岐阜は私の故郷
大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公「明智光秀」が生まれ、織田信長のゆかりの街でもある岐阜。戦国時代を語る時は必ず岐阜が登場するのではないだろうか。合掌作りの集落「白川郷」があるのも岐阜だ。
この記事を書いている私も非常にゆかりのある場所だ。昔付き合っていた女の子が岐阜に住んでいたからだ。だからたまに岐阜に行っていた。もう随分と昔の話だけれど、私は岐阜に行っていたのだ。
ただ私は岐阜に詳しくはない。なぜなら岐阜に行ってはいたけれど、その女の子しか見ていなかったから。ゆかりはあるから私の故郷と言えるけれど、その子のことしか見ていなかったから、岐阜の記憶がその子のことしかない。
私の故郷なのに、全然知らない。ということで、皆さんからTwitterやメールで教えていただいたオススメを訪れてみたいと思う。きっとあの頃の彼女を超える岐阜に出会えるはずだ。岐阜は素晴らしいのだ。
リスリスリス
最初に行くのは金華山にある「リス村」。ロープウェイに乗って山頂付近まで行くと、そこに「リス村」があるそうだ。金華山には岐阜城もあるのだけれど、リス村がオススメと教えてもらった。岐阜城は無視して、リス村を目指す。
昭和40年に当時の日本では初めてとなる「リス村」が開村する。それがこのリス村。そもそも昭和11年に岐阜公園を中心に躍進日本大博覧会が開催され、当時では珍しい「タイワンリス」が持ち込まれ、その後野生化した。そのためこの辺りには野生のタイワンリスもいる。
リス村のフェンスの中に入ると、ラグビーでボールを持っている人にアタックする感じでリスがやってくる。めちゃくちゃやってくる。全く人を恐れないようで、バンバン来るからこっちがリスを恐れてしまう。バンバンなのだ。
写真ではお利口に私の手から餌を食べているように見える。でも、違うの。自分で私の体に飛びつき、よじ登り、手に餌があるのを知っているから、手を見せんかい、とやって来る。現金なやつで餌がもうないとわかると帰ってしまう。ちょっと寂しく感じる。餌ではなく、僕を愛してよ、と思うのだ。
リス村を見た後に、興味はあるし岐阜城も見に行こうかな、と思ったけれど、リス疲れなんですかね、なんかいいや、別にススメられてもいないし、ということで、下山した。ロープウェイで。リス疲れなんてもう感じることはないと思う。
リスリスリスリスリスリス
次は高山市にある「リスの森」に行こうと思う。岐阜にはリス村もあれば、リスの森もあるのだ。ただリスの森にいるのは「エゾリス」と「シマリス」。リスの種類がリス村とは異なる。リス村ほどはバンバン来ないのではないだろうか、根拠はないけど。
リス村を超えた。バンバンレベルを超えた。お前はムササビか! って言いたくなる感じで飛んで来るのだ、エゾリスが。私の体を木と思っているのか、我が物顔で歩き回り、ポッケを漁ろうとする。ポッケに餌があるのを知っているのだ。ねえ、餌ではなく僕を愛してよ。
エゾリスに比べたらシマリスは静か。ペットショップで見るシマリスは落ち着きなく動き回っている気がしたけれど、ここでは「自分もいいんすか!」みたいな感じで奥ゆかしく餌をもらいに来る。
エゾリスとシマリス合わせて200匹ほどがここにいるそうだ。餌がなくなると誰も来なくなるんですね。それがとても悲しい。結局はバンバンに来て欲しいのだ。私の体中をリスに走り周って欲しいのだ。
日本海へ、太平洋へ
川の水は日本海か太平洋かに流れる。どちらに流れるか、が決まるのが分水嶺。郡上市に「ひるがの分水嶺公園」というものがある。大日ヶ岳から流れてきた水がここで日本海へか、太平洋へかが決まる。その瞬間を見ることができるのだ。
向かって右に流れれば日本海、左に流れると太平洋へと行くことになる。一緒に流れてきた水たちがここで別れるわけだ。あんなに「ゴールまで一緒に走ろうね」と言っていたのに、ここで別れてしまうのだ。
太平洋に流れるものが「長良川」となり、日本海に流れるものが「庄川」となる。庄川と比べると、長良川の方が長いので、さっさと海に流れつきたいと思ったら「庄川」を選ぶことになる。どちらにしろここでお別れなのだ。結婚しようと言っていたのに。
一緒に行こうと言っていたのに、ここで別れる。そのようなドラマを勝手に想像しながら水の流れを見ると、月9かなと思ってしまう。ただもう時期的に寒いんだよね、標高も高いし。水に手を入れたら、痛かった。冬なのだ。