メーカーが、この文言を記しているということはつまり
そもそも、今まで沖縄そばの乾麺を手に取ることのない人生だったようにおもう。はじめて触れるものは、ついじろじろと眺めがちだ。
平たくいうと、クリスマスカラーだなぁともおもうこのパッケージ
裏面、「調理いろいろ」の項目になんか3行もあるな
「沖縄そば」というのは「沖縄そば」になることだけを考えている一途なそばなんだろうとおもっていた。
「・スパゲティ」とは書かず「・スパゲティ風」と書くあたりに、「スパゲティになってもいいけど、魂は売らないわよ」っていうささやかな抵抗も感じはする。するのだけど。
ちなみに、生麺タイプも調達してみたんですが
こちらは一途に、沖縄そばになる方法だけが記されてた(見づらいけど)
いや、本人が推奨しているのだからだいじょうぶだろう。いろいろ試してみよう。まずは手近なところでこの2つを。
ソース焼きそば。見慣れたビジュアルより明らかに太い
スパゲティナポリタン。左側が沖縄そば。平麺パスタに見えなくない……?
おお、これはこれは
あんまり違和感ないぞ。っていうか美味しい!
おお、いいぞ。いいぞこれは。
焼きそばも、スパゲティナポリタンも、まるで最初からこういうメニューがあったんじゃないかというくらいしれっと馴染んでいる!
そういえばパスタの平麺にそっくりじゃないか
先入観から解き放たれてみると、そのビジュアルはパスタの平麺にもよく似ているんだなぁと気がついたので、もっとその方向で攻めてみようとおもう。
広大なパスタソース界、悩んだあげくに両極端なソースを選んでみた。
「4種のチーズ」といわれると、壮絶なねっとり感を妄想してつい買う派
「予約でいっぱいの店の」という枕詞に心がざわざわする
並べてみたら、さながらオセロのよう
いかすみの壮絶な黒さにばかり気がとられるのだけど、なるべく気にしないようにしていたい。
これは美味い!なんの違和感もないどころか、むしろ沖縄そばのほうが美味いんじゃないかとすらおもえてしまうくらいに美味い。
わたしの心の中ではこんな軍配
茹で時間が少なめなこともまたうれしい。
本物には申し訳ないのだけど、沖縄そば、めっちゃめっちゃ合う!
らーめんの結束はおもいのほか強い
つづいて、らーめんに寄せてみたいとおもう。
パッケージには推奨されてなかったところだけど、沖縄そばの原材料は、ほぼらーめんの麺と同じという話を聞く。素材がおなじならば、かみ合う可能性もぐんと高いんじゃないだろうか。
チャーシュー・メンマ・味玉・ネギ。わたしのおもう王道4点セットをつのって盛りつけつつ、味はしょうゆで
うーん……
沖縄そば、ダメではないのだけど何かが違う。
しばし考えたあとにふと気づいた。
沖縄そばが合わないんじゃない。らーめんの麺がこの4点セットにあまりにも、あまりにも合いすぎているのだ。
比べてしまうとなおさら、あいつら(らーめんの具とスープと麺)、ほんっと仲いいんだなぁという事実に気づかされるばかりなのだ。
擬人化すると、きっとこんな状況だとおもう
ならば、平成になってから身近になってきたタイプのらーめんの汁と具の組み合わせはどうだろうか。
これ。ここ最近さいこうに美味いとおもっているやつ
濁ってよく見えないけど、下に何本もの沖縄そば在中しています
これは美味い。さっきとはうってかわりさらっと沖縄そばを受け入れてる。
もちろん、本来の麺でも充分に美味しいのだけど、沖縄そばととっかえると、辛さと酸っぱさをより堪能できる気もしなくもない!
