ふつう特集 2021年3月31日

コーラ味のグミを食べ比べ「コーラアップ」の良さを再確認する

酒飲みなのでふだんは甘いものをそんなに欲さないほうなんですが、「グミ」だけはなんだか妙に好き。月に1、2度、無性に食べたくなって衝動買いし、「半分だけにしとこ」と思いつつ勢いでぜんぶ食べてしまって、胸焼けとプチ後悔をしたりしています。

最近はさまざまな味のものがあるグミですが、僕にとっての基本はなんといっても「コーラ味」。あのどこか嘘っぽい、だけど妙に脳のアドレナリン分泌をうながすような、他にないフレイバー。子供の頃に初めて出会ったグミが「コーラアップ」だからというのも大きい。

よし、コーラ味のグミを手当たり次第に食べ比べ、あらためて「ふつう」のコーラグミ、コーラアップの良さを再確認しよう!

1978年東京生まれ。酒場ライター。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。ライター・スズキナオとのユニット「酒の穴」としても活動中。

前の記事:大好きだった高円寺の「大陸バー彦六」が国分寺で超進化していた


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時代や進み、いまやなにをとってもバリエーションのゆたかな世の中になりました。しかしそのベースとなるものを軽んじて良いのでしょうか。否! デイリーポータルZは春休みを記念し、「ふつう」を再発見します。
さあ、この店でいちばんふつうのものをくれたまえ!
 

食べはじめてはみたものの……

さっそく地元のコンビニとスーパーを回り、ありったけのコーラ味グミを買ってきました。

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ちょっと回っただけで12種類も!

ふだんはあまり意識してなかったけど、コーラグミの人気ってやっぱりすごいんだな〜。

さてさて、では食べ比べていくぞ〜! と、意気揚々と1袋めを開け、2袋めを開け、3袋目を開けたくらいでもう気がついてしまいました。最近のグミ、多様すぎて、体系だてて把握するの無理!

当初は「甘い←→酸っぱい」「やわらかい←→硬い」の十字グラフを作り、そこに各グミを配置していこうなんて考えていたんですが、そんな単純なもんじゃない。

そもそも年齢のせいもあり、「あれ? さっきのグミとこっち、どっちが酸っぱかったかな?」なんて行きつ戻りつしていると、すぐに自分の1日の「グミ許容量」がいっぱいになってしまって、とても12袋を一気に食べ比べることができません。

ただ、気づいたことに、それぞれのグミには「属性」とも呼べるような個性があれこれ備わっているということ。今回は、そんな属性とともに、食べた時点でのインプレッションや味の感想を記録していこうと思います。

meiji「コーラアップ」

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meiji「コーラアップ」

考えてみれば真新しいグミにばかり浮気し、かなり久々に買ったような気がするコーラアップ。僕の子供の頃の記憶では、なんか透明のフィルムのようなものにひとつひとつ貼りついていて、それをペリリとはがして食べるスタイルだった気がする。質感ももっと、むっちりペトペトしてたような気がする。

ところが現在のコーラアップ、ご覧のとおりの独立型。パッケージのキャッチコピーも「超弾力! ハードグミ」となっています。そうかそうか、お前も時代に合わせて進化してたのか。そもそも僕のコーラアップに対するアップデートがなされてなさすぎか。

とはいえ実際に食べてみると、ハードさもありながらむっちりと適度な食感でバランスが良く、そして何より「これこれ! これがグミのコーラ味だよ!」っていう安心感もあり、やっぱり美味しいです。

【属性】バランス重視

HARIBO「ハッピーコーラ」

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HARIBO「ハッピーコーラ」

じゃあコーラアップに近そうなところから攻めてみようと手にとった「ハリボー」。100年以上の歴史を持ち、ヨーロッパでは知らない人がいないほどの定番グミだそう。ハリボーはドイツの会社ですが、僕が買ったこのパッケージの原産国はハンガリーとありました。

もちろん僕も食べたことがあったんですが、単体で食べるのとコーラアップと比較するのではまったく印象が違いますね。まず、こんなに!? ってくらい硬い。そして、自分が慣れ親しんできたコーラ味とは似て非なるもので、あと味にべっこう飴のような甘さが長引きます。

【属性】ハード/甘味/異国み

UHA味覚糖「コグミ ドリンクアソート」

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UHA味覚糖「コグミ ドリンクアソート」

これまた質感的には似てそうな「コグミ」。やっぱりコーラアップに近い安心感がありつつ、コーラ、ソーダ、ホワイトソーダ、メロンソーダの4つのフレイバーと、食べやすいミニサイズ、さらにコーラアップよりは若干柔らかめの食感がお子さまに受けそう。

【属性】バランス重視/アソート

NOBEL「ちびSOURS ドリンクアソート」

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NOBEL「ちびSOURS ドリンクアソート」

実は僕がいちばんよく買っているグミがこれで、「グミはちびSOURS ドリンクアソートこそ至高」とすら思っている節のある一品。

最近主流の酸っぱいパウダーでコーティングされていますが、酸味がそこまで強すぎないのもちょうどよく、適度な硬さと弾力も心地いい。

また僕、子供っぽくてお恥ずかしい限りなんですが、コーラ味はもちろん、ソーダ味とメロンソーダ味のグミも大好きなんですよね。特にサワーズのメロンソーダ味は香りが過剰で最高。そこに箸休めというかグミ休め的に加わるレモンスカッシュ味の、若干の没個性感がまた好ましいんです。

