取材先でなく自分だった事例。モデルチェンジを含めると無限に存在しそうなバリエーションに果敢に挑む姿勢がすごい。

かんたん!ハーレクイン入門
2016年10月8日公開 ライター:おおたかおる

"ヒロインがドレスを着ていてヒーローがかっちりした感じの服を着ている表紙のものは、かなりの確率でリージェンシーである。"
特に自分のことは書いていない情報記事なのですが、パッションがにじみ出すぎていて何度読んでもおおたさんの顔が浮かんできます。にもかかわらず「私はハーレクイン歴が浅く」で締めるあたり、本物だ…という感じがします。
特に自分のことは書いていない情報記事なのですが、パッションがにじみ出すぎていて何度読んでもおおたさんの顔が浮かんできます。にもかかわらず「私はハーレクイン歴が浅く」で締めるあたり、本物だ…という感じがします。

毒グモ! セアカゴケグモとクロゴケグモに咬まれてみた
2016年10月29日公開 ライター:平坂 寛

"左胸が痛み出す。少しばかりの危機感を覚える。 また、ここでようやく「あれは断じて甘噛みではなかった」ことを確信する。"
タイトルに2種類のクモが出てきますが、違うんですよ。サソリとかグンタイアリとか13種類に噛まれたレポートです。ここまでくるともうライフワーク(というかデスワーク。毒だけに。)
タイトルに2種類のクモが出てきますが、違うんですよ。サソリとかグンタイアリとか13種類に噛まれたレポートです。ここまでくるともうライフワーク(というかデスワーク。毒だけに。)

もう奥歯はセクシーな脚にしか見えない
2016年2月18日公開 ライター:小堺丸子

"なんだここは。お口のなかがキャバクラに見えてきた。"
突発的に濃いのが出てきた例。すみません、変態の記事が2本続きます。まずは口の中にエロスを見出すこちら。このあと、人形を作り始めてどんどんイメージが具体的になっていきます。本編でどうぞ。
突発的に濃いのが出てきた例。すみません、変態の記事が2本続きます。まずは口の中にエロスを見出すこちら。このあと、人形を作り始めてどんどんイメージが具体的になっていきます。本編でどうぞ。

肌色に塗ったモビルスーツの太ももがセクシーすぎてヤバイ件
2016年4月13日公開 ライター:松本圭司

"思いだして欲しい。僕はガンプラの写真を撮って公開しているだけである。"
タイトルを見ると「あ、その手があったか!」と思うネタですが、記事を読むと思ったよりライターのテンションが高く、ちょっと大丈夫かなという気持ちになります。
タイトルを見ると「あ、その手があったか!」と思うネタですが、記事を読むと思ったよりライターのテンションが高く、ちょっと大丈夫かなという気持ちになります。

白塗りをしてチャートを作ろう
2016年6月20日公開 ライター:さくらいみか

"実際にメイクするときも、まず人間寄りのものからまとめてするとやり易かった。"
白塗りを7種類してみたい!とすごく歪んだ方向に進化した、メイクへの興味。最終的には「あなたにピッタリの白塗りメイク診断」に。
白塗りを7種類してみたい!とすごく歪んだ方向に進化した、メイクへの興味。最終的には「あなたにピッタリの白塗りメイク診断」に。

ドローンで飛ばせセミの抜け殻
2016年1月27日公開 ライター:伊藤健史

"これは進めちゃったな。進化の針。"
ライターの一途な思いに心を打たれてのピックアップですが、肝心の抜け殻は途中でドローンの機体にあたって粉砕されたりと割とひどい目に。
ライターの一途な思いに心を打たれてのピックアップですが、肝心の抜け殻は途中でドローンの機体にあたって粉砕されたりと割とひどい目に。

柴犬のカレンダー12カ月分を1日で無理やり作ってみた
2016年1月16日公開 ライター:ヨシダプロ

"ギャグ漫画の最後のコマのような悲しい画であるが、とりあえずこれで体育の10月とさせていただきたいと思う。"
あふれる犬顕示欲。自由奔放な飼い犬で作るカレンダーは、逃走していたり舞い散る落ち葉に怯えて後ずさっていたりと、やらされてる感全開の仕上がり。
あふれる犬顕示欲。自由奔放な飼い犬で作るカレンダーは、逃走していたり舞い散る落ち葉に怯えて後ずさっていたりと、やらされてる感全開の仕上がり。

おまけ

楽しい「パンかケーキか会議」
2016年7月26日公開 ライター:北村真一

"母が「冷蔵庫にケーキから2階級下の食べ物があるから帰ったら食べなさい」と言ってくれればこちらも過度な期待はしない。"
それ完全にお前の主観だろ、という問題も、DPZライターの人数の多さにかかれば協議の上の合意形成が可能。散々話し合った結果が「お母さんへの愚痴」へ回収されるというパーソナルすぎる展開が渋かった1本。
それ完全にお前の主観だろ、という問題も、DPZライターの人数の多さにかかれば協議の上の合意形成が可能。散々話し合った結果が「お母さんへの愚痴」へ回収されるというパーソナルすぎる展開が渋かった1本。
いったん広告です

