特集 2015年12月12日

11月の記事ベスト5&「豚汁作ったから川原で食べよう」

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こんにちは、編集部 石川です。

12月ですね!楽しかった2015年ももう終わってしまうとは…認めたくないものです。
せめてもの抵抗として、この記事は先月の総集編です。
11月のことを振り返りつつ、まだまだ今年は終わらんぞ、いや終わらせんぞ、という気持ちで、ランキング&対談をお送りします。
インターネットにラブとコメディを振りまく、たのしいよみものサイトです。

前の記事:抱いてやれとんかつをそして肉豆腐で泣こう 人気記事まとめ

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PVランキング

アクセス数のランキングです。予想外の泣ける記事だった三土さんのマクドナルドにつづき、世界的な騒ぎになった平坂さんの記事。そして大北さんの満喫すぎるグルメ記事が続きます。感情の揺れ幅の大きいベスト5。

閉店の瞬間ってどんな感じなのか。大勢の人が集まる、予想以上に大きなイベントでした。
知床で釣り上げた。そして食べた。そしたらちょっとした騒ぎが起きてしまったのだ。
たべてみてわかった。一瞬ですべてを理解した。仙台の牛たんはうまい。
沖縄そばの乾麺をパスタやラーメンとして試してみたら、どれもうまかった。
日本一危険な神社と称されている北海道本島の最西端にある太田山神社へ行ってみた。

SNSランキング

そしてSNSの反響ランキング。こちらもなんと2位までがアクセスランキングと同じ!5位に滑り込んだ西村さんのブックカバーは先日、続編記事もアップしておりますよ。
閉店の瞬間ってどんな感じなのか。大勢の人が集まる、予想以上に大きなイベントでした。
知床で釣り上げた。そして食べた。そしたらちょっとした騒ぎが起きてしまったのだ。
天才高校生が作る「自分の部屋」や「ゴミ」のジオラマが、本物かと思うほどリアルだ。
マンション広告に入れられた詩的コピー・マンションポエム。今回は「地元」に着目。
息子が仮装パーティーに行きたいという。お父さんの作った仮装「本」でいいなら貸すぞ。
次はライター大北さんへのインタビューです。
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たべてみてわかった。一瞬ですべてを理解した。仙台の牛たんはうまい。
藤原「仙台の牛タンがすごかったですね、途中からラブレターになっていて」

大北「ああ、妻から牛たんへのラブレター。ほんと変な構成だよね」

藤原「『あたりまえの旅』というとくべつ企画でお願いして、まさかこんなものが飛び出てくるとは思いませんでした」

大北「そうか、これ特別企画で旅費が出たんだよね。高瀬さん分も。悪いからなんか書いたほうがいいよ、ラブレターとか、って言ってくっつけたからさ。あんまり変だという意識がなかった…。

義理というか。義理から妻に牛の舌へラブレター書かせてるなこれ。中国の故事にありそうだ」


藤原「牛の舌に恋文を書く」

大北「おれ娘いるんだけど、牛か豚に嫁にいかすよ」

藤原「西遊記の世界ですね。牛魔王」

大北「さらっていくからなあ、牛魔王は。しょうがないよ。

でもこれ構成とかいうのも野暮だよなあ、牛たんってうまいんだよ、知ってた?」


藤原「牛たんはまあうまいなって思ってましたけど、それとはまた別格だったんですよね」

大北「あ、そうそう。なんで仙台駅に牛たん牛たんって書いてんだろうと思っててさあ。あ、わかった~って。一瞬でおかまちゃんになったよ

性別一瞬で変わったよ。らんま2分の1みたいに」


藤原「牛たんを食べると性別が変わる呪い」
女人化するほどおいしかったぎゅうたん
女人化するほどおいしかったぎゅうたん
藤原「大北さんは日頃からおいしいものを食べると性別変わったりするんですか」

