とくべつ企画「よけいなことをする日」 2020年2月29日

オムライスに生卵をかける

よけいなこと、やらなくていいこと、誰からも頼まれていないことを、する。

そのとき、やる理由は自分の中にしかない(ないかもしれない)。

社会性を持った生き物である我々にとってそれはずいぶん贅沢で、勇気がいることだ。なぜなら社会システムからしたらその行為はエラーだからだ。

善でも悪でもない。儲からないしロマンもない。
誰のためでもなく、誰からも理解されないことをするのだ。

だからオムライスに生卵をかける。

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※この企画は2020年2月29日のとくべつ企画「よけいなことをする日」のうちの1本です。
 

1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと新宿区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

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ビフォアとアフターが同居する料理

近所にオムライス専門店がある。あの評判のいい店のオムライスに生卵をかけてしまおう。にこやかな店主はテイクアウトを待っている僕にスープを出してくれた。そのスープがすでにうまい。

すいません、でも僕はこれからあなたのオムライスによけいな卵を追加します。

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オムライスはケチャップじゃなくてトマトソースだった。なんてまじめだ。
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でも生卵をライドオン!
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そして息を呑みながら黄身をつぶした
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スプーンの上に火が通った卵と生卵が同居する

ビフォアとアフターが共存する状態。このスプーンのなかでは過去も未来もいっしょである。

時間が存在しない。プルーストさん見てますか。

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うまそー
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時間が存在しないオムライスからシズルがあふれる

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…………。

………。

うまい。

トマトソース+チキンライスのしっかりした味を生卵がソフトにしている。トッピングのウインナーの濃い味も生卵がバッチこーいと受け止めている。
 

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よけいだけど、これはぜんぜんありだ

生卵なしで食べてみると、スタンダードな美味しいオムライスだ。でも、生卵をかけると、予想もしなかった優しい世界が広がるのだ。

「あ、ここドアあったんだ。わ、もうひと部屋あった!」だ。

生オムライスだ。

結果はどうでもいい。よけいなことだから

うっかりおいしくなってしまった。

でも、よけいなことでもやってみるものですね、なんてことは言いたくない。

だって、僕は目的もなくただやってみたかっただけなのだ。

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ねっとり

いい結果を得るためとかそんな向上心があったらそれはよけいではない。

ぐっちゃぐちゃになったり、何もおきなくてもそれを受け入れる。そのときほど「よけいなことをした…」としみじみ思えるだろう。

あと、半熟卵のとろとろオムライスに食感が似てるよ。

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