アーチーマクフィーとは
本編に入る前にアーチーマクフィーの説明をしたい。僕が大量に買ったハトのマスクを製造販売しているお店だが、それ以外にもおかしなものを売っている。いや、おかしなものしか売ってないのだ。
マスクも鳥や馬だったのだが、新しい商品は吠える狼やカマキリをモチーフにしていて、次のステージに行った感じがする。
racoon(アライグマ)praying mantis(カマキリ)と聞き慣れない単語の商品たち
車のダッシュボードのうえで揺れる人形
ベーコンのオーナメントとテープ
詳しくは
サイトを見て欲しいのだが、つまりこういうおもしろグッズを30年売っている勇気づけられるお店である。まさにawesomeだ。
お店の屋号がアーチーマクフィーで、製造・卸を行っている会社名がアクートルメンツaccountrements という名前である。この単語を辞書で引くと、「主な衣類以外で身につけるもの」と書いてあった。それがハトマスクなのか。
ということでアーチーマクフィーの説明はここまで。
ボーイングと並ぶシアトル郊外の企業
さて、昨年お店を案内してくれたデイビッドさんが帰り際、こんど来たら倉庫を案内するよと言ってくれたのだ。おお、それはぜひ見たい。
アメリカには社交辞令という言葉はないと思うので(僕にもない)、図々しくもまたシアトルに行くのでオフィスを見学させてくれないかとメールを送った。
すぐにOKとの返事が来た。だがシアトルの中心地から車で40分ぐらいの場所にあるという。
本社の住所を調べてみると、先日
べつやくさんが取材したボーイングの工場の近くだった。シアトルの2大企業がシアトルの北にあるのだ(この表現が冗談ではないことは次ページ以降明らかになる)。
そしてシアトルの中心地がからLyft(UBERみたいな配車サービス)でスカッと移動した。
ちゃんとおもしろいようにデカ頭を持って行った。正装である。
前回もお店で迎えてくれたDavidWahlさんと再会
実はこのデカ顔マスクはたたんで持ってきたため(完成した状態だと車に乗らないのだ)、会社に入る前に駐車場で20分ぐらい組み立てていた。
自由。期せずして自由の国アメリカを味わってしまった
そのときにデイビッドさんがちらっと顔を出していたのだが、その再会はなかったことにして改めて歓迎の写真をとらせてくれた。
気づかいはワールドワイドである。
ウェルカムボードの前で。
当然、かぶったりして遊ぶ
しばらく会社の入り口で僕の頭をかぶったり、かぶせたりして写真を撮りあった。そうだ、デイビッドさんに言おうと思って “We are get along!”(おれたち気が合うな!)というセンテンスをおぼえてきたのにすっかり舞い上がって忘れてしまった。
でも写真を見る限り伝わってるので良しとしよう。
驚きの倉庫!
社内に案内されてまず見えたのは昔のアーチーマクフィーのカタログである。
社長がタイプライターでぽつぽつ作っていたそうだ。
当初は変わったものを集めて売っていたらしいが、やがてオリジナルの商品を作るようになったという。そのときに社長が中国に何十回も通い、中国の工場といい関係を築いたそうだ。
おもしろいものに掛ける情熱がすごい(これ、今回の訪問で20回ぐらい思った)。
そして通された倉庫がすごかったのだ。
どーん
ひょえー
コストコかボーイングかと思う広さである。
3階ぐらいありそうな天井まで商品が積まれている。このなかのひとつひとつがハトのマスクだったり、目がたくさん付いているモンスターの人形だったり、ボタンを押すとヨーデルを歌うピクルスだったりするのだ。
ちょっとおもしろいものがこんなに!こんなにたくさんあるのにひとつも役に立つものがない!すばらしい。世界はこうなるべきだ。
ここから全米に送られたり、通販サイトで注文があったものがピックアップされて送られるのだ。
ちなみに従業員は30名だそうだ。思ったよりも少ない。そして僕のHow many employees~という英語が通じて嬉しかった。
まじめにおかしい
倉庫の写真を見てもらっても分かる通り、きれいだし整理整頓されている。それだけではない。
これまで発売された商品がすべて管理されて保管してあるのだ。
箱の外には保管しているもののリスト。emergency toilet paperやcat buddaなど気になるものばかり
ひとつ開けたところ。これはドーナツ型の栓抜きとフライドポテト型のカメラだった。
ここで1日じゅう箱をあけていたい。
もうひとつ、参考のために買った他社製品もジャンルごとに分けて保管してある。ジャンルと言ってもsnake, voodooなどピンポイントの分類である。
こちらはvomit(嘔吐)の箱
やっぱり1日じゅう箱をあけていたい!!