大北「いやあ、まったく。だからこの前のとんかつでようやくもどった感じ。長かったねえ、女性期間」

藤原「行って、帰ってきたんですね」

大北「ブラジャーとか買わないといけないから大変だよ。

グルメライターってジャンルあるじゃない。あれほんと大変だよ。一日に何回も性別変わるからさあ」


藤原「ありますね、あの人達パスポートとかどうしてるんでしょうか」

大北「名前はもう薫か忍あたりに改名するんだろうね」

藤原「潤とか。

さっと性別変えられるように常にポケットに凄くうまい何かを持ってるのかも。メントスとか」


大北「ハイチュウとか。

そっか、舌のハードルを下げればいいんだねえ」


藤原「大北さんはいつもおいしいものを食べている印象がありますが、どうですか」


大北「奥さんがおいしいもの好きだからじゃないかな…。今も台所でアマダイの頭からうまい汁が出たって喜んでる声が聞こえてくる」

藤原「そうそう、食文化のレベルが高いですよね。

うちじゃアマダイの頭からうまい汁でてきませんよ」


大北「おれもチキンラーメンの麺くらいからしか出てこないと思ってたんだけど。出てくるらしいんだよ」

藤原「アマダイの頭から」

大北「映画『セブン』に出てきたらけっこうすぐ殺されると思うよ。傲慢、憤怒、嫉妬、怠惰の次あたりに殺されるね。アマダイの頭からうまい汁…って罪で」

藤原「七つの大罪の1つ、アマダイの頭からうまい汁を出す。

大北さんは家で飲むと締めに茶粥を作って食べると聞きましたが、あれは七つの大罪ですか?」


大北「傲慢、憤怒、嫉妬、怠惰、茶粥。入るなこれ」

藤原「傲慢、憤怒、嫉妬、怠惰、甘鯛、茶粥」

大北「入るな」

藤原「あと一個ですね」

大北「茶粥入れたら和歌山と奈良の人怒るけどな」

藤原「憤怒だ」

大北「和歌山と奈良の人はもう2つの大罪犯してるな」
大北さんが食べる茶粥のレシピ
大北さんが食べる茶粥のレシピ
藤原「年末なのでプープーテレビの長編動画の撮影をする時期なのですが、準備はどうなってますか」

大北「火だるまだね」

藤原「難航してますか」

大北「脚本がやっと目処たったところ。

来週撮影なんだけど、必要なものをエクセルに書き出していってて今70個あるのかな、調達すべきものや人が」


藤原「火だるまですね」

大北「毎年思うんだけど、これどの瞬間が楽しいんだろうね。もちろん撮影現場でおもしろいことして笑うのは楽しいけど、準備大変すぎるよ。

↑病んでる発言」


藤原「去年も監督の大北さん頭パンクしてました」

大北「今気が重くて大変なんだよ…」

藤原「脚本と準備のエクセル見ましたが、準備は去年よりも大変そうですね」

大北「でも年々みんな協力的になってきてる」

藤原「みんなが協力的なのはやっぱりできあがったものがおもしろかったからじゃないでしょうか」

大北「去年のがおもしろかったからねー。一昨年のはおれたちはおもしろかったんだけどなー。八王子の河原で安藤さんがずっと独り言言ってる映画。これが西部劇だ!っつって」

藤原「2日で撮ったという」

大北「脚本なし。主に独り言」
手作りの馬も出てきた西部劇。こちらで見られます。
手作りの馬も出てきた西部劇。こちらで見られます。
藤原「でもその影響でNHKも八王子でウエストサイド物語作り出しましたから(これ)」

大北「なんだこれ! 訴えてやる!(帽子たたきつけて)」

藤原「笑って泣けるハートウォーミングコメディーだそうです」

大北「心細くなるとかかわいそうになるとか不安になるコメディじゃないんだ」

藤原「冷たい風とかも吹いてなさそうです」

大北「じゃあ無実だね(帽子かぶりなおして)」

大北「安藤さんが今年も寒くなってきてあの話をしてくれたよ。あんなに寒かったことはないって。つらかったんだろうね…」

藤原「安藤さんいつもTシャツなのに寒いっていうことはよっぽどだったんでしょうね…」

大北「冬なのにサーフィンとかしてるイメージだけど、八王子の河原はそれ以上なのか」
とにかく寒かったそうです
とにかく寒かったそうです
藤原「今回予定としては1月4日に長編の予告が公開されるのですが、できあがりそうでしょうか」

大北「とりあえず帰省はとりやめたよ。できたらいいよねえ」

藤原「大変な仕事を引き受けてくださってありがとうございます…」

大北「みんな協力してくれるんだからできてたらうれしいだろうなあ。できる気がしないね」

藤原「がんばってください!」

大北「早く盲腸とか傷めないかなと思ってるよ」

藤原「しれっと春とかに延期しましょうか」

大北「新春っていって4月公開」

藤原「新学期」

大北「それはそれで小学校の入学式行けなさそうだ」

藤原「じゃあ夏ですね」

大北「夏は暑いからそろそろ体力づくりがんばろ~。半年かけたノリツッコミしたいくらいだよ」

藤原「それを動画にしましょう」

大北「よし、おれもYouTuberになるぞ!