2.エピソードが濃い・欲望が濃い

たいていの記事は事前に企画を考えて撮影するものですが、ときには普通に生活していてものすごい体験をしてしまい、記事にするというパターンもあります。そんな素の生活から生まれた記事の数々をご紹介しましょう。後半にはライターの欲望をそのまま実行した記事も入れてみました。

海外で大事な物をなくすとどうなるのか
2016年7月12日公開 ライター:ネッシーあやこ

"ちなみに数日後、立て続けで恐縮なのだが、今度はパスポートを紛失した"
海外旅行で携帯を落とし、直後にパスポートも落とすという豪快さ。その後<a href=「海外でなくしたもの」という投稿コーナーにも発展。なくした者同士、傷をなめ合いました。" />
海外旅行で携帯を落とし、直後にパスポートも落とすという豪快さ。その後「海外でなくしたもの」という投稿コーナーにも発展。なくした者同士、傷をなめ合いました。

日中ひとりの寂しさから人形で友達を作ってみた
2016年10月6日公開 ライター:ぬっきぃ

"丁度ベーコンを焼いて食べていたので「こんべー」という名前にしました。"
寂しさを紛らわそうと作った人形、一緒に旅行に行ったりするうちに愛着がわき、また家族関係にも影響が。入稿当時、もっと地味な人形を想像してたら予想外にアメリカンで笑いました。
寂しさを紛らわそうと作った人形、一緒に旅行に行ったりするうちに愛着がわき、また家族関係にも影響が。入稿当時、もっと地味な人形を想像してたら予想外にアメリカンで笑いました。

先祖が大河ドラマに!盛り上がる子孫(=私)
2016年12月17日公開 ライター:さくらいみか

"見ているうちになんかこう「子孫として負けてられるか!!!」 という衝動に駆られ始める。"
実家に資料館があるという出自からまずおもしろいさくらいさん、ついに先祖が大河に。俳優のインタビューにも成功し、子孫生活を堪能しました。
実家に資料館があるという出自からまずおもしろいさくらいさん、ついに先祖が大河に。俳優のインタビューにも成功し、子孫生活を堪能しました。

紛失したiPhoneを走って捕まえるまでの話
2016年1月28日公開 ライター:小堀友樹

" 全力で走って追いかける。 見せるぜ!帰宅部の意地!"
タイトル通りの内容ですが、この記事をきっかけに、小堀さんは後日テレビの報道番組でインタビューもされました。iPhoneなくしてニュース沙汰になった男です。
タイトル通りの内容ですが、この記事をきっかけに、小堀さんは後日テレビの報道番組でインタビューもされました。iPhoneなくしてニュース沙汰になった男です。

タバコ屋のおばちゃんになりたい
2016年5月2日公開 ライター:土屋遊

"家族連れ、カップル、子供たち、買い物帰りの主婦らが行き交うこの光景。それぞれの生活を抱えながら歩いていくサマを、わたしはこの窓からスクリーンのようにして眺めたかったのだ。"
た
欲望シリーズ。GWのとくべつ企画「生きてるからにはやっておきたいこと」シリーズからの1本。他にもダイイングメッセージを残したり袖で止血したりと一気放出した感のある一週間でした

それ、迷ってるなら2個たのんでみよう
2016年2月19日公開 ライター:ネッシーあやこ

"生ビールと黒ビールを頼むと、好きなタイミングでハーフ&ハーフのビールが自作できる! "
今年1年間で最もライター自身の欲望のままに行動した記事がこちら。チキンナゲットのソースからスタバのフラペチーノまで、迷ったらすぐ両方頼みました。
今年1年間で最もライター自身の欲望のままに行動した記事がこちら。チキンナゲットのソースからスタバのフラペチーノまで、迷ったらすぐ両方頼みました。

おまけ

最強の罰ゲームは「自分の長所を言う」だ
2016年3月17日公開 ライター:與座ひかる(udemerry)

"他人が発表する本気の長所が、こんなにも生々しいとは思っていなかった。"
特に自分だけにフォーカスしている記事ではないのですが、自分で考えた企画に心を強くえぐられるライターの姿に心を打たれ、ピックアップ。2017年の書初めは自分の調書でいかがでしょう。
特に自分だけにフォーカスしている記事ではないのですが、自分で考えた企画に心を強くえぐられるライターの姿に心を打たれ、ピックアップ。2017年の書初めは自分の調書でいかがでしょう。
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3.人生が濃い