……何言ってるかわかんないですかね。

【属性】弾力/酸味/ジューシー/アソート

NOBEL「カメカメSOURS コーラ」

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NOBEL「カメカメSOURS コーラ」

印象はちびサワーズとあまり変わらないですが、ちょっと大きいのと亀を模した複雑な形をしているので、食感がおもしろい。

【属性】弾力/酸味/ジューシー

Kabaya「タフグミ」

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Kabaya「タフグミ」

あ、初めて食べたかもしれないけどこれはいいぞ!

噛むと絶妙に歯を押し返してくるような弾力が気持ちいい。周りのパウダーはサワーズより酸っぱいけど、本体のグミのサイズ感が絶妙で味のバランスが取れています。コーラとソーダに加え、よく考えると謎な「エナジードリンク味」もインパクトある香り。グミにしては思い切ったサイコロ型というのもいい。

個人的にかなり好きですね。

【属性】弾力/酸味/アソート

いったん広告です

Kanro「カンデミーナ スーパーベスト」

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Kanro「カンデミーナ スーパーベスト」

いや〜食べ比べっておもしろいな。サワーズなんかと近いのかと思いきや、弾力を捨てて属性を「ハード」に振り切ったような食感がおもしろいです。そしてかなり酸っぱい。

グミひとつひとつがけっこう小さく、それが硬さと酸っぱさをよりきわだたせていて、ハード嗜好の方におすすめ。

【属性】ハード/酸味/アソート

ブルボン「フェットチーネグミ コーラ味」

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ブルボン「フェットチーネグミ コーラ味」

「イタリアンパスタ、フェットチーネのような形状で、少し硬めのアルデンテな弾む噛みごこち」がコンセプトのこちら。確かに弾力があるのに柔らかく、クセになる食感です。

が、それ以上にびっくりしたのが香り、もちろんベースはコーラ味なんですが、今までのグミに感じなかった「ショウガ」の香りがけっこうしっかりとあります。とはいえ、食べ比べてみないとわからなかったであろうバランスではあるんだけど。酸味もがっつり。

【属性】独自進化/酸味/ジンジャー

Kanro「カンロ ザ・ストロンググミ 濃厚コーラ味」

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Kanro「カンロ ザ・ストロンググミ 濃厚コーラ味」

いわゆるバンドのセルフタイトルアルバムのように、社名が品名に入れこまれてあることからも自信のうかがえる一品。これまたすごい。

ハードグミを皮のように覆うソフトなグミという二重構造になっていて、最初はほんのり酸っぱく、中はかなり甘い。つまりは食感も味覚も多元的で、もはや何らかのフルーツを食べているようです。

もしもコーラがフルーツだったら、その実はこれだな。

【属性】独自進化/酸味/甘味/果実み

UHA味覚糖「コロロ コーラ」

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UHA味覚糖「コロロ コーラ」

うわ〜、なんだこれは! さっきもフルーツっぽかったけど、これはもはやなんでしょう? 人間の科学力によって生み出された、どの果実よりもジューシーな果実というか? とにかく、特許まで取ってあるという「独自に編み出した配合と外側のコラーゲンでつくりだされる食感」が衝撃的にジューシー。

前言撤回で、もしもコーラがフルーツだったらその実はこっち。さっきのカンロ ザ・ストロングは、それをおばあちゃんが干した「干しコーラ」ってところでしょうか。

【属性】独自進化/甘味/果実み/ジューシー値暴走

meiji「大粒ポイフル コーラ&ソーダ」

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meiji「大粒ポイフル コーラ&ソーダ」

薄い飴のような層がまわりにあって、しゃりっと噛んでから本体が現れるタイプ。香りが華やかで、酸味もしっかりとありますね。

「ポイフル」っていう商品名のイメージになんとなくぴったりな食べやすさもいいです。

【属性】独自進化/コーティング系/酸味/アソート

NOBEL「ペタグー コーラ」

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NOBEL「ペタグー コーラ」

ラストにきてこんなにも驚かせてくれるとは、グミの世界は奥深いな……。

はっきり言ってこれ、とんでもない硬さです。例えて言うならハリボーを万力でギュッと圧縮したような。味は安心感のあるコーラ味なんですが、不思議な形状と常識を超えた硬さで強く印象に残る一品でした。

たぶん、1袋一気に食べきるとアゴが使い物にならなくなると思う。そういう意味で、ダイエット中だけど口寂しいときなんかに2、3個つまむのにはぴったりかもしれません。

【属性】ハード値暴走


と、なんとか12種類のグミを一周し、そして本題。あらためて「コーラアップ」をじっくりと味わってみます。

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うんうん……

はぁ〜、ふつうのコーラグミ。そのバランスの良さ。なんて落ち着くんでしょう。

これからの僕のコーラグミ生活、コーラアップを指針にしていけば、迷うことはなさそうだな。

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