半年かけてボケて半年かけてツッコむ。次の半年はじゃんけんして次の半年はチャンネル登録をお願いする」


藤原「それで前編、後編にまた2年」

大北「YouTuberの人生大変だよ」
大北さんは11月の記事で地面から生えてきたりたきぎの上で寝たりしてました。大変そうでした。
大北さんは11月の記事で地面から生えてきたりたきぎの上で寝たりしてました。大変そうでした。
大北「なんか暗くてごめんな、藤原。牛たんはうまかったよ…」

藤原「いえ、来週撮影がんばりましょう…」

大北「そうだ、藤原がまた出づっぱりなんだった」

藤原「そうなんですよね」

大北「もうできないものと思ってたら気が楽だよ。藤原ももう来るなよ、撮影現場に。どうせできっこないからさ」

藤原「後ろ向き!」

大北「おれも藤原来ないものとして撮るからさ。画面にはいることにするから」

藤原「行きますよ!」

大北「いいよ来なくて! 来るなー!!」

藤原「行きまーす!」

大北「絶対反対ー!!」

大北「こうした反対運動を止めるのに私達の税金が一日1200万円使われていることをあなたはご存知でしたでしょうか」

藤原「あまりよくわかりませんががんばりましょう!」

大北「行こう!選挙に!」
続きまして、とくべつ企画「当たり前の旅」の振り返りです。
いったん広告です
急ですが、当たり前に旅行してみるの、どうでしょう。あえて。
石川「11月から、月1でこういう企画をやっていこうっていう話になったんですよね。

古賀「はい。10月の連休にやった『一万円の○○』シリーズが大好評で」

石川「あれの流れですね。『あたりまえの旅』っていうテーマはなんで決まったんでしたっけ?」

古賀「私がいくつか案を出しまして、その中から採用されました。

以前、北海道にデイリーの編集業とは別の用件の出張で行ったんですよ。そのときにネタを取ろうとして『ようかんパン』を食べたんです。北海道まで行って食べたのが菓子パン。そりゃようかんパンは美味しかったしよかったんですが、あのとき北海道の方からたくさんメールが来たんですよ。北海道まで来たんだからもっとちゃんと美味しいもの食べてレポートしてくれと」


石川「あはは。菓子パンとは何事だと」

古賀「そうそう。しかも1軒目に行ったのがコンビニでこれもすごく怒られた」

石川「この『あたりまえの旅』って読者サービスでもありつつ、同時に地元の人サービスというか、観光協会サービス的な側面もあるわけですね」

古賀「『サービス』というとおこがましいですが、思ったよりも普通のことをちゃんとやることって求められてるのかなあと思った部分はありますな。で、普通のことをおもしろく書く自信も私たちある程度あるじゃないですか」

石川「うん、変なネタ考えるサイトだと思われててるけどそれだけじゃないぞという」

古賀「ただ、そうは言っても、、やっぱり普通のことをおもしろく書くのはライターにはプレッシャー大きかったと思います。大北君が『F1に乗るみたいなものですよ』って言ってたのがすごく印象的」

石川「ははは、F1」

古賀「おいしいって分かってる、しかも大人気のものをわざわざ取材しておもしろく書くなんて、F1に乗るようなもんだって」

石川「確かに情報としてはもうみんな知ってるから、あと読ませる要素って自分が盛った分しかないですからね。
新しい情報でごまかせないっていうか」


古賀「そうなんですよね。そういう意味ですごかったのは小堺さんですよね。ゆで卵を食べ続けるという意外すぎる切り口」

石川「しかもけっこうさりげなく。記事の前面に押し出してないんですよね。よく見ると食べてる。
いま見返してみると、トップの大画像で、傍らに塩置いてるのがすごくいい」