snakeやvoodooはわかるがvomitは知らなかった。デイビッドさんがあけてくれないと見られないところだった。ありがとう。そしてvomitの単語の意味はもう忘れることはないよ。
そしていま販売中の商品を並べている部屋もあった。
この部屋を2回通ったのだが、ずっとそこで考えている人がいた。
やっぱり仕事は真剣ですね、そうデイビッドさんに伝えようとしたが、同じ部屋にあった顔ハメの使用例を示してくれていた。
ものすごくいい人だ
プロジェクト管理をしていた
次にデザインしている部署を見せてくれた。
流行のスタンディングデスク
こんな素敵な環境でデザインしていたとは。サンフランシスコでいまIT業界でいちばんイケてるという評判のAirbnb社のオフィスを見学したのだが、見事にそこもスタンディングデスクであった(余談だが、寝っ転がってクッションの上にパソコンを置いて仕事をしている人もいてキーボードの高低差がすごかった)。
そして壁にはプロジェクト管理のボード。
左からIDEAS→IN DESIGN(デザイン中)→WAITING FOR QUOTE(見積もり待ち)と段階が進む
ちゃんとしている!ちゃんとしているが、BIGFOOT MINTやPUG MANなどと書いてあるのがおもしろい。マイクロソフトやアップルの新しいOSのコードネームっぽい響きだが、ここだと本当にそのまんまのものが出てくる。かっこいい。
そしてハトマスクのアクションフィギュアを作っていると教えてくれた。
「これはYujiだ」とのこと
おれフィギュアである。PIGEON MANもついにフィギュア化である。
この色のパーカーを買って完全に一致させたい(赤いスニーカーは持っている)。
また大量注文しそうな予感をびんびんに感じている。近所の家に「これ、僕なんですけど」と言って訪問販売したい。
売れるかどうかよりも反応が楽しみだ。
モデルデビューを果たす
そして我々見学一行は撮影スタジオに案内された。ウェブサイトに載っている商品写真を撮っているスタジオである。
僕はここでハトマスクをかぶった写真と目が飛び出たメガネをかけて写真を撮った。
なにかの記念写真かしらと思っていたのだが
後日、モデルになっていた!
モデルとして全米デビュー、セレブの仲間入りだ。世の中の人間をモデルになったことがある人とない人に分けたら僕はナオミ・キャンベルと同じ側である。ボーダーをこえた。
これから名刺の肩書にモデルという単語を追加しておきたい。
写真の質感がアメリカっぽいのに自分が写っているのが新鮮
アーチーマクフィーのサイトにはアニメGIFが多いのだが、僕の写真もアニメGIFにして送ってくれた。
写真でアニメGIFを作る人に悪い人はいない(持論)。
今回も爆買い
見学の最中、倉庫で好きなものを持って行っていいとうれしょんしそうなことを言われた。
そして帰りにはお店まで送ってもらってまたそこで大量に買い込んだ。
ものすごく興奮したのだが僕はカメラを持っていたので僕の写真はない。喜ぶ妻の写真をどうぞ
倉庫でものをもらったところ。
お店のタコ足ふろで。
ちなみにべつやくさんが4年ぐらい前にプープーテレビで骨漫才として使っていた指人形、あれもアーチーマクフィーのものだったのだ。当時はそうとは知らずに使っていた。
ハトイベントやろう
アーチーマクフィーの倉庫は清潔で巨大だった。
これまでの製品も管理して保管してあるし、資料もきれいに保管してあった。製品の工程管理も可視化されている。
これだけ読むと自動車工場のようだけど、ここで作られているのがハトマスクだというのが最高である。
やっぱりハトマスクでハトバスを借りるイベントやんなきゃな、と飛躍した義務感が生じている。
社長のマークさん、べつやくさんのタコ足を抱きしめる