不要品はおもしろい
結果、8品が合計10,490円で売れた。手元に残るのは販売手数料と送料を除いた金額になるが、たんすの肥やしになるところだった物々を必要としている方々に引き受けてもらうことができたのはかなりの興奮があった。
デイリーポータルZは開設17年である。
記事を書いては不要品を出し、たんすの肥やしにする日々といってもいい。
肥やしが肥やしでなくなっていくこの感じはすごくエキサイティングだった。不要品エンタメを楽しみまくりました。
うちの大掃除でもやろう。
記事掲載のために作ったものは展示などのために作品として大切に保管するライターがほとんどだ。が、「もういいかな……」となるパターンもある。
テトリスのキーホルダーにプレステのコントローラーをつける(石川大樹)
編集部の石川が、キーホルダー型のテトリス(懐かしい……)をコントローラーで動かせるように改造したもの。
段差スロープにだって注目があつまるメルカリである。こういうものも……もしかしたら売れるんじゃないか……?
と、思ったが、改造品は出品はできないのだそうだ。
考えてみたら送ってしまった後はメンテナンスもできないしそりゃそうだ、である。
さて一方、記事内で作ったものをがつっと商品化させるパターンもある。
昭和ファンシー紙袋の偽物を作って本家に見てもらった(きだてたく)
昭和のファンシー紙袋「ストップペイル」。名前を聞いても「はて?」かもしれないが、実物を見ればある一定以上の年齢の方にはピンとくるはず。
記事はデザイナーの方(!!)にお会いしインタビューさせてもらうものだが、ライターのきだてさんはこのとき偽のストップペイル「ウソップペイル」を作ったのだ。
こちらは現在きだてさんがトートバッグにして販売している(リンクはきだてさんの通販ページ)。商品に昇華する成功パターンだ。
ここまでやってきて、すっかりメルカリ眼鏡がかかった(見るものがすべて売り物に見える)私だ。
こうなったらとくべつ不要ではないものもライターに談判して売れそうなものは売ってみたい。
たとえばこれ!
1995年に発売されたカシオのデジカメ、QV-10で現在の様子を撮影した記事。QV-10、きっと欲しい人たくさんいるんじゃないだろうか……!
執筆者でウェブマスターの林にねだったところ、2台あるからと出品を快諾してくれた。というか、なぜ2台あるのか!?
出品についてサイトの公式Twitterで告知したところ、QV-10の記事を読んで以来このカメラを探していたという方が購入してくださった……! これは興奮だ……。
15年前のフリー素材CD-ROMを愉しむ(林雄司)
ウェブマスター林といえば、今年は15年前に発売されたフリー素材集を買った記事も話題だった。
これもぜひ売りましょうと声をかけたのだが、今後も使うということであった。無念。
では、こっちはどうだ!
平成を代表する商品を「バーコードバトラー」で戦わせてみた(辰井裕紀)
バーコードバトラーを使った記事が話題だったライター―辰井さんにもメルカリで売らせてもらえないか頼んでみた。
ありがたくも「ぜひ!」と言ってもらえたので出品していこう。
ちなみに辰井さんは「バーコードバトラー2」も持っているからいいですよ、とのこと。バーコードバトラーって2があったのか。
QV-10同様、こちらも記事を読んだ読者の方からの購入だった。
すごく良い流れで品物が人手に渡っていく。ありがたい……。
さらに、こんなのもどうだろう。単純に完全なる不要品である。
あのとき母は21秒でお弁当を作った(デジタルリマスター版)(古賀及子)
デイリーポータルZには「デジタルリマスター版」という文化がある。
サイト開始の2002年から2011年までは、画像の掲載サイズが今よりも小さかった。それを大きくして掲載しなおすシリーズだ。
今年デジタルリマスター版として再公開されたこちらはもともと2009年の記事。
公開後、記事内容はもちろんだがメインビジュアルに映り込んだ腕時計、カシオのデータバンクが懐かしいという反響をぼちぼちといただいた。
で、これ、まだ自宅にあるのだ。月日をへて電池がきれたのか文字盤の数字はもはや消えている。
せっかくなのでにぎやかしに完全なジャンク品として出品してみたところ……
同様のジャンク品が高く売れていたので強気の値段にしてみたら、本当に売れて恐縮した。ありがとうございます! という気持ちがすごい。
自分が不要に思っているものに実は価値があると知れるのもメルカリのいいところだ。
結果、8品が合計10,490円で売れた。手元に残るのは販売手数料と送料を除いた金額になるが、たんすの肥やしになるところだった物々を必要としている方々に引き受けてもらうことができたのはかなりの興奮があった。
デイリーポータルZは開設17年である。
記事を書いては不要品を出し、たんすの肥やしにする日々といってもいい。
肥やしが肥やしでなくなっていくこの感じはすごくエキサイティングだった。不要品エンタメを楽しみまくりました。
うちの大掃除でもやろう。
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