食べ進めるとどんどんうどんに見えてくる
さて、次はうどん風味でいこう。
季節なので、きのこをどっさり入れてみたい。
海が遠そうなビジュアル
今まであまり意識してこなかったせいか、あらためて食べてみると、きのことうどんがあまりにも相性良すぎなことに気づき、ふとふるえてしまった。
そりゃ、きのこ入れたうどんがそこらじゅうで出回ってるわけだ
沖縄そばINきのこ汁は、最初こそは違和感をかんじなくもなかったものの次第に馴染んできた。
新調した靴がさいしょだけちょっと足に馴染まないことってよくあるけど、ああ、きっとそんなかんじなんじゃないだろうか。
食べ終わるころには「美味いなこれ」っておもいはじめてるかんじ
パッケージには「煮込み」も推奨されていたので、煮込んでもみる。
ぐつぐつしてなくって雰囲気でてないけど煮込んである
わ、このビジュアル、かなりうどんっぽいんじゃないの
見れば見るほど、食べれば食べるほど「あーこれ、うどんだったかもしれない」っておもいはじめてしまう。
これってたぶん、ふつうに美味しいからだ!
郷土の料理にも挑んでみたい
出来る奴だなこいつ、ということがわかればわかるほどにもっとたしかめてみたくなってしまう。
お好み焼きはどうだろうか。
わたしは広島風が好きなので広島風に仕立ててみたい。
本拠地でも、「そばかうどんか」という選択肢はあったりするから、いけるんじゃないかとおもう
ちなみに。本場で食べたうどん入りはすごい美味かったです!
問題は、自宅のホットプレートが壊れていて使えないこと。
フライパン(ぼろい)でむりくりに再現を挑む。
あんまりだいじょうぶじゃなさそうな途中経過
あーっ…………
非常にきたない仕上がりに悲しみはこみ上げるけども、皿の中心に本体をよせて、トッピングでごまかしごまかせばこの過去はなかったことに出来るんじゃないだろうか。
できた。おおぶりなかつおぶしを買っておいてよかったとおもう
「広島風お好み焼き」をどこまで忠実に再現できたのかはあやしいけど、目の前の食べ物は何の違和感もなくいたって美味いから、よしとしよう。
沖縄そばはあまりにもよく馴染んでいたので、食べている途中でもう、これがはじめて試す組み合わせだったなんて忘れかけてしまっていた。順応性すごい。
それでふと、沖縄そばって完全にアウェイの飲み会とか行っても、しれっと普通に馴染みそうだなとか妄想した
大分の郷土料理「やせうま」。うちにあった
「パスタ」? なんか既視感のある注意書きだな
気になって買ってはみたものの、食べる機会を見計らっていた未知の郷土料理に、なぜかこのタイミングで挑んでみる。
ネット検索しながら、「見よう見まね」とはこのことだなぁとおもいながらつくっていく。複雑なレシピじゃなくてよかった。
ちなみに、複雑じゃなくてありがたかったレシピはこちらです
はじめて見るわりには、そんなに違和感ない気もしている
引っぱったその姿にちょっと「あれ?」っておもいつつも
おお、これ、めっちゃ美味いわ!!!
やせうま自体も美味いのだけど、沖縄そばにきなこをふりかけたやつもまた同等に美味い。違和感のなさがこわくなるくらいに、いたって平然と美味しいので、にやにやしながら食べ尽くしてしまった。
ああ、沖縄そばの乾麺すごい。
なんかもう、ひたすらに攻撃をしてもしなやかに受け止められ、微笑みで返されてしまうことばかりだ。寛大すぎるんじゃないだろうか。
まだまだ都内のスーパーで見かける機会は少ないので、売り場をもっと拡大して!と熱望しつつ終わりにします。
めいいっぱい積み上げられてるスパゲティ先輩の棚をちょっと分けてほしい。
この実験、生麺だとまたぜんぜん違うとおもう
乾麺にしぼって実験をすすめてみたのだけど、生麺だったらもっと違う結果になっていたんじゃないかなともおもう。
乾麺にしぼって実験をすすめてみたのだけど、生麺だったらもっと違う結果になっていたんじゃないかなともおもう。
「沖縄そば」を「沖縄そば」として食べるのなら、うーんやっぱり、生麺のあの感じが好きだなぁともおもう。でも、生麺にしろ乾麺にしろ、沖縄以外のスーパーで見かける機会はもっと増えてほしいなとおもう!
(近所のいなげやとサミットに、届けこのおもい。)