古賀「あ、本当だ。これじっくり見るとすごくいい写真ですよね」

石川「あと、食べてる写真も気になるんですけど、普通に移動したり遊んだりしてる写真も『このとき卵○個持ってるな…』っていう視点で見ちゃうんですよ」

古賀「残り卵あと○こか…って」

石川「終盤数が減ってちょっとしんみりしてくる」

古賀「旅情とゆで卵の残り個数の両方でしんみりする、なかなかない状況」

石川「卵に熱海がのっとられた形ですね」
絶景の傍ら、塩。記事
絶景の傍ら、塩。記事
石川「他に注目記事といえばやっぱり大北君でしょうか?
F1に家族で乗ったなという」


古賀「乗りこなしましたよね。家族でF1」

石川「その後シリーズ化されてますからね。毎月家族でF1に乗りに行くシリーズ」

古賀「F1に乗るぞ!って気持ちで書いてるから、ギミックがないんですよね。高瀬さんの手紙はギミックかな、でも基本的には真正面からがっぷりよつ。うまい、というその情報をとにかく掘り下げられるだけ掘り下げて書いてますよね」

石川「食べ歩きとかもしてないですしね。完全に1軒の牛タンにフォーカスしてるという」

古賀「で、写真も美しいしとにかくいい記事なんですが、これ、言っていいかな。
この家族、なんか全員寝巻きみたいな服装なんですよ」


石川「あははは! 全体に肌触りの柔らかそうな生地だ」
手触りの柔らかそうな生地の大北夫妻。記事
手触りの柔らかそうな生地の大北夫妻。記事
古賀「そうそう、それで最後手紙を読みながら松島ですよね。ほとんど夢というか」

石川「そうかー。その味わい気づきませんでした」

古賀「最後、船でビール買って見て寒いっていうのもすごくて。こういうどうでもいい写真がいちいちきれいだし」


石川「僕は藤原さんの最後のほうの、カメラのメニュー画像と同じ写真撮ってるのがすごいなーと思って」

古賀「あ、あれはすごい。藤原くんは本当にそういうところあるんですよ。持ってる」

石川「やってることは異常なんですよ。
でも考えてみるとカメラのメニュー画面に出てくるイメージ画像って、要は『究極の普通の絵』ってことじゃないですか。それを執拗に追い求めていくという。
なんだろう、普通への『渇き』みたいな?ものを感じました」


古賀「普通に中華街行って上手いもの食べて、夜景見てきてって言ってるだけなのに海を見て

『落ちたらその闇に飲み込まれて絶対に戻ってこれないだろう。想像すればするほど、引きこまれていきそうな重たさがある。音も怖い。一つ一つの波からジャッ!ジャッ!と音が出ていて、それが数万と群になることで「海の音」になっているのだ』

ってこの描写どうした、と」


石川「そうそう、そこすごかった」

古賀「やればやるほど『普通』と乖離しちゃうんですよね」

石川「最後にスキップする女性を見て『ああなりたい』っていう、このこじらせ感がすばらしいなと思いました」
「あたりまえの旅」というテーマの記事に掲載された写真とは思えない。
「あたりまえの旅」というテーマの記事に掲載された写真とは思えない。記事
石川「特集は今後も続いていくんですよね。
次回以降のテーマで、いま挙がってるのなんでしたっけ? 『タレ』か。あと『老舗』とかもありましたね」


古賀「あとは『行ったことないチェーン店』という平たいネタも」

石川「『普段家で食べるものを外で食べる』はどうですかね。卵かけご飯とか、トーストとか」

古賀「鍋とか? ちょっといま写真送ります」
石川「これどういう状況ですか」

古賀「妹の家に子供連れて遊びにいったら『豚汁作ったから川原で食べよう』って連れて行かれてこれです。すごく寒かったです」

石川「野外で食べるとたいてい暑いか寒いですからね」

古賀「あと風が強いか」

石川「そうそう! …いや、僕が言いたかったのは野外じゃなくて、店でってことです」

古賀「あ、そういうことか」

石川「次回の特集はいつになるんですか?」

古賀「1月にやります! どうぞお楽しみに! よってたかって外でなんか食べてるかもしれません」

石川「風を防ぐために丸くなって…」

古賀「なんでちょっと物悲しくするの!」

お知らせと今後の予定

東京ビッグサイトで開催されている「エコプロダクツ2015」内にて、今日まで巨大いらないものガチャガチャを実施中です。

それから年末年始にはまた特別企画をご用意しておりますよ。プープーテレビの長編動画も動き出しております。あわせてお楽しみに!

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それでは、また来年!
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