特集 2020年11月10日

衛星写真で去年と今年を比べると変化がわかって面白い

人工衛星というものがある。地球の周りを飛んでいて、様々なデータを送り、我々の生活を便利にしてくれるものだ。世界初の人工衛星は1957年にソ連が飛ばしたスプートニクだった。

今では地球の周りをたくさんの人工衛星が飛んでいる。そして、人工衛星から撮られた衛星写真の一部は誰でも見ることができる。そのデータを見ると街の変化がわかって面白いのだ。

1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。(動画インタビュー)

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変化が起きるが忘れる

我々の住む世界は日々変化していく。今年発売された最新のスマホは、来年には古いスマホになってしまい、目の前にある空き地は、来年には新しい家が建ち空き地は消滅してしまう。日々変化しているのだ。 

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街は変化していきます

そして、忘れるのだ。街を歩いていると新しいお店がオープンしている。そこで我々が言うのは「ここ前は何のお店だっけ?」だ。覚えていないのだ。お店だけではない。街の変化を我々は忘れがちなのだ。

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そこで衛星写真です!(EO Browserより)

人工衛星が撮る写真「衛星写真」。これが非常に面白い。航空写真とは異なり、衛星写真は決まった周期で決まったアングルで写真を撮る。そのため変化がわかりやすい。それが一部ではあるけれど、無料で見ることができる。

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EO Browser

EO Browser」や「Tellus」などで、無料で見ることができる。ものすごく精密な衛星写真はお金がかかるけれど、ある程度のものは無料。今回は東京に住む私の家の近くを流れる多摩川の変化を衛星写真で見てみたいと思う。

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多摩川です!

衛星写真を見ながら現地へ

多摩川の去年の衛星写真と今年の衛星写真を見比べて、さらに現地に行って「去年はこうだったんだね」と懐かしんでみようと思う。たった1年でそんなに変化があるの? と思うけれど、めちゃくちゃ変化があるのだ。

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2019年の多摩川(EO Browserより)
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2020年の多摩川(EO Browserより)

上記はそれぞれ2019年5月と、2020年5月に撮られたものだ。川の形が変わっているのがわかると思う。2019年の台風で変わったのだ。今まで水が流れていなかった場所に水が流れ、その逆も起きている。

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かなり変わっていますな!(EO Browserより)

多摩川を日々見ているので、変わったよな、とは思っていたけれど、先にも書いたように忘れていく生き物なので、以前の様子はバンバンに忘れてしまっていた。卒業写真を見ながら「いたいた、こいつ」みたいな状態だ。

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私の立っている場所は、以前は水が流れていた!
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ここです!(EO Browserより)

2019年は水が流れていた場所に、2020年では濡れずに立っている。感動である。感動して欲しい。知らなければただの陸地だけれど、2019年を知っているので、「変わったな」と久しぶりに実家に帰った人みたいになれるのだ。

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2020年の中洲は離れているけれど、
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2019年は中洲がつながっていた!(EO Browserより)

過去の写真と衛星写真

多摩川の土手をよく歩いているのだけれど、やっぱり忘れている。中洲がつながっていたのか、という感動。毎日何かに無理矢理にでも感動した方がロマンチックな日々になる。中洲に感動、ロマンチックだ。

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2019年の写真
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2020年の写真

衛星写真だけではなく、過去の写真を漁っていたら、2019年の写真が出てきたので、同じようなアングルで写真を撮って比べてみた。川の形が変わっているのがわかる。この写真を確認した後に衛星写真を見ると、確かに変わっている。

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変わっていますね!(EO Browserより)
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ここを流れていた!

ちなみに変わったのは川の流れだけではない。そう、私の体重だ。2019年の写真の頃は65キロほどあったと記憶している。当時の体重の写真がないのが実に惜しいが65キロは確実にあったと思う。

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2020年の体重

2020年は体重が減って58キロ台に突入している。街も変わるし、川も変わるし、人も変わるのだ。それが去年と今年ということなのだ。私としてはこの体重を維持したい。でも、わからない。最近すぐ太るから。

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大きな中洲に移動!

名残を探す

衛星写真でも大きな変化があるとわかる中洲に向かった。私の2019年の記憶ではこの中洲に行くのはなかなか大変だった。木々が生い茂りそれを抜けていく必要があったのだ。ちょっとした冒険みたいな感じだったけれど、今は楽。

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緑が減った(EO Browserより)

記憶は正しかったようで、2019年は緑が濃く、2020年は緑が薄い。同じような時期に撮った衛星写真なので、季節の影響で緑が減っているわけではない。木々が流れて行ってしまったのだ。その名残のようなものを中洲を歩くと発見することができた。

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名残ですな、たぶん!

2019年にはなかった流れも見ることができた。陸続きになっていたはずの場所に水が流れ出している。確かによく観察すると幅は広いけれど、浅いように見える。元からあった流れに合流するところで一段落ちているようなので、新しくできた流れなのだ。

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水が流れているところは2019年は陸だった!
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ここです!(EO Browserより)
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元の流れとの合流地点が一段落ちている!

中洲を歩いていると、野生のトマトを見つけた。英語で言えばワイルドトゥマート、という感じだろうか。上流から流れてきたのか、鳥が落としたのか、川には意外にド根性ワイルドトゥマートが生えていることがある。

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ワイルドトゥマート
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酸っぱい!

このトマトの存在は衛星写真ではわからないので、やはり現地に行くことが大切だ。衛星写真を疑うのだ。本当にこれ正しいの? と。もちろん行けばわかる。衛星写真は正しい。トマトの存在まではわからないけれど。やはり定点で決まった周期で撮ってくれるからわかる変化。衛星写真、楽しいという話だ。

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2019年はこの辺りが木々で生い茂っていた!

衛星写真でいろいろわかる

今回は使わなかったけれど、衛星写真では植物の量がわかったり、水分量がわかったりなど、いろいろなことができる。もちろん今回のような思い出巡りのようなことも。人工衛星ってめちゃくちゃ高いのだ。それを思い出巡りに使っちゃう贅沢。そういうところに背徳感を感じる。

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冒険している感じはあった!

 

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