人生は誰だって濃いんですよ。生きとし生けるものすべてに濃厚な人生がある。もちろんライター達も例外ではなく、そしてそんな人生の一部が記事に顔をのぞかせることもあります。友人、親子、ペットに同僚、そして鉛筆の芯まで。様々な切り口から切り取られた、「人生」を感じる記事を集めました。

我が家の猫が20歳を迎えました
2016年9月1日公開 ライター:木村岳人

"人間と同様、猫もまた年を取ると色々な面で老いが滲み出てくるものである。とはいえ、この程度の介護であればむしろ望むところだ。"
高校生の頃に自分が拾ってきた猫、それから20年が経過しました。老猫との暮らしや介護の様子が紹介されています。
高校生の頃に自分が拾ってきた猫、それから20年が経過しました。老猫との暮らしや介護の様子が紹介されています。

35歳にしてアメリカ人であることが発覚した話
2016年7月4日公開 ライター:榎並紀行

"日本国籍を選択した時点で、自動的にアメリカの国籍は失われるものと思っていた。だが、どうもそれは違うらしいのだ。"
「元アメリカ人です」が持ちギャグだった榎並さん、実は「元」じゃなかったことが発覚。続編<a href=「アメリカ人をやめるかどうかの面談に行ってきた話」もあわせてどうぞ" />
「元アメリカ人です」が持ちギャグだった榎並さん、実は「元」じゃなかったことが発覚。続編「アメリカ人をやめるかどうかの面談に行ってきた話」もあわせてどうぞ

ハトマスクの会社の倉庫が巨大だった
2016年6月6日公開 ライター:林雄司

"ジャンルと言ってもsnake, voodooなどピンポイントの分類である。 こちらはvomit(嘔吐)の箱。"
コストコみたいな巨大な倉庫にびっしりのおもしろグッズ。おもしろにかける熱量も物量もすごい。親交深まりすぎてついにフィギュアにもなりました。
コストコみたいな巨大な倉庫にびっしりのおもしろグッズ。おもしろにかける熱量も物量もすごい。親交深まりすぎてついにフィギュアにもなりました。

子供の寝顔へのキスを機械化して完全な間接キスを実現した
2016年9月6日公開 ライター:大北栄人

"……332、331、331……366、403! 403だ! キスだ! そして416! 400を超えたのだ、なんてこった、キスだ、私は今キスをしている!"
キスを嫌がる娘に、マシーンでキスを。愛娘への愛情表現に電子工作を介入させた結果、急にドラゴンボールのスカウターみたいなことに!
キスを嫌がる娘に、マシーンでキスを。愛娘への愛情表現に電子工作を介入させた結果、急にドラゴンボールのスカウターみたいなことに!

俺たちのトイレトレーニング
2016年10月3日公開 ライター:小野法師丸

"今でこそ粗相は年に数回程度となった私だが、あの頃の自分はかなりのフリースタイル派だったようだ。"
黒歴史に至る以前、まだ無意識だったころの自分を両親にヒアリングしました。「グルグル回ると肩を脱臼する」などショッキングな事実が続々明らかに。
黒歴史に至る以前、まだ無意識だったころの自分を両親にヒアリングしました。「グルグル回ると肩を脱臼する」などショッキングな事実が続々明らかに。

体内に30年埋まっていた鉛筆の芯を取り除く
2016年11月16日公開 ライター:ネルソン水嶋

"今の私の年齢に倍掛けると65歳とちょっと。なんだかまるで人生の折り返し地点でマイルストーンのようにホクロを置くみたい"
手の甲でずっと一緒に過ごしてきたパートナーをついに摘出。前夜には芯への手紙もしたためました。
手の甲でずっと一緒に過ごしてきたパートナーをついに摘出。前夜には芯への手紙もしたためました。

乙姫滝で音姫を作る
2016年4月7日公開 ライター:石川大樹

"つかみどころのなかった藤原さんと、僕が、この旅を通して「友」になる。それがこの記事のテーマである。"
企画の体を装い、無口な同僚と仲良くなるための日帰り旅行。不器用な二人は果たして仲良くなれたのか?
企画の体を装い、無口な同僚と仲良くなるための日帰り旅行。不器用な二人は果たして仲良くなれたのか?

友人と平和友好条約を締結する
2016年5月20日公開 ライター:住正徳

"吉川さんが条約の中身を吟味し始めてしまった。 そして、 「何かの保証人とかじゃないですよね?」 と言った。"

愛情と欲望にまみれて

ときに情報サイトとかネタサイトとか言われるデイリーポータルZですが、実は一番の見どころはライターたちの「素」の部分なのではと思っています。にじみ出る愛情、あふれ出る欲望。そんな生々しい部分を集めた総集編初日は、これにて以上です。

2016年総集編、明日は急に即物的なテーマ「たべもの編」です。今からおなかすかせて待ってて!!
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